振り返らないのが獣道
凪池シリル
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シナリオ形態
ショート
難易度
Very Hard
判定方法
エキスパート
参加制限
総合1700以上
オプション
  • 危険
参加料金
100SC
参加人数
5人~16人
優先抽選
50SC
報酬
600 EXP
12000 GOLD
12 FAVOR
相談期間
5日
抽選締切
2022/08/14 10:30
プレイング締切
2022/08/19 10:30
リプレイ完成予定
2022/09/06
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
危険
このシナリオは難易度が高く設定されています。
戦闘により大きなダメージを受けてしまった場合、キャラクターの基本設定が忘却状態になることがあります。
基本設定が4つ全て忘却状態になると、キャラクター自身が死亡状態となり、ログイン及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

オープニング

「僕は……ただアヤカシを倒してゼハイル様に霊力を運べばそれでいい、僕は好きに殺戮をするだけで良かったはずなのに」
 先の戦いから拠点へと戻って暫くのち。ザレイド=デミウルゴスはへたり込んでそう言った。
 それは紛れもなく、これまでザレイドが本心から信じていた己の在り方だった。だがそれを……ある咎人の言葉が、根元から覆してしまった。
「……ゼハイル様、生きてるの?」
 今、彼は一から己を組み立てなおす必要があるのだろう。そうして彼が最初に発した問いがそれだった。それも確か、咎人の一人が言っていたか。ハルク(mz0086)はそれに、簒奪者として知り得ることを答えてやった。
「……そっか。ゼハイル様、そんなことになってたのか」
 聞き終えて、ザレイドは、溜息のように呟いた。
「……なんかゼハイル様、つまんない奴になっちゃったな、って思うのは、僕がガキだからなのかな」
「許された、というのは、即ち脅威とは見做されなくなったということではある。そういった在り方としては矮小化された、とは言えるな」
 ザレイドが漏らす言葉に、ハルクは己の考えを返す。「未知」や「相容れない」という感情がその存在を「凶悪なもの」として覆っていたのを、「理解」によって剥がされた。そうして暴かれた等身大のゼハイルは、「制御可能」であると判断されたのだろう。それ故殺すという、完全確実な無力化手段を取る必要はないとされた。
「そうだね。……僕が憧れたのは、でっかくって、誰にも止められないような……そんなゼハイル様だった」
 寂しそうにザレイドは呟いた。それから、何かを振り払うように小さく身体を揺すった。
「……やっぱ、シンクのところに行くのは無いかな。元々あんまり気に入らなかったし」
 そうしてザレイドは、まず最初の結論としてそう告げた。ゼハイルの選択を否定するわけでは無い。それでも「今の」ゼハイルの様は、ザレイドが望む形の結末では無いと確信したのだろう。
「……あいつのこと、どう思ってんの?」
「あいつ、とは」
「なんかお前が気にしてるっぽい咎人いたじゃん」
「ああ、あいつか」
 そうしてザレイドが次の質問としてだしぬけに聞いてきたのはジィト(mz0039)のことだった。
「そうだな。先の話から考えれば、排除したいと思うのは即ち『脅威と感じていた』からだろう」
 ジークフリートとして最初にまみえた時から。認めていたからこそその影響力を潰さねばならないとリスクを冒して仕掛けたし、叶うなら己の元に従属させたいというのも本気だった。
「咎人と簒奪者となった以上、もはや魂を賭けて戦い合うより他無くなったが……そうだな、あれは確かに、相対するに『魂を賭け合う』相手なのだろう」
 ままならぬ世の中にあってなお、「守るために戦う」と真っ直ぐ己を見返し続ける眼。その信念を折れぬままに完全に敗北するときが来れば、単純に力ではなく魂ごと敗れたことになるのだろう。逆にそう、己が欲するのはだから、力ではなく信念での勝利だ。
「結局は邪神の意のままに戦わされるだけの身。だが生ける屍に過ぎぬ身で尚己の在り様を感じられる瞬間があるというなら……悪くないのかもしれん」
 ハルクがそう締めくくると、ザレイドは今度こそ暫くの間考え込んでいた。
「……僕になる前の『僕』は、そういうのを見出せなかったのが弱かったってことなのかな」
「かもしれん。だが、巡り合わせに恵まれるかにも、天運はあろう」
 ザレイドはまた沈黙する。もし。自分を真っ直ぐ見たあの咎人と巡り会えたこと、それが自分にようやく訪れた僥倖だというのなら。
「僕とお前で、あいつらと正々堂々戦ってみたい、なんて言って、受け入れられるかな」
 信じられるか。何かの罠だろう。そう言って蔑まれた目を向けられて、まともに相手なんかしてもらえないんじゃないか。
「分からんな。まあ、ゼハイルをも許すような者どもだ。或いは素直に取ってもらえる公算もあるだろうが、しかし貴様がこれまでしてきたことはしてきたことだ」
 ザレイドの懸念に、ハルクは淡々と答えた。
「『みじめに消えたくない』、貴様は前、そう言ったな。だが貴様がこれまで好き勝手殺してきた者、その知己からすれば。『ふざけるな。お前はこれまで殺してきた者に詫びながらみじめに死ね』、そう願うのもまた一つ筋の通る話ではある」
 はっきり言われて、ザレイドの発声器官から息を詰まらせるような音が漏れた。それに対し、ハルクは続ける。
「──ならばそんなことを気にしてどうなる」
「……え?」
「俺とて俺がしたことを思えば、俺がどう思おうが彼奴の前に現れることを決して許せぬ者は居よう。……だが、逆に言えば今更どうしようが許さぬのであれば慮る必要もあるまい」
 それこそが「悪人」の得られる自由さだ。代償としての冷遇と拒絶を受け止める覚悟さえするならば、好きなように生きられる。
 逆に言えば、咎人がそれぞれハルクをどう思うかもどこまでも自由だ。歩み寄る必要は、それによって相手の態度が変化しうるからこそ。ハルクはこの先も、咎人と対立すること、そして仮にこの先咎人の益になる行動をしたところで、そこに咎人にどう思われているかは一切影響していないだろう。だから、望むままに、認めたい者は認め、嫌いたい者は嫌えば良い。それでハルクの行動が変わることもなければ、他の咎人の思惑に悪影響となることも無いのだから。
「お前凄いな。恨まれのプロか」
「……」
 呆れたようにザレイドは言って、呆れたようにハルクは沈黙した。
「……でも、そうだな。僕なんかが殊勝に反省したって今更か。だから、好きにすればいいのか」
 ザレイドはそうして、納得し、腹を括ったように決心した。
 そう、ゼハイルだって別に、咎人や氏族に許されたいとかそういう狙いがあったわけじゃないのだろう。好きなようにやって、ただ結果としてああいう結末を迎えただけ。
「そうだね。だったら僕はやっぱり僕だ。ここまで散々クソガキとして勝手にやってきたんだ。そのまま、この世界で、この肉体で、これからも好きに暴れてやるさ」
 反省なんかしてない、許されたいわけじゃない。ただやりたいように──正々堂々、自分の前に立ってくれたあの咎人と真っ向から戦ってみたい。
 自分は、優しい居場所が欲しいんじゃない。
 居場所ならあったのだ。かつても。ただ、自分がそこに居る意味を見いだせなかった。
 だから一度でいい、世界に自分という存在の爪痕を刻みたかったんだ。
「じゃあハルク、これから僕達でこの地域制圧しようぜ?
 本気で、全力で、それに挑んでみよう。駄目かもしれない。いや、ゼハイルをも制した者たちだ、きっと勝てない公算の方が高い。でも……一緒にやってくれるという奴と共に、初めて「駄目だと思う」勝負に力を尽くしてみようという自分に、ちょっとワクワクした。

