夜空の幻を見上げて
- イラストコメント
誕生日に贈られた装置が映し出す夜空を眺めて物思いに耽る。
贈り主の名前はわかる。手紙も残っている。一緒に行動した報告書もある。
記録には沢山の軌跡が残っている。だけど記憶には一欠片の痕跡も残っていない。
広いとはいえ限りのある天獄界だ。その人を探して会いに行こうと思えば、きっとできる。
だけどそれを考えると気分が悪くなって、微かな嫌悪感と憎悪すら覚える。そんなことはしない方がいいという無意識の警告なのかもしれない。
一度失ったものは二度と元には戻らない。
もう思い出すことも出会うこともなくて、きっとその方が良いのだろう。
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さようなら、見知らぬ誰か



