- 危険
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このシナリオは難易度が高く設定されています。
戦闘により大きなダメージを受けてしまった場合、キャラクターの基本設定が忘却状態になることがあります。
基本設定が4つ全て忘却状態になると、キャラクター自身が死亡状態となり、ログイン及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
オープニング
「…………」
「お前は、名家の子だろう? それとも私を謀っているのか?」
「いえ、それは……」
「口答えする気か!」
理不尽。
何を言っても、叩かれる。
名家の持つ重圧もあるのだろう。
だが、そんな物よりも家族としての時間が――。
「聞いているのか!」
また罵倒される。
そうだ、考えてはいけないんだ。
考えれば苦しくなる。
いっそ考えなければ、楽になるのだろうか。
「おい、こっちを聞け!」
頬に衝撃。
叩かれた。
頬以上に心が悲鳴を上げている。
どうすれば、良かったんだ。
――誰か。
誰か、教えてよ……。
●
「鏃の氏族とベゾッフェンが不夜城からの退路を確保します。咎人を主体とした部隊が丙牡丹へ突入し、一気に攻撃目標を制圧します。地下に存在する施設です。仮に複数の階層が存在していたとしても重要拠点はすぐに判明するでしょう」
ヴェルナー・ブロスフェルト(mz0019)は、鏃の氏族本陣にて手早く作戦の概要を説明する。
鏃の氏族は五経の軍を破る事に成功。不夜城『丙牡丹』攻略に動き出す。
時間を掛ければ五経は部隊を再編し、再び鏃の氏族へ挑んでくるであろう。そうなる前に五経との因縁を断つべきと考えたのだ。
「……うむ」
「族長は『咎人』の者達も覚悟の上なのか? と仰っています」
鏃の氏族族長のサコンジは、ザジの言葉の間でも腕を組んでヴェルナーを見据えていた。
今回の作戦は丙牡丹という敵の本拠地を襲撃する。言い換えれば、敵本拠地の情報は今の所地下にある事だけ。突入する者達は情報の少ない状況で敵地へ殴り込みを掛けるも同然。リスクはかなり大きい。
族長からすれば、それだけのリスクを咎人達が鏃の氏族の為に負ってくれるのか? と案じていた。
「お気遣い感謝と言っておきましょう。突入に賛同した者達は相応の理由を持ってここへ赴いています。気にされる事はありません」
「……うむ」
「族長! ですから、それはお諫め致しました。お気持ちは分かりますが……」
ザジが族長へ苦言を呈する。
その状況からヴェルナーは内容を察した。
「族長も突入される件ですか」
「はい。何度もお止めしているのですが」
「……うむ」
族長は咎人と共に突入する事を強く望んでいた。
これにザジは強く反対していた。
「族長。何度も申し上げますが、族長に万一あれば氏族全体の問題に……」
「……いいじゃないか」
族長達の背後からリカルド・マエストリ(mz0056)が声を掛ける。
族長の言葉を同意する者がいると考えていなかったザジは激昂する。
「良くありません。族長が今倒れれば……」
「……らしくねぇな。族長は戦うって言っているんだ。氏族の誇りを賭けて。それを邪魔する奴が、どんだけ無粋か分かるか?」
「……!」
ザジはここで気付く。
族長を案じるばかりで、氏族の誇りを忘れていた。
元々この戦いは鏃の氏族が五経に目を付けられた事が発端。つまり、鏃の氏族が売られた喧嘩なのだ。ここで咎人だけで勝利をしても、それは鏃の氏族の力ではない。族長は氏族を背負い、五経と戦うべく立ち上がる決意をしたのだ。
「……うむ」
「族長……。分かりました。せめて私も同行させて下さい。これでも私は侍です。族長と何処までもお供しとうございます」
「では、族長も部隊と共に突入願います」
そう言いながら、ヴェルナーはそっとリカルドへ小声で話し掛ける。
「お二人に無理をさせないよう護衛をお願いします。戦力として当てにしていますが、失って良い人材ではありません」
●
来る。
小賢しいハエが、丙牡丹の近くを飛び回っている。
実に不快だ。
そして、そのハエは羽音を立てながら丙牡丹へ入り込もうとしている。
「……愚かしく……不遜な……者達……」
「あの罪人達の狙いは、丙牡丹の霊力炉と……あなたです、五経」
豪華な玉座に座る五経を前に簒奪者のブラッドリー(mz0065)がそう告げた。
咎人達の狙いは丙牡丹の破壊。
つまり、城主である五経と動力源である霊力炉の破壊だ。
「……黙って……こちらに……従えば……良いものを」
「黙って首を差し出す。ですが、彼の者達は裁きを待つ羊にはなれません」
「…………」
ブラッドリーの発言に五経は機嫌を損ねた。
五経の考えは自分以外はすべて駒。使えなくなれば捨てれば良い。逆らうならば全力で叩き潰す。それ以外の思考は不要と考えていた。
理解不能。
従う事で思考を停止できる。
考えれば、苦しみが生じるだけ。
従っているだけであれば、責任はすべて指示した者にある。
我が、それを担おうというのに。
(鏃の氏族……滅ぶだけの……氏族なら、不要と考えたが……何か、あるのか?……)
「五経?」
ブラッドリーの言葉で五経は意識を取り戻す。
思考を切り替え、五経は命令を下す。
