忘却を経て　～俺の色は、何色ですか？～

いい思い出ではないのに、過去を忘れたくないと強く願っていた。
その代償が、このざまなのか？
今の俺には、心配してくれる友が居るというのに。

霞がかった虚ろな時間のなか、思ったことがあった。
…俺の色って、なんだろう？

その答えは、俺が俺であるために必要なものに違いない。
そう思って、答えを探し歩いた。

行った先で貰えた答えは、俺にとって意外なものだった。

お日様の色。
夜が明けて晴れ渡った天の色。
きらきらした鼈甲飴の金色。
銀色。

「銀は色々な色によく合う、けど銀自体は何かに染まる事は無くそれ自体もしっかり主張してる…信念があるって所かな」
心友はそう言ってくれた。

今の俺の色を纏ってみたら、なんだか不思議な感じがした。
…いや、これが「いつもの俺」だった。

ようやく、俺は俺を取り戻した。
翼に生えたのは、あいつから貰った縁だろう。

答えをくれた皆、本当にありがとう。
俺はこれからも歩き続けたいと思う…皆と一緒に。

（細かいリクエストに応じて下さった影都絵師に感謝！）