- ハーフシナリオ
-
このシナリオはハーフシナリオに設定されています。
参加料金が半額となり、リプレイの文字数が下限、上限共に半分となります。
オープニング
世界全体に『大憲章』という魔法を失わせる封印が施されているアルビオン――。
しかしアース帝国は『大憲章』を何らかの方法ですり抜け、巨神機や魔法を使って他の国々を襲い帝国の支配下に置いている。
そのアース帝国の西部、グリズリー鉱山とイストリア公国の間に、山に囲まれた国ディナッハ公国があった。
イストリア公国よりアース帝国に近いが、険しい山に囲まれているため帝国にとっても攻略が難しく、後回しになりがちなのが幸いし未だ抵抗を続け持ち堪えられている国なのだ。
そのディナッハ公国に、JJ(じぇいじぇい)――本名ジャスティ・ジャッジがやって来た。
本名はやたら正義感が強そうでも、会ってみれば赤みがかった茶髪に陽が当たると金色に見える緑の瞳を持つ、陽気でお気楽な青年だと分かるだろう。
自分の中の正義を他人に押し付けたりはしないし、日頃からキルノート的な物を付けて夜な夜な誰かを必殺して回ったりもしない。
普段はちょっとした落とし物探しからサルベージされたばかりの浮遊島探索など、頼まれれば大抵のことは引き受ける『何でも屋』みたいなことをしているのだが、今回は頼まれたのではなく自分の意思で封魔界までやって来た。
JJの知っている簒奪者がこの国に来たということを知ったからだ。
というわけで、JJはイデアゲート設置の世話になったディケト重工CEO――の御曹司キュリア・ディケトと一緒に、ナイアシル自然公園という観光スポットに行くことになったのだった。
「ん? いやいやいや、ちょっと何言ってるか分かんないんだけど」
青緑の髪に青緑の瞳の若者、キュリアがJJにツッコむ。
キュリアはまだ19歳で、こちらから見て右の頬にはっきりと分かる上級の神秘刻印がある。それ故に彼なりの悩みがあったりするのだが、今日は父親に呼ばれディケト重工社屋までやって来た。
イデアゲートを設置した一室に通され、そしたら咎人――女神の騎士とされている――のJJと引き合わされて、イマココ。
「せっかくだからこの国を見て回りたいなーと思ってさ。そしたらキミのお父さんがキミに案内してもらえって」
あっけらかんとJJが答えると、キュリアはますます意味が分からないとばかりに、
「いやいや、だからあんた、ダウドとかいう敵? を探しに来たんだろ? それが何で観光地に連れて行くことになるの?」
「えー、だって闇雲に探したって見つかる訳ないじゃん。でもあの二人がキミに目を付けたんならまた来る可能性は高いし、だったらこの国を知っておいた方が良いだろ?」
「うーー……」
なんだか分かったような分からないような説明に、キュリアはハッキリとした反論が見つからず唸る。
「それに、もう他の咎人にも『一緒に観光しない?』って誘っちゃったし」
「はあ?」
「もうそろそろ何人かこっちに来る頃じゃないかな?」
結局キュリアに断るという選択権はなさそうだった。
●ナイアシル自然公園
咎人が数人、JJの依頼に応えイデアゲートから現れると、彼らは早速JJ、キュリアと共にディナッハ公国の北西端にあるナイアシル自然公園へとやって来た。
駐車場に停めた長い車体の白塗りの車から降りたら、そこは辺り一面雪に覆われていた。
「うわー、どこもかしこも全部真っ白だな! そして寒い!」
JJは思わず声を上げて身を縮ませる。生前はほぼほぼ雪に馴染みが無かったので、ここまで寒いのは経験がない。
滑り止めが付いたブーツやダウンジャケットをキュリアが貸してくれたおかげで一応防寒はバッチリなのだが、やはり慣れていないせいか寒さが身に染み入るように感じる。
時刻はそろそろ夕暮れになり、少しずつ陽が落ちてくる頃だ。
「ここは霧氷の森の景色が見られるんだ。もう少し暗くなったらライトアップもされて綺麗だよ」
とキュリアが説明する。
最初は若干渋々といった体の彼も先入観のない咎人と接するのが新鮮なのか、その表情が段々年相応の『誰かと一緒に出掛けるのを楽しむ』ものになっていた。
「へー、霧氷って俺初めて! どっち? あっちか?」
JJがはしゃぎがちに聞くと、キュリアは皆を連れて公園内に入って行った。
雪の取り除かれた道を歩いてすぐ、JJ達の目の前には白く輝く結晶を枝という枝にびっしり付けた森が広がっていた。
