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黄金界エルドラド


リリィ

英雄祭、お疲れ様! いやー、ハチャメチャだったけど……だ、大丈夫?
とりあえず黄金の聖杯が簒奪者に渡らなくてよかったよ。
結果としてはあの人たちも、バカンスに来ただけだった……のかな?
なんだか妙な気分だけど……一件落着、だよね?


更新情報(2021/09/14)

大規模作戦「ザ・ゴールデンアワー」のリプレイ&結果が公開!
それにあわせて特設ページにて結果を公開しました。
特別報酬やバウンティハントの結果についても記載しております。

9月14日、該当者の方にプレゼントを配布させていただきました。
また、オリジナル系の該当者様には発注に関するメールを送信させていただいております。
お手数をおかけいたしますが、ご確認いただけますと幸いです。

大規模作戦「ザ・ゴールデンアワー」にご参加いただきありがとうございました!

<大規模作戦リプレイはこちら!>

ストーリーノベル

●そして宴もたけなわ
「いやー、今年も無事に英雄祭が終わってめでたしめでたしだぜ!」
 黄金界の王、クロウが豪快に笑う。
 バトルロイヤルが終わり、行事は恒例通り後夜祭に差し掛かっている。
 日が暮れてもビーチはライトアップされ、色とりどりに輝いていた。
「簒奪者に取られなかったからいいものの……ヒヤヒヤしたよ~、王様ぁ」
「わはは! でもその分盛り上がって、いつもより多くの『闘気』が集まった。咎人にも……それと、今回ばかりは簒奪者にも感謝しなきゃならねぇな」
 黄金界はこれでまた一年安泰だ。
 戦士たちの闘気は『黄金の聖杯』を活性化させ、エルドラストーンを産み出す。
 もうずっと長い間繰り返されてきた世界の法則だ。
「そういえばタカライ、あの子は何位だったの? 入賞したかな?」
「ワタシも気になっていたのだがね。『島』では遭遇できなかったからな」
 ひょっとしたら優勝していたりして……二人はそんなことを期待する。
 この後はちょっとしたパレードがあるらしい。上位入賞者はそこに引っ張られていくらしいので、まだ戻っていないということはそういうことだろうか。
「ま、この人でごった返したビーチじゃ迷子って可能性もあるね」
「はは、違いない」
「おう、お二人さんも今回はありがとな。俺も『王』として色々後始末があるんでそろそろ行くが、あいつと合流したら礼を言っといてくれや」
 去っていくクロウを見送り、タカライは「ふう」と息を吐く。
「さて、これからは自由行動ということになるかな?」
「そだね。簒奪者がここから悪さをするとも思えないし……あ、でも神官として最後までパトロールをしておくつもりだよ」
「ではワタシもそれに付き合おう。なに、乗り掛かった舟さ」


●脱落者の集い
「申し訳ございません……リングアウトについて、すっかり失念しておりました」
 オリーヴィア (mz0071)の脱落は確かに意外な結果だった。
 普通に考えれば最終局面まで残れる戦闘能力だったはずだ。
 すっかりシュンとしてしまったオリーヴィアに、氷堂アラタ (mz0055)は首を横に振る。
「そのことは気にするな。今回ばかりはお前を落とした咎人が上手だった」
 単純な戦闘能力で圧倒されていたとしても、知恵を絞って適切なスキルを使用した。
 オリーヴィアに落ち度はない。あるとすれば、戦略のレベルでの敗北である。
「ところで、グランギニョール様は? ……うっかりまた斬ってしまったのですが、あの一撃は無事に回避なされたように思えました」
「ああ、避けてたよ。あいつは……最終的に何か自爆して消えた」
 驚きもせず、オリーヴィアは「ああ」と短く返した。いつものことであった。
 あの『怪人』はもう持ち場であるテンペストにでも戻ったのだろう。
「聖杯は残念だったが――まあ、別に元々奪い去るつもりはなかったからな。優勝者としてエルドラストーンを持ち帰りたかったが……ま、このくらいの失態なら許されるだろ」
「おーい、アラタちゃーん! お前も肉焼くの手伝えよー!」
 いつの間にか水着に着替えたベリト (mz0054)が手を振っている。
 砂浜に設置されたBBQ台にて、ズロイ (mz0063)が一所懸命に肉を焼いているようだ。
 その傍ではエディ・ジャクソン (mz0067)がビーチチェアに横たわっている。
「ま、そもそも休暇みたいなもんですからね。ボクもすぐイルダーナフに戻りますし。その前に腹ごしらえくらいしても邪神様には怒られないでしょう」
「お前は自滅しただけだろうが……ったく」
 ぽりぽりと頬をかき、アラタがかすかに笑う。
「オリーヴィア、腹は減っているか? ズロイが海産物も獲ってくれたから色々あるぞ。タコとかイカとか……サメとかな」


