オープニング

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　闇掟界オルメタ、ツインフィールズ地域内。
　とある小さな村の近くにある山は、すでに雪が降っていた。
　山を登ると、雪の感触が足にも伝わってくる。
「やっと、見つけたぜ」
　アベルと名乗る男は、オレンジ・フットと名付けたクリーチャーの行方を追っていた。
　虫眼鏡を使って地面を観察していると、小さな足跡が、少しずつ大きくなっていくのが覗えた。
　アベルに同行していたアイネという女性は、防寒服を着て、マフラーを靡かせていた。
　どうやら、時折、風が吹くようだ。
「確か、ブレイクキルを使って攻撃したら、小さくなったのよね？」
　アイネの問いに、アベルが応えた。
「リスくらいの大きさになって、めちゃくちゃ素早かったからな。咎人でも追いつかないスピードとは、半端なかったぜ」
　オレンジ・フットは強者が多い咎人でも、捕らえるのが難しいクリーチャーだった。
「ふーん、じゃあ、弱点を狙って、ブレイク系のスキルは使わないようにすれば、オレンジ・フットは捕まえることも可能かしら？」
「さてな。そればかりは、実際に対峙してみないと、なんとも言えない。今のところ、村まで降りてくる気配はないようだが、この山のどこかにはいるはずだ。咎人たちとも約束したからな。見つけたら、知らせるってな」
　アベルは、アイネと一緒にオレンジ・フットらしき足跡を頼りに、山奥へと入り込んでいった。
　しばらく経つと、咆哮が響いた。
「あっちか？！」
　叫び声が聴こえる方向へと走っていくと、巨大な獣の姿をしたクリーチャーが氷の矢を三本放ち、アベルたちに襲い掛かってきた。
「アイネ、すぐに村へ戻って、ジョニーに知らせてくれ。俺様は、ここでヤツの動きを止めておく」
「分かったわ」
　アイネは、すぐさま山を下りて、探偵のジョニーがいる村はずれのバーへと向かった。


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　村にたどり着いたアイネは、小さなバーのカウンターに座っていた。
「まあ、そういうことだから、よろしくね」
　アイネは、ホット・コーヒーを飲みながら、探偵のジョニーに経緯を説明した。
「俺は構わないが……良いのか？　のんびり寛いでいて」
「アベルは、ああ見えても、割と強いのよ。クリーチャー1体を足止めするくらいは、一人でもできるでしょ。だけど、やっぱり倒すには、咎人たちの力が必要みたいなのよ」
　アイネがそう言うと、ジョニーは頷いていた。
「まあ、良いだろう。オルメタに来ている咎人たちに声をかけてみるさ。賞金稼ぎとでも言えば、警察の目も少しは誤魔化せるか？」
「それはどうかしら。警察でも、勘がいい人間はいるものよ。注意しておいた方が良いわ」
　アイネがウィンクすると、ジョニーは少し戸惑っていた。彼女の魅力なのか、それとも警察のことが気がかりなのか……。


　そして、ジョニーに声をかけられた咎人たちは、アイネに案内されて、山奥へと向かっていた。
　吹雪の中、オレンジ・フットとアベルはすでに戦っていたが、アベルは少し苦戦していた。
「俺様が無効化できるのは、一回だけだからなぁ。相手は、二回攻撃してくるし、下手したら、俺様もヤバいわな」
　アベルは何回か、オレンジ・フットの攻撃を食らって、ダメージを受けていたのか、息が荒かった。
「挨拶する暇もねーが、頼むぜ！　こいつを倒せば、この吹雪も収まるかもしれねーからな！」
　果たして、咎人たちは、オレンジ・フットを倒すことができるのか？