絶望を紡ぐ
小湊拓也
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
カジュアル
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100 SC
参加人数
4人~8人
優先抽選
50 SC
報酬
500 EXP
10,000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
3日
抽選締切
2022/12/10 10:30
プレイング締切
2022/12/13 10:30
リプレイ完成予定
2022/12/22
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. -
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ

オープニング


 葵の氏族と、巴の氏族。両氏族の境界線で、戦が起こった。
 攻め寄せて来た巴の軍勢を、葵の武士団が撃破した。正当な、防衛の戦である。
 その戦の陰で、何かが起こった。
 結果、巴の氏族の長トウレンが、行方知れずとなった。
「トウレン殿に、御子息……御家族は?」
 葵の氏族の長スザクは、重臣ブンメイに問いかけた。
 ただでさえ血色の良くない、ブンメイの細い顔が、さらに青ざめている。
「……皆殺しに、されたようです。トウレン自身の裁定によって」
「そう……か」
 巴の氏族の、支配者の家系は絶えた、という事になる。
 巴の領土を今後、誰が治めてゆくのか、という話にもなる。
「調停者の直轄領、という形にするのが最も適切だとは思うけれど……あの方々も最近、忙しいようだからね」
「……殿も、御多忙であられる」
 もう1人の重臣ライゴウが、言った。
 この度の防衛戦の総司令官。葵の氏族の、侍大将である。
「このような場所にまで御自ら、おいでになる事もないと存じますが」
「軽率である事は、認めるよ。申し訳ないとも思う」
 葵の氏族、本陣。
 現在はライゴウとブンメイが、ここで戦後処理に忙殺されている。
 そこへ氏族の長スザクが、押しかけて来たのである。余計な仕事を増やすな、などと2人とも思っているかも知れない。
「……巴の氏族の難民たちが現在、葵の領内で働いてくれている。葵の民とも概ね、良好な関係を築いてくれているようだ。永住を受け入れる事は、不可能ではないと思う」
 スザクは言った。
「だが、故郷が安全になったのなら帰りたいと思うだろう。私は……巴の領土が、難民たちを帰しても大丈夫な状態であるかどうか、出来る限りこの目で確認をしておきたいんだ」
「まだ難しい、と言わざるを得ませんな」
 ライゴウが、太い両腕を組んだ。
「君主トウレンは、暗君・暴君ではあっても秩序の中枢。それが失われた事により、巴の領土は無法地帯と化しております。野盗・山賊の類が跋扈し、鉄騎の群れも徘徊し、とても無辜の民を戻せるような状況ではござらぬ。我ら葵の武士団の力をもって鎮めるしかない……というのは、このライゴウ個人の思いに過ぎませぬが」
 それをすれば完全な侵略行為になる、というのはライゴウも頭では理解しているだろう。
 ブンメイが言った。
「……鉄騎が動き回っているという事は、デミウルゴスがまだいるという事です。それに、例の黒い」
「民を助けて回っているという……デミウルゴスに似た何者か、だね」
 難民たちに聞いた話を、スザクは思い返していた。
「人助けをしているからと言って、安全な存在であるかどうかはわからない……そんな何者かが実在する事は、どうやら間違いはない。聞く限り……生かして後で食べるという、デミウルゴス特有の動きとも違う何かを感じる。人々を助ける事、それだけを目的としているような」
 まるで咎人たちだ、とスザクは思った。


