オープニング
「そのようだね、イーサン」
「鎖神よ。バレンタインデーと言えば……わかっているな?」
「フフフ?(わかっていない顔)」
イーサン・クーパー (mz0015)と鎖神貴一 (mz0051)は、バレンタインデーの到来に備えてカレーの増産に着手していた。
元々天獄界に季節感やそれに類するイベントは正しい形でサルベージされていないことが多い。だから『ちからもち』など沸いて出てくるのである。
イーサンはバレンタインデーはカレーを食べる行事であると勝手に流布しており、しつこく毎年やっているので一定の支持も得ていた。
「私の世界ではチョコレートを渡すイベントだったのだが……流石は賢者達だ」
「そうだそうだ(適当)」
「ねえ、いくら鎖神くんが男子小学生みたいに純粋無垢な存在だからって、平然と嘘を刷り込むのはどうかと思うよ」
クルハ (mz0014)が諭すと、イーサンは首を傾げた。
「おや? フレスベルグも一緒か?」
「パンダもいるぜい!」
黒き翼の神、フレスベルグ。そしてパンダくん (mz0006)も一緒だ。
三人は『チョコレートプラネット』に行って、そして帰ってきたところだった。
「まだチョコレートプラネット……フレスベルグの故郷があるのかなーって見てきたの」
「あったのか?」
「ほっとんど消滅してたぜいっ! さすがに消滅確定からもう3回目のバレンタインデーだし、残ってる方がおかしいんだけどよ」
パンダくんの言う通り、チョコレートプラネットは知的生命体が消滅し、あとは消え去るのを待つだけの資源惑星だった。
特異点を破壊されたり、何らかの事情で世界そのものが滅び去る時、まずは知的生命体が絶滅するらしい。
そして、知的生命体を失った世界は緩やかに無に還っていくのだ。
「そうか。世界の消滅は仕方ないことではあるが、諸行無常だな。フレスベルグ、心中を察するぞ。イーサンカレーを食うか?」
「ン? フレスベルグは全然寂しがってねぇぞ?」
首を傾げるイーサンに、クルハが説明する。
「チョコレートプラネットなんだけど、一部は天獄界にサルベージすることになったの。それで、フレスベルグは今、そのチョコレートプラネットの『浮遊島』に住んでるんだよ。まあ、世界が消えちゃうのは変わらないから、ちょっと見てきたんだけどね」
フレスベルグが元々住んでいた『燃える水』の沸き出すピラミッドと、その周辺をサルベージすることになった。
というわけで、チョコレートの原材料が今も採取できるそうだ。
「何!? じゃあ、燃える水でカレーを作ってもいいのか!?」
「ま、まあ別にいいけど……」
と、そこでパンダくんは「さてと」と話を切り出す。
「オイラはブラッククロス強化計画のために、オーウェンに会ってくるぜ」
「オーウェンって、鏡神界の?」
「だぜい! ブラッククロスはシューター系のロールだから、降神騎士のオーウェンの力を借りようと思ってよ。なんかあいつ、バレンタインデーは経験済みみたいだしよ」
去年の話だが、咎人から鏡神界にバレンタインデー文化が伝播した際、オーウェン (mz0093)は学園生徒からチョコレートをもらっていたこともあった。
そんなわけで、鏡神界ではバレンタインデーは広まりつつあるのだ。
「ほう、そうだったのか。じゃあ俺もカレーを布教しにいくかな」
「ところでパンダ殿。ブラッククロスの派生ロールは1種類ではないのだろう? もう1種類はどうするのかな?」
鎖神が問うと、パンダが答える……より先に、ヘンテコなものが歩いてきた。
まるでチョコレートのようなグラジオラス……いや、グラジオラスのようなチョコレートが、テクテクとこちらに向かって歩いてくる。
「――なんかやらしくない?」
「クルハ……オメエ、性癖が歪んできてるンじゃねえか……!?」
「毎回変なもの見せてくるからでしょ!?」
「わぁ~れぇ~わぁ~れぇ~はぁ~……ちょ~こ~れ~い~と~だぁぁぁ~~~……」
チョコジオラスの背後で、本物のグラジオラス (mz0007)が喉をトントンしながら妙な声を出している。アテレコだ。それに呼応するように、チョコジオラスがプルプルしている。
「ちょっとグラジオラス……鎖神くんに変なもの見せちゃだめでしょ」
「変なものって……ただチョコレートで出来た私っていうだけなんですけど……ちゃんと着衣もしているのにどうして……」
「グラジオラスくんが出てきたということは、洗霊巫女かな? エレメンタリストもいいと思ったのだけれどね」
「ところでこれって食えんのか? ……ン! こいつぁうンめぇぞ!」
「パンダくん、変なもの食べちゃだめだよ! ペってしなさい、ぺって!!」
そんなわけで、今年もバレンタインデーがやってきた。
謎のムキムキのお餅との戦いも終わり、今月は普通に過ごすことが出来るようだ。
「先月の後だからか、普通にしていいと言われると逆に何したらいいのかわからないね。本当になーんにも変なことは起きてないの?」
「――裏番組が大規模的なヤツだからこっちも難しいと色々大変だろ」
チョコレートを作ったり食べたり贈ったりするくらいで、今年はいいのではないだろうか。ハシゴしたら大変だ。
「しかし、こうしたイベントでは異世界に行っても構わないのだね」
鎖神が言うと、クルハは当然のようにうなずく。
「別に異世界に行っちゃいけないルールはないからね」
「ふむ……私も人幻界にチョコレートを届けてもよいのだろうか……?」
無論、ルール上は何も問題はない。
しかし鎖神がそうしてこなかったのは、彼が出身世界において大罪人だからだ。
あそこはあそこでうまく回り始めているのだし、変に手出しはしない方がよいのではないか……と、鎖神は考えていた。
「………………」
「フレスベルグ殿……?」
「フレスベルグは、『故郷はなくなる前に見ておけ』って言ってるんじゃないかな?」
鎖神に目を向け、巨鳥がゆっくりと頷く。
「フフフ……故郷が消滅してしまったあなたが言うと、含蓄があるというものだね。去年は私もあなたの世界にお邪魔させていただいた。もう消えてしまうとなると、感慨深いよ」
「またアレつけりゃいいじゃねえかよ。マスク・ド・キイチだっけ? それでスっと行って帰ってくりゃいいじゃねえか」
「パンダくん話がややこしくなるから」
鎖神は楽しそうに笑い、それから顎に手をあて思案する。
「誰かに届けてもらうくらいなら、いいかもしれないね。私も元気でやっているということくらいなら、伝えても許されるのではないかな……と」
「じゃあ手紙でも書けばいいんじゃねぇか? バレンタインっぽくねーか、手紙?」
バレンタインっぽいかどうかはわからないが、鎖神はその提案を採用したようだ。
早速チョコレートを作るということで、チョコプラ浮遊島に向かった。
成功条件
| 条件1 | バレンタインデーを楽しむ |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
大成功条件
| 条件1 | 鎖神のチョコレートを人幻界に届ける |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
