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迷宮島連動


ティア・ペリペ

島が天獄に墜ちてくるー!?
簒奪者がなに考えてんだかわかんないけど、好き勝手やらせないからな!
神様に出張らせる前に、あたいらで仕末つけてやる!
おまえら準備いいか!? 行っくぞー!!


更新情報(2021/12/17)

迷宮島での最終戦がついに開催されます!
第三階層でようやく解明、開示された情報をノベルと解説にまとめました。

第三階層で獲得できるイベント用クラフト素材「迷宮島のマテリアル3」を入手する最後のチャンス! どうぞお見逃しなく!

ストーリーノベル

●出動
『注意、最終起動条件が満たされたものと判断し、24879番島はこれより“戯れ事”を実行します』
 人形の宣告から数日。前進を開始した迷宮島はわずかずつ速度を上げつつあった。
 進路上にある他の浮遊島へ幾度となくぶち当たってもいるのだが、島は揺らぐことなく無造作に島々を押し退け、進む、進む、進む。島が恐ろしい重量と出力とを備えていることは、そのことからも知れた。
 その超重量が天獄界の中心部へ迫り来る。
 無論、天獄を統べる三柱の力をもってすれば、島を砕くことは容易いのだが。

 天獄界を統べる一柱、アイシスの居室。
 その万能たる力をもってすべてを知った彼女は神官へ告げた。

アイシス
「愛しい子たちに通達して~。ゴーレム退治して島をぼか~んって墜としちゃいなさいって。どうしてもってなったら、そのときはわたくしがお尻拭いてあげる~」
 言葉こそ軽いが、その意志は重く、固い。
 彼女はあえて介入を最終手段とし、信じると告げたのだ。咎人たちが為すべきを成し、この些末な事件を終わらせることを。咎人たちが力を振り絞って抗って、それでも解決ができなければ、自分が出る。
 でも、わたくしをここから立たせるようなこと、しないわよね~?
 アイシスの意を察した神官たちがあわただしく動き出す。
 島の進行を止めて撃墜するための爆薬の手配。爆破部隊を送り込む算段と、非戦闘員の退去手順の確認。内にいるゲートオペレーターへの伝達事項まとめ。その他細かな準備、注意、心配り……やるべきことは無数に存在し、それらを出撃までの短時間でどれだけこなせるものか。

●課題
 装備を調え、先んじて迷宮島の深部へ再侵入したティア・ペリペ(mz0001)と礼元堂深澪は今、人形と第三階層守護者である鋼獅子が待機する場を探りつつ、進軍ルートを確定している。
「上のほうにゴーレムがいっぱい沸いてるみたいだけどぉ~」
 迷宮内に残されていたゴーレム及びエネミー、そのすべてが島の表層部へ上がり、各所へ集結しているという。この島の造築主の意であることは知れていたが……どのように転ぶものか知れぬ先へここまでの精度で対策を置くのだから、おそらく“相当にいい性格”をしているのだろう。
「上の準備って進んでるのか?」
 ティアの問いに深澪はうなずき、
「もうちょっとしたら別働隊が配置につくよぉ~」
 別働隊とは島の表層を駆け抜けて先端部へ向かい、爆弾を設置する工作班を指す。
 簡単に説明するなら、先端を爆発で叩くことで島を前へ傾げ、進路を下へ押し下げようというわけだ。
 これと平行してレイドチームは守護者を討伐し、核を止める。
 初期案では核を破壊して島の前進を停止させることも挙がってはいたのだが、迷宮島という超質量を駆動させるほどのエネルギーの崩壊が及ぼす影響は読み切れるものではない。故にできる限り穏便なご退場を願うこととなったわけだ。
 ちなみに核の停止方法はまだ考案されていないが、ティアも深澪も心配はしていなかった。わからなければ訊けばいいだけのことだ。
 がらんとした通路を進む足をわずかに鈍らせ、ティアはしみじみと言う。
「まだ冒険できそうなとこ残ってるし、墜とすのもったいないけどなー」
「島、あと47999個あるらしいし? どっかでもっとすごいの見つかるかもよぉ~」
 軽口を叩き合いながらもふたりは歩を進め、時にトラップをクリアしつつ、ついに未踏のまま残されていた大広間へと踏み入った。