「……お前は……霊力炉を……守れ。……多聞天を……使え」
「その願い、賜りましょう。この場にいない彼の者の願いとして」
「……我は……玉座の間で……迎え撃つ」
踵を返して歩き始めるブラッドリー。
五経は早々に鉄騎達へ丙牡丹防衛を命じる。
鏃の氏族と五経の戦いは、大詰めを迎えようとしていた。
成功条件
条件1 | 丙牡丹の霊力炉を破壊する |
---|---|
条件2 | 五経を倒す |
条件3 | - |
選択肢
選択肢1 | 丙牡丹の霊力炉破壊 | 現在の人数 | 4 |
---|---|---|---|
選択肢2 | 五経を倒す | 現在の人数 | 3 |
解 説
敵:
・五経
不夜城『丙牡丹』城主。白い頭巾を被った僧兵姿で、大きな体躯に巨大な鉄砲を保持している。鉄砲の能力は不明だが、高火力で一掃する攻撃が得意な模様。鉄騎も駒程度にしか考えず、必要であれば鉄騎毎攻撃する可能性あり。選択肢2に登場。
・ブラッドリー
『神の御遣い』を自称する簒奪者。神父姿で手に聖書を携えている。周囲に複数の光球を浮遊させている。光球を雷や盾に転用して利用する。戦闘には消極的で話す事が可能だが、会話になるかは不明。選択肢1に登場。
・多聞天
不夜城『丙牡丹』の霊力炉を守護する大型鉄騎。サイズ3。人型。手にしているで近づく者を打ち払い、遠くから攻撃する者は左手の宝珠で光線を発する。敵味方構わず霊力炉に近づく者を攻撃する。但し、ブラッドリーは攻撃対象外としている。選択肢1に登場。
・鉄騎「門出」×多数
五経の尖兵。人型で対象を発見して駆け寄り、大量を二本の腕で掴む。基本攻撃能力はそれだけだが、掴まれると一定時間その場から動けなくなる。選択肢2に登場。
・鉄騎「円尖」×多数
デミウルゴスが生み出したカラクリの一種。右手の装甲を厚くし、左手の回転ノコギリで接近した敵を甲冑ごと斬る事が可能。動作は決して早い方ではなく、本来は人海戦術で押し切る戦い方をする。斬撃には比較的抵抗力がある。両選択肢に登場。
鉄騎『錦』×多数
デミウルゴス配下の尖兵。右腕に大筒を装備した鉄騎で、放たれた弾は地面へ着弾すると爆発する。大柄で2メートルを超える体躯であるが、動きが鈍い上に防御力は低い。また接近されても大筒で殴る以外の術を持たない。両選択肢に登場。
マスターより
<追加解説>
・丙牡丹突入後、階下へ下っていきます。その間も円尖や錦が登場するため、排除する必要があります。
・二階付近は多数の鉄騎が待機していますが、稼働していません。
・三階に霊力炉と五経の部屋が存在しています。罠らしきものはありません。
・族長、ザジ、リカルドは選択肢1に、ヴェルナーは選択肢2に登場します。
近藤豊です。
鏃の氏族依頼が決戦を迎えました。丙牡丹内での攻防になります。この戦いで丙牡丹を破壊できれば、鏃の氏族に訪れた危機は消え去るでしょう。
それでは、じゃがバターを肴にお待ちしています。
関連NPC
参加キャラクター
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- 鐵夜行(ma0206)
- 剛力種|女
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- 如月 朱烙(ma0627)
- 人間種|女
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- Uisca=S=Amhran(ma0753)
- 神魔種|女
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- 瀬織 怜皇(ma0752)
- 人間種|男
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- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
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- シアン(ma0076)
- 人間種|男
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- 水無瀬 遮那(ma0103)
- 精霊種|男
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- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
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- 神慶 誠就(ma1209)
- 神魔種|男
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- 伊吹 瑠那(ma0278)
- 剛力種|女
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- リダ・クルツ(ma1076)
- 人間種|男
-
- 桜庭愛(ma1036)
- 人間種|女
- プレイング締切間近
- 2022/06/29 10:30