- 危険
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このシナリオは難易度が高く設定されています。
戦闘により大きなダメージを受けてしまった場合、キャラクターの基本設定が忘却状態になることがあります。
基本設定が4つ全て忘却状態になると、キャラクター自身が死亡状態となり、ログイン及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
オープニング
「旗を掲げよ! ガルワーズの旗手たちよ!!!」
水聖都市ドライマナ上空。
龍神を従えたガルワーズ連合都市の天空旗士たちは、大軍を形成しながら目標とする水の都を見下ろしていた。
その軍勢を率いる人物は何者でもない。そもそも先導者と呼べる人物はおらず、各々が声を掛け合いながら結束していく。
「――龍神の旗を掲げよ!」
そしてまた別の場所で、別の者が声を上げた。
「我らの祖は弱き者である! 一矢を報いる力さえ持っておらず、捕食される日をただ待つ被食者でしかない!」
そしてまた別の場所で――
「然り! 幾年の時が過ぎたところで、それは変わらず! 我らもまた、力を持たぬ弱者なり!」
「ならば、ここに集え! 弱き同胞よ! 我らと同じ、弱き旗を掲げよ!」
「では、私も続こう、同胞よ! 旗の数こそ、我らの力である! 弱き旗こそ我らが求めた力である!」
声は止まることなく、更に過熱していく。掲げる旗がまだ足りないと言わんばかりに。
「旗に続け! その先で旗を掲げよ! そしてまた旗に続くのだ!」
そう、あえて言うのであれば、この者たちを率いているモノは『感情』である。個々の苦しみを燃料とし、火を寄せ集めて更に燃え上がる『感情』に過ぎない。
ゆえに先導は必要なかった。誰もが同じ道標を持っている。
まだ旗が足りない。水聖の地に旗が立てられていない。目指すは水の都。
「さあ、水聖の地でガルワーズの旗を掲げよ! この旗こそが我々の道標である!」
「さあ! 今こそ旗を掲げよ! 我らこそが――ガルワーズの旗手!」
「龍神の旗印を掲げた――ガルワーズの旗手である!!!」
その燃え上がる『感情』が最高潮に達した時、旗手たちは一斉に滑空した。
水聖都市ドライマナの中心を目指して。
●ドライマナの契手たち
ガルワーズの旗手たちが攻撃をしかけると同時に、ドライマナは防衛態勢に入った。あくまでも防衛。攻撃が仕掛けられた為、仕方なく身を守るという体裁である。
事実、ドライマナは戦争に参加しないことを宣言した中立国。そこに嘘偽りはない。市民が求めた平和。この世界で唯一の平和の場所――それが水聖都市ドライマナである。
「みんな避難して! 水路を通って地下に潜るの! はやく!」
ドライマナの自警団――通称『ドライマナの契手(ちぎりて)』たちは、一般市民らを非難させていた。緊急事態の対応は何度もシミュレーションしているらしく、慣れた動きでドライマナの地下に誘導していく。
しかし、中には観光で訪れていた神使も多く、予想だにしなかった出来事に呆然と立ち尽くす者もいるようで。
「お、おい……なんだよ、いきなり……。なんなんだよ! ドライマナは戦争をしないんじゃなかったのか!? 中立国のドライマナまで戦争になったら、もう……。もう、この世界は終わりだ!」
「――何をしているの! 立ち止まっていてはダメ! 指示に従って!」
どうやらシミュレーション通りにはいっていないらしい。ドライマナの契手たちは避難誘導で手がいっぱいみたいだ。
「お願い! みんな協力して! ドライマナが堕とされる訳にはいかないの! ……嗚呼、どうしよう、このままじゃ……! ……っく!」
あれほど有事に備えていたのに……と。自分たちの力が足りないから……と。各々が自責の念に駆られる。
それだけ責任は重い。ドライマナが陥落することは、この世界の終わりを意味するのだから。もし陥落してしまったら、世界の均衡が一気に崩れ、戦争が激化し、破滅の道に向かってしまう。それがこの世界の行く末だ。
だから、ドライマナが滅びることは許されない。絶対に許されない。それだけは阻止しなくてはいけない。
でもどうすれば――と。
どうやったら私たちだけでこの街を守り切ることができるのか、と。
そう、下を向いていた時。
ドライマナの契手はかけられた声にハッとする。
「わたくしがいない間に随分と気弱になってしまったようですね」
そこに居たのはヴェロニカだった。ドライマナ出身の鏡神学園教師である。
現状を眺めながら苦言を呈する。
「ハッキリ言って予習不足です。市民の混乱など一番に考えつく危険要因だというのに。まるで駄目です。わたくしが採点するなら確実に赤点です。ゼロに等しい」
「え……ヴェロニカ先輩……?」
「そうです。あなた方の先輩であるヴェロニカです。訳があって故郷に帰って来たと思ったら……嗚呼、なんて嘆かわしい」
ヴェロニカはかつての後輩であるドライマナの契手に言葉を紡ぐ。こんな時でもお説教モード。
「いいですか? 下を向いている暇などないと、あなたも分かっていますよね? そして、わたくしも同じようにお説教している暇がないことを分かっています。でも言わなければなりません。あなたが下を向いていては……誰がドライマナとの契を守るのです?」
「は、はい……すみません!」
「謝っても許しません。ここからはわたくしが指揮を執ります」
終始ヴェロニカは後輩に対してきつく接し、ついには指揮棒を取り出した。
対して後輩はそれを見て安堵したようだ。ヴェロニカがいるなら安心である。
「先輩が避難誘導の指揮を執るなら心強いですが……前線は大丈夫でしょうか? 今もガルワーズの連中が……」
「心配はいりません。前線ではわたくしの『教え子』たちが戦っています」
「きょ――鏡神学園の生徒がですか!?」
その言葉を聞いて口をあんぐりと開ける。何を考えているんだこの先輩。相変わらず無茶苦茶なスパルタである。いやいやいや、そんなことよりも言わなければいけないことが。
「そんなのダメです! 大問題になりますよ! 先輩も分かっているはずです! 学園の生徒たちは卒業しない限り、特定の国家に尽くすことを禁じ――ぼふ!」
ヴェロニカに鼻と口をふさがれる後輩。呼吸方法を全て奪われた。苦しんでいる。でもヴェロニカは笑顔で話す。
「問題ありません。彼らは『向こう側』のわたくしの『教え子』ですから」
●わたくしの教え子たち
勢いよく外に飛び出した『教え子』たちは、それぞれの方法で上空へと駆け上がる。
ある者は神獣に乗り、ある者は自らの翼を羽ばたかせながら。
「全員、私に続け! この平和の都市、ドライマナを死守するのだ!」
いつも以上に張り切って先頭を飛ぶオーウェン。
それを見ながら大牙が呟く。
「あれって……確実に『あれ』だよな?」
「フフ……そうだね。『あれ』ってやつだね」
隣で頷く鎖神は面白そうだ。
「無理もないだろうね。彼はヴェロニカ先生に夢中なのだから。活躍しているところを見てもらいたいのだろう。まあ、それが彼のやる気に繋がるのなら――」
