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【初心】連動


サガルト

当たり前ですが、何にでも「初めて」「不慣れ」はあります。
それは決して恥ずかしいことでも特別なことでもありません。克服するには経験あるのみ。
既に活躍している咎人の皆さんも協力してくれるはずです。実戦訓練に励みましょう。


更新情報(2021/10/20)

【初心】連動始動にあたり特設ページを公開!

ストーリーノベルや、連動シナリオ参加に当たっての解説などが掲載されております。
新たにハイブリッドヘブンを始めた方、しばらく離れていた方も、PCの新たな可能性を拓きたい方も、是非連動に参加してPCを育成してみてください!
既にPCを強くしている方には「メンター」としてもご参加いただけます。

【初心】連動シナリオの参加者には「スタート交換チケット」をプレゼント!
また、これに合わせてスタート交換チケットで獲得できるアイテムのラインナップを追加しました。

ストーリーノベル


「新しい顔も随分と見るようになったな」
 訓練場のトレーナー、テーレ・リエーブル(mz0010)は、昼食時にたまたま一緒になった神官のサガルト・ズィキ(mz0003)にそう声を掛けた。この多忙な神官が、「昼休み」と呼べる時間に昼食を取っているのは珍しい。彼は食べていたサンドイッチを飲み込むと、紙ナプキンで丁寧に口元を拭い、
「そうですね。咎人の魂は日々サルベージされてきますから」
 邪神勢力と戦うため、そしてリソース回収のため、神の尖兵として咎人の魂は日々サルベージされる。守護神エゲリア(mz0009)が言うように、咎人もまた「資源」だ。
「新世代の咎人の中でも、経験の差でグラデーションができているように見えるが……」
「まあ、それは……致し方ないですね」
 一般的に「新世代」と呼ばれる咎人たちは、例外なくポテンシャルが高いとされている。が、どうしても、先に目覚めていたり、積極的に活動する咎人の方が実力派になってしまう。それは致し方あるまい。
「致し方ないですが、差がどんどん開くというのも、両方にとって良くないことでしょう。咎人の仕事と言うのは協働ですから。なんとかして成長をサポートできるような方法があれば……」
 腕を組んで唸る。テーレはそのつむじをしげしげと眺め、
「付き添いがいれば良いのではないかな?」
「付き添い? 私がですか? そうしたいのも山々ですが、流石に全員の付き添いは……」
「いや、そうではなくて、既にだいぶ強くなっている咎人たちに依頼すれば良い……と思うのだが」

エゲリア
 サガルトは天井を睨んだ。やがて、ふっと表情を和らげ、
「ああ……あの人たちも随分と強くなりましたからね……そうですね。彼らに助力を頼んでみましょう。なんだか、不思議な気分ですね……この前洞窟からやって来たと思ったのに……」
 最近目覚めた咎人たちも、いずれ彼ら、彼女らの様に強くなってくれることだろう。
「では、メンターの募集もあわせて行ないましょうか。あと他に案はありますか?」
「折角だから、グラジオラス(mz0007)に初心者向けの武器の作成などを依頼しても良いと思う」
「え」
 サガルトは渋面を作った。テーレはグラジオラスと親しいから気にしないのだろうが……しかし、彼女の言うことも一理ある。咎人の戦いでは武器もある程度重要な要素だ。
「うーん、そうですね。ではちょっと依頼してみましょう……その前に守護神に話を通さないと……」
 彼はサンドイッチを包み直すと、立ち上がった。


 守護神たちは満場一致で「GO」を出した。
 スサノオ(mz0012)曰く、
「舎弟に舎弟ができるってことか!? それはそれで良いんじゃねぇの? その舎弟にまた舎弟ができたら俺様の舎弟ってことになるしな!」

スサノオ
 エゲリア曰く、
「なるほどメンター制度ね……何もわからないまま戦場に放り出すのは社員の教育としてあまり良いとは言えないしね。教える方も、人に伝えることで見直すこともあるだろうし」
 アイシス(mz0013)曰く、
「咎人ちゃん同士が助けあって成長していくのね~! とっても良いと思うわ~。お母さん感激しちゃう~! 我が子が頑張る機会を許可しないわけないわ~!」

 どうやら、守護神たちも目覚めたばかりの咎人に対する教育や訓練については何かしらテコ入れが必要だと思っていたようである。新人向けの武器開発についても許可が下りたため、神官はその足で武装協会に向かうのであった。

アイシス


 武装教会。
「まあ、新しい武器をだなんて……♪ ウフフ、サガルトさんも、そういうのお好きなんですね? 意外ですわ♪」
「あの、変な趣味みたいな言い方しないでもらえません?」
 初心者向けの新しい武器を開発してほしい。グラジオラスにそう伝えると、彼女は頬を染めてにっこりと笑った。武器全般に興奮してしまう癖の持ち主なのである。
「それで、どう言う方向性でお作りすれば良いんでしょう?」
「ああ、肝心なことを言っていませんでしたね……」
 咳払いを一つして、
「早い話、まだ咎人としての任務に慣れていない、新人さん向けの装備ですね。どのロールでも使えて、なおかつコストも重くないような……」
 記憶石を交換して得られる各装備も強力ではあるが、強化には時間がかかるし、石がすぐに集まるとは限らない。それまでの繋ぎにできるような武器が良い。要らなくなったら売ってGOLDに換えてしまっても良いのだし。
「かしこまりました♪ 初めての方には優しくしてあげないといけませんものね♪ ウッフフ……」
 怪しい笑い声を上げるシスター。怪気炎ってこう言うのだろうか。
「大丈夫かなぁ……」
 このふわふわした態度に一抹の不安を覚えてはしまうが、彼女の腕は本物である。戦闘面でも申し分ない実力のある優秀な咎人だ。任せておけば間違いない……筈だが……。
「うん、後はおまかせしましょう。では私はこれで」
「はーい! できたらご連絡いたしますわ♪ 楽しみにしててくださいね♪」
 何と返事をするべきかわからず、サガルトは曖昧に笑って武装協会を後にするのだった。


 広場にて。
「ふう……」
 サガルトはワールドボードに初心者向け依頼の概要を貼り出した。最近目覚めた咎人でもどんどん参加して欲しいこと、既に活躍している咎人も、サポートとして参加してほしいこと、などなど。
「これで、少しでも戦闘任務に出られる咎人が増えてくれると良いのですが……」
 そこでサガルトのお腹が鳴った。
「あ、そう言えば、お昼ご飯が途中でした……」
 もう、時間的にはおやつも過ぎてしまったような。残ったサンドイッチでもつまもうか。彼は伸びをすると、神殿の方へ戻るのであった。
 
(執筆:三田村 薫

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