オープニング
●子供に囲まれ、困り果て
「……やぁ、咎人さん。来てくれたか」
城壁には幾本も矢が立ち、馬防柵は折れ。戦闘の跡生々しいコンスト・ティーノブル砦の門扉を、咎人が遠慮がちに叩いた。
すぐさま開門され、中からふらりと現れたのは孤児院の騎士、カシウスだ。煤けた鎧を纏った彼の顔は土気色に染まり、色濃く刻まれた隈と合わせて尋常ならざる疲労が溜まっていることが伺われた。
「こ、子供の数がね……あまりに、あまりに……」
砦の広場を覗き込めば、他にも多くの騎士が骸のように転がっている。そして、わずかながら聞こえてくるのは赤子たちの泣き声。
そう、分厚く作られた石造りの壁を貫いて響く泣き声だ。一体、どれほどの赤子が中にいるのだろうか。少なくとも以前見た時はこれほどの子供は居なかったはずなのだが。
「この頃、近隣の村が動く死者に襲われ続けて……その対応に騎士団は追われている。だが、襲われるたびに孤児が……増え……」
疲れ果てた騎士団。そして、親を殺され増え続ける孤児。際限なく現れる死者の軍勢。いずれも、コンスト・ティーノブル砦に危機が迫っていることを意味している。この調子で損害が拡大の一途を辿れば、いずれ待ち受けているのは……
「大丈夫だ、そんな顔をしないでくれ。もうすぐ他の騎士団も救援に来てくれるそうだ。余裕が出来次第この事件を引き起こしている犯人を捜しだすよ。ただ、その前に……」
未だ、砦の中から響く泣き声。それに小さく頭を振り、カシウスは言った。
「どうか、少しの間子守をお願いできないか……皆、戦闘だけで精いっぱいなんだ。これに子供の泣き声が続いては、気が狂ってしまう」
子は国の宝。未来のための礎。大事な存在に違いない。だが、だからと言ってその泣き声が心地よいものになるわけではないのだ……
「……やぁ、咎人さん。来てくれたか」
城壁には幾本も矢が立ち、馬防柵は折れ。戦闘の跡生々しいコンスト・ティーノブル砦の門扉を、咎人が遠慮がちに叩いた。
すぐさま開門され、中からふらりと現れたのは孤児院の騎士、カシウスだ。煤けた鎧を纏った彼の顔は土気色に染まり、色濃く刻まれた隈と合わせて尋常ならざる疲労が溜まっていることが伺われた。
「こ、子供の数がね……あまりに、あまりに……」
砦の広場を覗き込めば、他にも多くの騎士が骸のように転がっている。そして、わずかながら聞こえてくるのは赤子たちの泣き声。
そう、分厚く作られた石造りの壁を貫いて響く泣き声だ。一体、どれほどの赤子が中にいるのだろうか。少なくとも以前見た時はこれほどの子供は居なかったはずなのだが。
「この頃、近隣の村が動く死者に襲われ続けて……その対応に騎士団は追われている。だが、襲われるたびに孤児が……増え……」
疲れ果てた騎士団。そして、親を殺され増え続ける孤児。際限なく現れる死者の軍勢。いずれも、コンスト・ティーノブル砦に危機が迫っていることを意味している。この調子で損害が拡大の一途を辿れば、いずれ待ち受けているのは……
「大丈夫だ、そんな顔をしないでくれ。もうすぐ他の騎士団も救援に来てくれるそうだ。余裕が出来次第この事件を引き起こしている犯人を捜しだすよ。ただ、その前に……」
未だ、砦の中から響く泣き声。それに小さく頭を振り、カシウスは言った。
「どうか、少しの間子守をお願いできないか……皆、戦闘だけで精いっぱいなんだ。これに子供の泣き声が続いては、気が狂ってしまう」
子は国の宝。未来のための礎。大事な存在に違いない。だが、だからと言ってその泣き声が心地よいものになるわけではないのだ……
成功条件
条件1 | 一日の間孤児たちの世話をする |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 一日の間孤児たちの世話をする |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
●解説
★コンスト・ティーノブル砦
魔族との戦争がひと段落した今、戦略的に重要な位置にあるわけでもない砦。だが何者かによる攻勢を受け続け、日々警戒態勢にある。
★コンスト・ティーノブル騎士団
連日の戦闘で疲れ切っているうえに、朝も夜も止まらない子供の泣き声で睡眠不足。あまりに可哀そうなので、なるべく声を掛けずに寝かせてあげよう。
●シナリオの目的
コンスト・ティーノブルに殺到してしまった孤児。それの世話をするのが咎人に任された仕事だ。他にもお手伝いの市民や咎人が多く呼ばれているため、一人を集中して世話しても良い。
例
・参加した二人の咎人、両者の面影がある赤子を見つけ、自分たちの子供のようだと感じながら世話をしても良い。
・大勢の子供に囲まれ、もみくちゃにされながら世話をしても良い。
・子供たちの中に『天川MSシナリオ内で』関わった子供を見つけ、その子と話をしても良い。
・過去の自分に似た子供を見つけ、PCの過去に思いを馳せても良い。
これは、赤子を関わらせるノベルのようなシナリオである。特段カシウスと親交がある必要もなければ、今までシナリオ参加したことが無い初参加のPCであっても関わってよい。
マスターより
シチュエーションノベルとしての性質が強いシナリオです。
お好きなPCさんとペアで参加して、色々やってみてください。二人の間に子供が生まれたらPCはこんなことをする……みたいな遊び方を想定して作っていますが、それ以外の方法で遊んで頂いても大丈夫です。
定員が続く限り同じ内容のシナリオを何度か出す予定なので、慌てず急がずご参加頂けましたらと思います。
参加キャラクター
- リプレイ公開中