「うわ~、これが霧氷か! すごい! 今のままでも綺麗だなー!」
氷がキラキラと輝いている幻想的な景色に、他の咎人達も感嘆の声を上げている。
辺りが暗くなってライトアップされたら、絶好のデートスポットになりそうだった。
「森の周囲に沿って道があるから、もっと近くで鑑賞できるよ。森の中に入るのは禁止ね」
森の傍には池もあって、凍っているためスケートをしている人が何人もいた。
「あ、あの池はスケートできるんだ。料金は親父持ちだから、気にしないでやってくれていい。あと、あっちではかまくら体験がある。かまくらのコタツに入って、あったかい飲み物とかケーキを頼んだりってヤツだね。こっちも親父が払うから大丈夫」
さらりと『俺達は顔パス』的なことを言ってのけるキュリア。
金のことは気にするなというのは、さすがこの国のアシストアーマー製造最大手企業ディケト重工、といったところだろうか。
ともあれ。
「じゃーこっからは自由行動だな! 皆楽しんじゃおーぜ!」
JJが張り切って言うと、咎人達はそれぞれ興味のある場所へと散って行った。
「さーて、俺はどーしよっかなー。キュリアはどうする?」
「僕はまあ、ここには何度も来てるし……誘われたら付き合うけど、取りあえずそこの土産屋にいるよ」
「分かった」
とJJは霧氷の森の方へ、キュリアは土産物屋兼休憩所の建物の方へと別れた。
成功条件
条件1 | 〈できること〉のどれかをやる |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 自然公園を楽しむ |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
※ナイアシル自然公園を楽しもう!
〈できること〉
1.霧氷の森を散策
暗くなってくると下からライトアップされてさらに幻想的な景色が楽しめます。
2.凍った池でスケート
広さは普通のスケートリンク程度。スケート靴は貸してくれます。
3.かまくら体験
かまくらのコタツに入って、ご希望の方は暖かい飲み物やパンケーキなどが頼めます。
飲み物はコーヒー、紅茶、ココア、カフェオレ、緑茶から、セットでパンケーキかみかんのどちらかを選んでください。
・時間は夕方~夜の、2、3時間の滞在といった感じになります。
・1~3のうちどれかを選んでプレイングを書いてください。全部やる!ということも可能ですが、その場合、ハーフシナリオという都合上全ての描写があっさりしたものになると思います。
1+2とか1+3くらいがいいかもしれません。
・参加者のどなたかと一緒に行動する場合は、双方合意の上でお相手の名前を書いてください。
〈NPCについて〉
・JJかキュリアと一緒に行動が可能です。どちらとも絡まなくても成否には全く影響ありません。
・ちなみに、JJは霧氷もスケートもかまくらも初体験。どれもワクワクで楽しみ。シナリオ『セミファイナル』や『スポーツの秋』などを何となく参照していただければ。
・キュリアはスケート上手。初心者に教えたりできるでしょう。霧氷の森の映えスポットなども知っています。彼の心はまだ帝国へ行きたいという気持ちで揺らいでいるので、これを機に良い関係を築いておくのもアリ。前回のシナリオ『山に囲まれた国』をちらりと参照いただければ。
※シナリオの参照は必須ではありません。
マスターより
明けましておめでとうございます、久遠由純です。
そういやこの国寒いんだよね……ということで、冬ならではの観光地を楽しもうというシナリオです。
ハーフなので年明けのお財布にも優しいです(笑)
初心者の方でも気楽に参加できる内容となっておりますので、ご検討いただければと思います。
というわけで、今年もよろしくお願いします。
参加キャラクター
-
- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
-
- 魅朱(ma0599)
- 剛力種|女
-
- シアン(ma0076)
- 人間種|男
-
- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
-
- マルコム・レーナルト(ma0971)
- 獣人種|男
-
- 唯塚 あまぎ(ma0059)
- 人間種|男
- リプレイ公開中