 この氏族境界線地帯に本陣を置いている限り、巴の氏族に対する侵略行為には辛うじてならない。
 ここから先へ進めば、侵略である。
 そうならぬ方法で、巴の領内の混乱を鎮める。
 ライゴウもブンメイも、そんな不利な戦いを日夜、強いられているのだ。
 多忙な両名を本陣の天幕に残し、スザクは去った。
 自分に出来る事など、やはり、何もないのか。
 悲鳴が、聞こえた。
 悲鳴じみた、訴え声である。
「助けて! お願いです、助けて下さい!」
 若い女性の声。本陣の兵士たちと、押し問答をしているようでもある。
 そちらへ、スザクは向かった。
 若い娘が1人、巴の領土の方向から、本陣に駆け込んで来たところである。
「鉄騎が! あちらの方で、鉄騎の群れが私たちの村を襲っているんです!」
 巴の氏族の民、全員が避難民となって、葵の領内へ逃げ込んだわけではない。
 暴君トウレンの統治下に、取り残されてしまった者たちの方が当然、多い。
 トウレンがいなくなった今も、混乱の中で苦しんでいる。
 そんな民の1人、に見える娘が、涙を流し、訴えかけているのだ。
「お願いです……私たちにはもう、葵の氏族の方々しか……どうか助けて、私の村を……」
 美しい娘、であった。
 本陣の兵士たちは、泣き訴える彼女をなだめながら、その美貌に圧されている。
「殿、どうか出撃の御許可を……」
 部隊長の1人が言った。
 美貌と涙だけで、この娘は、葵の氏族の精兵たちを虜にしつつある。
 スザクは剣を抜いた。
 その娘に、切っ先を向けた。
 部隊長が、呆然とする。
「…………殿、何を……」
「私は1度、デミウルゴスに付きまとわれた事があってね」
 同じく呆然としている娘に向かって、スザクは言い放った。
「彼らの気配には、だから少し過敏にならざるを得ない……娘さん。貴女のその涙目の奥に、真っ赤な機械の眼光が点っているのをね。私は、見たくもないのに見てしまうんだ。葵の武士団を出撃させ、おびき寄せた先に一体、どんな罠を仕掛けているのかな」
「殿…………あうっぐ!?」
 部隊長の身体が、痙攣した。
 娘の周囲で、兵士たちが、同じく硬直しながら痙攣し、メキメキと音を発する。
 全員の身体に、蛇の如くうねる何かが突き刺さっている。
 それらは全て、娘の細い身体から伸びていた。
 機械の、触手であった。
『ふん、トウレンの阿呆とは随分と違うねえ……一筋縄じゃあ、いかない。面白い』
 その怪物は、若く美しい娘の姿を、今や脱ぎ捨てている。
『決めたよ、坊や……あんたをね、暴君に作り変える』
 機械仕掛けの、蜘蛛。あるいは百足。
 そんな異形のどこかに、しかし人の女性の艶かしい曲線をとどめてもいる。
『男なんてのはねえ、あたしがちょっと囁いて、たらし込めば……あっという間に、暴君になっちまうのさ』
 触手に刺された兵士たちも、今や機械の怪物に変わりつつあった。
 自我を失い、主君スザクに武器を向けつつある。
『葵のスザク……あんたが暴君になればねえ、絶望する奴が大勢出て来るねえ』
 さらに何本かの機械触手が、怪物の身体から伸び現れ、バチバチと電光を帯びる。ぼんやりと、灼熱の輝きを発する。
『恐怖と憎しみと絶望で熟成された……最高の、有機体エネルギーを、搾り取ってやる。さあ坊や、あたしのものにおなり。じゃないとね、こいつらが死ぬよ』

成功条件

条件1アザミ・デミウルゴスの撃破
条件2-
条件3-

大成功条件

条件1兵士10名の生存
条件2-
条件3-

解 説

 お世話になっております。マスター小湊拓也です。

 葵の氏族の軍勢。本陣に、デミウルゴスが1体出現しました。これを討滅して下さい。

 名はアザミ・デミウルゴス。機械の触手から電撃(遠距離、対複数、風属性)または熱線(遠距離、対複数、火属性)を発射します。

 アザミの周囲には半分、鉄騎に変わりかけた兵士が10名いて、常時アザミの盾になりながら白兵戦(近距離、対単体、斬属性)を仕掛けてきます。
 彼らは、ライフが0になれば普通に死亡します。
 生かしたまま彼らを元に戻すには、アザミを倒すしかありません。

 それでは、よろしくお願い申し上げます。

マスターより

残り1話となります。お嫌でなければ、お付き合いいただけると嬉しいです。

参加キャラクター

  • 小山内・小鳥ma0062
    獣人種|女
  • シアンma0076
    人間種|男
  • 麻生 遊夜ma0279
    機械種|男
  • 氷鏡 六花ma0360
    精霊種|女
  • ザウラク=L・M・Ama0640
    機械種|男
  • 雪切・刀也ma0506
    剛力種|男
  • 氷雨 絃也ma0452
    人間種|男
  • 鳳・美夕ma0726
    人間種|女
リプレイ公開中

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