「よー、ごきげんよろしいか?」
 ティアの言葉を受けた人形――イタコルマイトゴーレム24879番は大広間の最奥に位置する金属柱から指を離し、うなずいた。
『肯定、みなさまのおかげさまで最終目的を実施することができました。心躍るとは、このような状態を指すものと推察されます』
 人形の言い様に深澪は眉根を顰め、
「目的って結局果たせないんだよ? それがわかってるのにうきうきする?」
 咎人の作戦が遂行されれば、この島は墜ちる。たとえ咎人がしくじったとしても、アイシスの神威が島を砕く。どちらにせよ、島が最終目的を完遂することはないのだ。
 しかし人形は口の端を上げ、再びうなずく。
『目的が結果であるとは限りません。目的が過程にあれば、それはすでに完遂されていることと同義ではありませんか?』
 それはつまり戯れ事とやらもか。
 ティアも深澪も思ってはみたが、訊くことはしない。肯定されても否定されても、まさに今さらなことだ。
 人形は中空へつるりとした面を向け、言葉を継ぐ。
『それに、我々とは出自を異とする造作物が一定以上の成果をもたらしてもいます。これ以上望むのは傲慢というものでしょう』
 出自を異にする造作物。それはおそらく、“ハテちゃん”と名乗るオウム型ロボットを指すのだろう。確かにあのオウムは咎人と交流する中、ずいぶん変わったような気はするが……
 それにしてもだ。訊かれたことにのみ答えるのが人形の流儀だったはずが、ずいぶんと含みのある回答をするではないか。
 深澪は「うむ~」、低く唸り、引き結んだ唇をひん曲げる。
 初めて遭遇したときには無機質だった人形が、わずかな時間でかなり人らしくなっている。頭の隅に置きっぱなしていた予想が当たっているとすれば、課題とはつまり。
「そういや課題のこと、まだ聞いてなかったな」
 先の応対で、人形が最後に語ると言った“課題”。この島が造られた理由とは別に存在するそれは結局語られることなく終わった。
『記憶しておいででしたか。語らずに済んだものと、そう、胸をなで下ろしていたのですが』
 人形はためらうように体を揺すり、意を決したように言葉を継ぐ。
『課題とは我々無機物が有機生命体――この場合は人となりますが――の有り様を学習し、模倣すること。それによって我々が有機生命体のごとき心、あるいは類似したものを得られるかを試行する』
 人間を模倣することで心を獲得する?
 ナンセンス。人形は確かに人めいた。とはいえ模倣はどこまで行ったところで模倣だ。心やら自我やらが生じたわけではあるまい。
 しかし、それこそ目的が過程にあるのなら、結果として失敗しても意義はあるのか。ああ、そうだとしても、造築主である簒奪者の意図が理解できない。
 顰め面を見合わせるティアと深澪へ、人形はさらに語りかける。
『これは禁じられてこそおりませんでしたが、非開示が推奨される情報でした。それをなぜお知らせしてしまったものか、解析ができません』
 と、天井の一部がスライドし、そこに空いた穴から獅子型スティールゴーレム“鋼獅子”が降り落ち、地響きをあげて着床した。
 わずかに傾げた面に笑みと思しきものを浮かべ、人形へ音なき圧縮信号を送る。
『……そうですね』
 なにごとかに納得したらしい人形は噛みしめるように言葉を切り、ティアと深澪へ向き直って口を開いた。
『守護者はこちらで最終応対をさせていただきたいと申しております。ここへなら、数十名様を招くことができますので』
 最終応対、それはすなわち闘い。問うことも答えることもなく、なにが通い合うこともない壊し合いだ。
「質問いっこの掟ってまだ有効? あ、今までんとこは世間話だったからカウントなしね」
 深澪の言い訳にうなずき、人形は口を開く。
『核の停止についてでしたらご心配なさらず。守護者の破壊が為されると同時、こちらにタッチキーが表示されます。どなたかに押していただくことで核は停止します』
 金属柱を指して言い終え――ふと、言い添えた。
『対価として釣り合いが取れているか不明ですが。みなさまのご尽力が無駄にならないことばかりは保証させていただきます』
 名残を感じさせる言い様が、やけに寂しい。ティアが訊いてしまったのは、同じ名残からのものだったのだろう。
「あたいも質問だ。なあ、おまえ、これからどうすんだ?」
『回答、私は島と共に。これまでと同じくこの先も』

 ティアは大広間の口でレイドチームの到達を待ち、深澪は別働隊のオペレートを担うべく表層へ駆け戻る。
 迷宮島の表層と最深部で同時に行われる二面作戦の開始まで、あとわずか。
 小話がめでたく、あるいは苦く締めくくられるまで、あとわずか。
 
(執筆:電気石八生

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