●パレード
「聖杯に何事もなくて安心しました」
 パレードカーから翼と共に身を乗り出し、アルティナ(ma0144)が呟く。
 海岸線沿いにまっすぐ続く道の上。優勝者らを乗せたパレードがゆく。
 ゆっくりと進むパレードカーには大きな王座をモチーフにした装飾が施されており、その頂点にルー・イグチョク(ma0085)が鎮座している。
「優勝したっていうのにあんまり嬉しくなさそうですね?」
「ん……まぁ、な」
 二位の席に座った夕凪 沙良(ma0598)が問うと、ルーは複雑な表情を浮かべた。
「『あいつ』とやり合う、いい機会……だったが。最後の最後まで、遭遇できなかった」
「私も仲間と合流したかったのですが……なかなか難しいですね」
「『運』、だ。今回の決着も……な」
 正々堂々とした決闘ではないのだから、強さだけの話ではない。
 英雄祭は『知恵』だけでも足りない。最終的には『運』の問題となる。
 いや、むしろ真剣勝負とはそんなものなのかもしれないが。
「聖杯は無事に守られ、簒奪者は撃退された。今はそれでいいじゃないですか。それよりほら、観客が手を振っていますよ? こういう時の為の水着姿です!」
 アルティナが笑顔を作ってポーズを決める。
 背中の翼もあわせ、なかなか絵になっていた。
「そういや、ビショビショの、やつ……けっこう、いたな」
「水着での参加には実用的な価値があったというわけですね」
 さらりと言いのけるアルティナを視界の端に捉え、ルーは微かに笑う。
「はあ……しかし悔しいです。最後の最後、優勝一歩手前までたどり着いたのに」
「……だろう、な」
 沙良の気持ちはよくわかる。
 ルーほどの強者なら、あの瞬間天運が味方しなければどうなっていたか――想像できないはずもなかった。
(天やら運やら、あまり使いたい言葉ではないが……)
 そうとしか言いようがなかったので仕方ない。
「……私達は無事に聖杯を守った。今はそれでよしとしましょう」
「……だ、な。これも任務、だ」
「そういえば、あの最終局面で向き合った私達ですが……全員クラスタが同じですね」
 アルティナの言葉に二人がちょっと固まる。
 気づいていた。『たまたま』とはいえ、そんなこともあるのだろう。
「それで、この馬鹿騒ぎは……いつまで続くんだ?」
「まだまだずーっと先までパレードが進んだら、ですね」
「夜明け前には終わるんじゃないですか?」
「マジか……」
 その間ずっとこの恥ずかしい王座で踏ん反っていなければいけないのか。
「……長い後夜祭になりそう、だ」
 俯いたルーのフード越しに、強い光が瞬いた。
 顔を上げると海岸沿いにたくさんの打ち上げ花火が上がっている。
 人々が喜んでいる。咎人たちを歓迎し、勝者を祝福している。
「平和ですね」
 アルティナが呟いた言葉は、なんだかんだと咎人が守ったものだ。
 何事もなく宴がはじまって、終わっていく。
 世界滅亡の危機はなくとも、これも立派な咎人の『役目』だろう。
(そういうことに、しておこう)
 ゴールは遥か彼方。
 牛歩のように進む王座は咎人を乗せ、朝日を目指す……。

(執筆:ハイブリッドヘブン運営)

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