「こらそこ、集中しなさい!」
オーウェンは口を挿んだ。おしゃべりをしている場合ではない。忘れているかもしれなが、これは戦争なのだ。
「いいか? もうすぐ前線にぶつかる。これは我々の世界の戦いではないが、ここがドライマナであることには変わりはない。絶対に守り切らなければならない!」
それを聞いて鎖神と大牙が顔を見合わせる。確かにオーウェンの言う通りである。色々な世界を周って『戦い』というものに慣れてしまっているが、この世界の住人は必死なのだ。
オーウェンは表世界の人物だが、関係なかった。ドライマナはドライマナである。
「――見えたぞ! 全員武器を構えろ!」
オーウェンの号令が響き渡る。
前方にはガルワーズ都市連合と、応戦するドライマナの契手たちの姿が。見るからにドライマナ側が苦戦しているようである。
特に一体だけ、巨大な力を持った神獣が猛威を振るっている様で……。
「あれは……龍神ガルワーズ……!」
それが三大神獣の力なのか――既に辺りは黒雲に包まれ、雷雨が荒れ狂う戦場と化していた。
成功条件
条件1 | ガルワーズ都市連合の撃退 |
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条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 龍神ガルワーズの撃破 |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
このシナリオに選択肢はありません。
ガルワーズ都市連合を撃退させることで成功となります。
敵情報
・龍神ガルワーズ×1 サイズ4
特に巨大なガルワーズが1体だけいます。
シールドなし。
・ガルワーズの旗手×30 サイズ2
騎乗用のガルワーズに乗っている天空騎士です。
騎乗しているのは普通の神使ですが、ガルワーズが大きい為、サイズが2になっています。
シールドあり。
神獣は倒すと消滅しますが、神体に還るだけなので後で復活することになります。
逆に、当然ですが、神使は倒すと死ぬことになります。
裏世界では戦争が当たりまえになっているので殺しても問題はありません。
成功条件の『撃退』に繋がる主な要因は以下の2つです。
・龍神ガルワーズの撃破
・戦えるガルワーズの旗手が激減
ガルワーズ都市連合に『これ以上戦ってもドライマナは落とせない』と思わせることが重要となってくるでしょう。
もちろん、全滅させても『撃退』の扱いになるので成功となります。
また、ドライマナの契手たちが応戦していますが、多くが市民の非難活動を優先しているので戦力として期待はできません。
逆に言ってしまえば、非難活動は全てドライマナの契手たちに任せて問題ありません。
ドライマナ上空で戦う事になるので、何かしらの飛行能力を持っていくことをオススメします。
このシナリオではオーウェン、焔城大牙、鎖神貴一が登場します。
詳しい情報は特設ペ―ジに掲載されますので、そちらもご覧ください。
マスターより
ハイブリッドヘブンをお楽しみいただきありがとうございます。運営チームです。
こちらのシナリオはエピック「境界の神獣」と連動する内容となります。
エピックをクリアしなくとも参加は可能ですが、併せてお楽しみいただけますと幸いです。
また、本シナリオの参加者全員には交換用アイテム「修了証明書」をプレゼントいたします。
関連NPC
参加キャラクター
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- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
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- 宵待 伽羅彦(ma0748)
- 人間種|男
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- サヴィーノ・パルヴィス(ma0665)
- 人間種|男
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- 更級 暁都(ma0383)
- 人間種|男
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- 天魔(ma0247)
- 神魔種|男
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- アルティナ(ma0144)
- 神魔種|女
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- シアン(ma0076)
- 人間種|男
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- フリッツ・レーバ(ma0316)
- 剛力種|女
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- 天野 イサナ(ma0022)
- 人間種|女
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- マイナ・ミンター(ma0717)
- 人間種|女
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- マリエル(ma0991)
- 機械種|女
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- 伊吹 瑠那(ma0278)
- 剛力種|女
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- 相澤 椛(ma0277)
- 人間種|女
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- 葛城 武蔵介(ma0505)
- 神魔種|男
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- 葉山 結梨(ma1030)
- 人間種|女
-
- 高柳 京四郎(ma0078)
- 人間種|男
-
- リダ・クルツ(ma1076)
- 人間種|男
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- 鳳・美夕(ma0726)
- 人間種|女
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- 白花・C・琥珀(ma0119)
- 人間種|女
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- ウガツ ヒョウヤ(ma1134)
- 精霊種|男
- リプレイ公開中