成功条件

条件1ハルクとザレイドを撃退する
条件2-
条件3-

大成功条件

条件1ザレイド=デミウルゴスと決着をつける
条件2-
条件3-

解 説

三度、ハルクとザレイドが、ヤルダバオトの北部地域を攻め込もうと進軍して来るため、これの撃退が目的となる。
前回同様、堂々進軍してきたのを氏族の連携で把握、今回はどこかの氏族に攻め入られる前、侵攻ルート上にある平原での激突となる。
また、ザレイドも最初から姿を見せており、ハルクと協力して向かってくる点が前回と異なっている。

味方戦力としてジィト(百花騎士)と謝 雷峰(射撃系エレメン)が参戦する。

●敵戦力
・ハルク、および幻影翼狼
関連シナリオ「ライバルアライバル」および「見えざる望みの傍に立つ者」を参照のこと。
幻影翼狼の編成は「見えざる望みの傍に立つ者」と同等になる

・ザレイド、および鉄騎
関連シナリオ「ザレイド=デミウルゴス」を参照のこと。
鉄騎は最初から8体おり、細かく命令を下せるのは3体まで。5体はバラバラに襲い掛かってくる。
これ以上の鉄騎の増援は風の氏族が中心となって周囲を抑え込んでいるため、考慮しなくてよい。

ザレイドには新たに以下のスキルが追加される
・本気でいくぞぉ!
タイミングF。F、Sで通常攻撃が可能となり、S、Mの行動権がそれぞれ2回になる。威力と防御力が増加する。クリンナップで一定のライフを失う。クリンナップの自発解除以外による解除は不可能

ザレイドは今回、全力を尽くしての戦いを望んでいる。その為、ここでザレイドを討ち取る大きな好機だが、その分死亡、忘却の危険も極めて高い点に注意。

マスターより

凪池です。
正直、前回時点の情報でよくあそこまで綺麗にザレイドの内面を言い当てられたな……と心底びっくらこきました。
そんなわけでこれまでと設定を踏まえこのような流れでの戦いに。
これまで協力関係にあった二人がいよいよ全力でぶつかりに行きます。
どうぞよろしくお願いいたします。

関連NPC

  • ジィトmz0039
    人間種|男
  • ハルクmz0086
    人間種|男

参加キャラクター

  • アナルデール・ウンディーニma0116
    人間種|女
  • 白花 琥珀ma0119
    人間種|女
  • サヴィーノ・パルヴィスma0665
    人間種|男
  • シアンma0076
    人間種|男
  • 麻生 遊夜ma0279
    機械種|男
  • 天魔ma0247
    神魔種|男
  • 魅朱ma0599
    剛力種|女
  • 唯塚 あまぎma0059
    人間種|男
  • 川澄 静ma0164
    精霊種|女
  • 桜庭愛ma1036
    人間種|女
  • 草薙胡桃ma0042
    神魔種|女
  • 葛城 武蔵介ma0505
    神魔種|男
  • 水無瀬 遮那ma0103
    精霊種|男
リプレイ公開中

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