オープニング

●Once upon a time

　これは咎人やヤルダ人達が宇宙へ旅立つほんの少し前のこと――。
　あなたはシャトルの点検を終え、角の都の蕎麦茶屋で休息をとっていた。
　この地は各地を転々としている氏族達が造り上げた一時的な村や、密やかに暮らす小規模氏族の集落と異なり大きな活気がある。
　先ほども小間物屋や茶屋を巡ってはこの地域の華やかさに思わずため息を漏らした。

　そこに偶然、ゼハイル＝デミウルゴス(mz0091)が通りかかり「おう、てめえか。相変わらず忙しそうだなァ」と笑いかけた。
　紅の氏族が解散してから彼はイスルギに雇われ、この周囲の警備とシャトルの最終チェックに関わっているという。
　ならば相当忙しいのではないかと尋ねるあなた。
　するとゼハイルは殊更満足げに笑う。
「一応給金が出るからよォ、あの家族に仕送りをしてやってンだ。俺様は金には興味ねえからなァ～～」
　ああ、そういえばゼハイルは霊力と十分に起動するボディさえあれば生きていけるのか。
　そこであなたが座っている彼の手を見ると、ゼハイルの腕は麻袋製の手袋を着用しており――そしてその爪には美しい反物が掛かっていた。
「こいつは仕送りついでにおっかさんに送ってやるんだァ。おっかさんや娘の着物に仕立ててもいいしよオ、繕い物にして生活の足しにしてもいい。まあ、目の保養になればいいと思ったんだよ～～。あとこっちは訓練用の槍だぜえ～～」
　そう言って彼は脇に置いた棒をとん、と突き立てる。
　棒の先には綿の詰まった布が巻き付けられており、もし急所に直撃しても苦痛を与えにくくしてあるものだ。
　きっと自分が助けた少年のために購入したものなのだろう。
「あいつもそろそろ実践しねえとなあ～～。あの町からデミウルゴスがいなくなったら、残された手前らで身を守るしかねえ。気持ちが弱くとも戦わねえといけねえ時がくるからよお」
　そう言うゼハイルの瞳には父性めいた輝きがあった。
　あの家族には生きていてほしい、そして未来を自分達の目で見てほしい、そう心から願っているまなざしだった。

　一方でステラ・フローライト(mz0035)とフィー・フローレ(mz0023)は角の都をとことこと散策する。
　いつもなら自慢のサイドカーでブイブイいわせて走るところだが、賑わいの中を走り回るのは危険そのもの。
　時々小さいがゆえに蹴とばされそうになるものの、ひょいひょい避けて目的の店を探す。
「えっとね、このさきにおいしいおそばやさんがあるみたいだよ。ふぃーちゃん！」
「ウフフ、デモ今日ハ寒イカラオウドンモ良イヨネ！」
「あ、すてらはわかめうどんすき～。でもいまはきつねそばなきぶん！」
「私ハタヌキソバ！　揚ゲ玉イッパイ入レル～！」
　相変わらず食い気だけは一人前の仔犬たちである。
　ふたりは手を繋いで評判の蕎麦屋へと向かうのだった。

成功条件

条件1	妖鉄界で楽しく過ごす
条件2	-
条件3	-

大成功条件

条件1	妖鉄界で思い出を作る
条件2	-
条件3	-

解　説

こんにちは、いつも大変お世話になっております。ことねです。
先月は諸事情から毎月恒例と称していたフリーアタックイベシナが公開できず、
もし楽しみにしてくださっていた方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした。

さて、今回は……現在進行中のオービター・トランキル攻略戦より少し前の時間軸での物語です。
登場NPCは最終決戦を目前に角の都へ移ったゼハイル、
そして彼の覚悟を知らずにいつも通りのんびりしている仔犬２匹。
今回もフリーアタックですので基本的に角の都の中であれば何をしても大丈夫です。
時間帯は夜ですが、お昼でも指定していただければ対応させていただきます。
（えっちなことだけは風呂倫にひっかかるのでアウトですが・汗）
タイトル通りお蕎麦やうどんを食べにいくだけでもいいですし、
カップルやお友達と遊んでくださっても結構ですし、
ＮＰＣ（ゼハイル、ステラ、フィー）と交流してくださっても大歓迎です。

また、同行者がいらっしゃる場合は必ずお相手の名前をプレイングにご記入ください。
迷子になってしまうと単独行動になり、悲しいお話になりますので……。
大人数の場合はタグをつけていただければ、グループ扱いで一章のうちにお話をまとめます。

なお、このシナリオでの発言は現在進行中のシナリオに影響を及ぼすものではありませんので
その点のみご了承ください……逆に言いたいことがあれば言えばいいじゃないという考えもありますけれども。

かなりハードな展開になっている妖鉄界ではございますが、
その前のほんのひとときの幸せを感じていただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

マスターより

いつも大変お世話になっております。ことねです（２回目）。

今回は久しぶりのフリーアタックで……なんと長文＋吹き出しシナリオでございます！
夏のイベント以来なのでドキドキしますね。
というか参加者様集まってくださるかしら……。
でも吹き出しって対話メインですから！
たくさんお話ができるんですよ！
この機会にゼハイルとか仔犬どもに言いたいことがあるんだよーというありがたい方が
いらっしゃいましたらぜひお願いします。
これでもかというほどトークさせていただきます。
アドリブOKでしたらひとりあたりの文字数限界まで喋りつくしますので、
もしよろしければ遊びにいらしてください。
ぜひぜひよろしくお願いします！