選択肢
| 選択肢1 | NPCなしだぜい! | 現在の人数 | 5 |
|---|---|---|---|
| 選択肢2 | NPCありだぜい! | 現在の人数 | 19 |
解 説
バレンタインデーを過ごす日常シナリオとなります。
天獄界はもちろんのこと、異世界にも遊びに行くことが可能です。
一部の世界は「それどころじゃねぇンじゃねぇか!?」状態となっておりますが、一旦その辺の時間軸はゴニョゴニョして、大丈夫な感じに処理されます。
その上で、高品質のチョコレートの原材料となる『燃える水』を採取するために、チョコプラ島のピラミッド遺跡に向かうこともできます。
フレスベルグがエネミーを殲滅してあるので、チョコプラ島は安全な島になっています。
燃える水は取りにいかないと入手は出来ない為、燃える水を扱う場合は採取が必要です。
チョコレートづくりに関する道具や普通の材料は、基本的には当たり前に入手できるものとし、入手済であるとしてプレイングに記載が可能です。
そんなに労力を割く必要はありませんが、鎖神貴一がチョコレートを作成し、それを人幻界に届けてほしいと要望しています。
作業工程は『燃える水の採取』『チョコレートの作成』『鎖神が書いた手紙と共に人幻界にチョコレートを届けに行く』という3工程があります。
3つ通しで鎖神に引っ付いている必要はなく、どこか一部分だけ手伝ってあげる、ということも可能です。
なお、一応大成功条件にしていますが、オマケとなるストーリーであるため、鎖神と接触しなくても問題はありません。
鎖神と接触できる(鎖神のチョコレートを人幻界に届けられる)のは、選択肢2のみとなります。
選択肢1と選択肢2に分かれており、選択肢2ではオフィシャルNPCと共に行動できます。
選択肢2のシーンは「PC1名」に対し「NPC1名」の1対1で描写されるため、複数のNPCを指定することはできません。
選択肢1はNPC抜きの描写となりますので、友人同士のご参加などはこちらが推奨となります。
マスターより
ハイブリッドヘブンをお楽しみいただきありがとうございます。運営チームです。
こちらのシナリオはエピック「チョコレートプラネット」と連動する内容となります。
エピックをクリアしなくとも参加は可能ですが、併せてお楽しみいただけますと幸いです
参加キャラクター
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- 天魔(ma0247)
- 神魔種|男
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- カナタ・ハテナ(ma0325)
- 機械種|女
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- 相澤 椛(ma0277)
- 人間種|女
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- 瑠璃香(ma0653)
- 獣人種|女
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- ザウラク=L・M・A(ma0640)
- 機械種|男
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- アティーヤ(ma0735)
- 精霊種|女
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- ブルームーン(ma1254)
- 神魔種|女
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- ロザーリア・アレッサンドリ(ma0458)
- 人間種|女
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- ジェラルディン(ma1135)
- 異能種|女
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- フィオナ・アルマイヤー(ma1253)
- 剛力種|女
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- ウェンディ・フローレンス(ma0536)
- 獣人種|女
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- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
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- 更級 暁都(ma0383)
- 人間種|男
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- フィリア・フラテルニテ(ma0193)
- 神魔種|女
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- 葉山 結梨(ma1030)
- 人間種|女
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- レジオール・V=ミシュリエル(ma0715)
- 剛力種|女
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- ゼロン(ma1098)
- 神魔種|男
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- グリーンアイス(ma1255)
- 機械種|女
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- ユーグヴェル・ミラ(ma0623)
- 異能種|男
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- ウガツ ヒョウヤ(ma1134)
- 精霊種|男
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- 氷雨 累(ma0467)
- 人間種|男
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- マイナ・ミンター(ma0717)
- 人間種|女
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- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
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- マリエル(ma0991)
- 機械種|女
- リプレイ公開中




