オープニング
●おーばーひーと
天獄界は、灼熱の底に沈んでいた。流刑街はもちろん、神々の納める封神領域ですら例外なく。平均温度は50℃オーバー。天獄界に少し早めの真夏が駆け込んできた。なんなら真夏の温度を超えていた。
この異常気象に、とりあえず咎人達は歓喜した。すぐに流刑街はあちこちがプールになり、海水浴場となり、咎人達は水着やら下着やら様々な格好で水に飛び込んだ。
この異常気象に、勇気の神スサノオはテンションを上げた。上半身裸に短パン姿で、日に焼かれながら鍛錬を開始した。スサノオクラスタの咎人達がそれに付き合い、健康的に日焼けし、汗を流した。
この異常気象に、アイシス神は笑った。笑い、子供達と共に水場で戯れた。まるで高級な蜂蜜のような濡羽色の肌はさらに惜しげもなく晒され、咎人達の目の保養となった。
この異常気象に、エゲリア神は。
「……やっと来たね、奴隷君達」
へたばっていた。まるで陶磁器のような白い肌には玉のような汗が浮かび。透き通る水色の髪は汗で肌に張り付き。潤んだあさぎ色の瞳は、力なく揺れるばかり。その小さな唇は開かれたままで、奥には可愛らしい真っ赤な舌が見え隠れする。
気息奄々に吐息を吐き、普段は装甲のように閉じられた胸襟を限界まで開くエゲリア神は……何処か、人を惑わす香気を放っていた。胸襟の奥、呼吸に合わせて上下する白い胸に、咎人の視線が集まる。
それにも構わず。机の上に体を横たえたエゲリア神は、傍らの箱からお菓子を取り出す。それは、包装を開く前から分かるほど溶け切ったチョコレート。隙間から漏れ出したそれがエゲリア神のほっそりと長い指に纏わりつく。
「……奴隷君。この暑さ、どう思う?」
もはや思考が回らないのだろう。指に纏わりついたチョコレートを見つめ、エゲリア神が舌を伸ばす。普段はさくらんぼ飴のように慎ましく赤い舌が、ゆるりと唇を越えて伸び。指に巻き付くように触れ、チョコレートを舐めとっていく。
その様子を憑かれたように見つめていた咎人達が。エゲリア神の怪訝そうな表情に我を取り戻し、慌てて声を上げる。
「た、大変暑いですが、皆楽しんでいるようです!」
「そうか……見ての通り、ボクは楽しくない」
髪の先にたまった汗が、ぽたりと机の上に落ちた。机にしなだれかかる様に身を伸ばし、エゲリア神が壁に掛けられたモニターを起動する。
映し出されるのは、エンブリオから程近い位置まで接近した浮島。その上を動き回る謎の生命体……否。それは生命体ではなく、まるで地上に落ちた太陽の様だった。
さんさんと周囲に光と熱をまき散らし。地面からわずかに浮かんだ太陽は、ぐるりぐるりと浮島を飛び回る。見る限り、どうやら五つほど太陽はあるようだ。
「これが、この暑さの原因というわけだ……これを、壊してほしい……奴隷君達が失敗しても、ボクがなんとかするけど……」
咎人達が、明らかに残念そうな顔をする。せっかく一足先にやってきた夏の暑さ。せっかくならばもう少し堪能したいし……何より、目の前のエゲリア神の御姿を、もう少し鑑賞したい。
「あぁ、無論ただでとは言わない……」
それはもう露骨に残念そうにする咎人達に、エゲリア神が流し目を送る。それだけでもご褒美なのでは? ともかく、エゲリア神はこう言った。
「ボクに、お菓子を食べさせる権利をあげよう……それでいい?」
よくよく考えれば、咎人側は得をしない提案。そんな提案を始めたことが、エゲリア神のへたばり度合を良く表しているかもしれない。
無論ここに居るのは生え抜きのエゲリアクラスタか、エゲリア神とお近づきになりたい咎人ばかり。一も二もなく頷き、意気揚々と出口へ向かおうとする。
「あぁ、待った……奴隷君、やる気は良いが、準備が必要だ」
あの太陽。おそらく攻撃できる範囲まで近づけば、普通に焼け死ぬぞ。
●オペレーション・北風と太陽
浮島に、咎人達が降り立つ。それぞれの得物を構え、太陽へじわじわと近寄っていく。しかし、太陽は慌てない。まるで咎人を嘲笑うかの如く、ますます放つ光を強烈にする。
強烈な熱波に、浮島の地面がひび割れ、枯れていく。咎人の装備は熱に縮み、金属は赤く灼けていく。
が、咎人たちは止まらない。彼らの肌を撫でるように湧き上がるのは、エゲリア神から与えられた加護の風。これがある限り、太陽の熱波は咎人を焼くことが出来ない……咎人だけは、焼くことが出来ない。
そう、如何にエゲリア神と言えども、へたばった状態で完璧な術式を施すことは出来なかった。守れるのは咎人本人だけ。纏う装備は太陽に近づくごとに灼け、溶け、消えていく。
太陽を倒すが先か、咎人の装備がすべて燃え尽きるが先か。最悪のチキンレースが、今ここに始まる。
天獄界は、灼熱の底に沈んでいた。流刑街はもちろん、神々の納める封神領域ですら例外なく。平均温度は50℃オーバー。天獄界に少し早めの真夏が駆け込んできた。なんなら真夏の温度を超えていた。
この異常気象に、とりあえず咎人達は歓喜した。すぐに流刑街はあちこちがプールになり、海水浴場となり、咎人達は水着やら下着やら様々な格好で水に飛び込んだ。
この異常気象に、勇気の神スサノオはテンションを上げた。上半身裸に短パン姿で、日に焼かれながら鍛錬を開始した。スサノオクラスタの咎人達がそれに付き合い、健康的に日焼けし、汗を流した。
この異常気象に、アイシス神は笑った。笑い、子供達と共に水場で戯れた。まるで高級な蜂蜜のような濡羽色の肌はさらに惜しげもなく晒され、咎人達の目の保養となった。
この異常気象に、エゲリア神は。
「……やっと来たね、奴隷君達」
へたばっていた。まるで陶磁器のような白い肌には玉のような汗が浮かび。透き通る水色の髪は汗で肌に張り付き。潤んだあさぎ色の瞳は、力なく揺れるばかり。その小さな唇は開かれたままで、奥には可愛らしい真っ赤な舌が見え隠れする。
気息奄々に吐息を吐き、普段は装甲のように閉じられた胸襟を限界まで開くエゲリア神は……何処か、人を惑わす香気を放っていた。胸襟の奥、呼吸に合わせて上下する白い胸に、咎人の視線が集まる。
それにも構わず。机の上に体を横たえたエゲリア神は、傍らの箱からお菓子を取り出す。それは、包装を開く前から分かるほど溶け切ったチョコレート。隙間から漏れ出したそれがエゲリア神のほっそりと長い指に纏わりつく。
「……奴隷君。この暑さ、どう思う?」
もはや思考が回らないのだろう。指に纏わりついたチョコレートを見つめ、エゲリア神が舌を伸ばす。普段はさくらんぼ飴のように慎ましく赤い舌が、ゆるりと唇を越えて伸び。指に巻き付くように触れ、チョコレートを舐めとっていく。
その様子を憑かれたように見つめていた咎人達が。エゲリア神の怪訝そうな表情に我を取り戻し、慌てて声を上げる。
「た、大変暑いですが、皆楽しんでいるようです!」
「そうか……見ての通り、ボクは楽しくない」
髪の先にたまった汗が、ぽたりと机の上に落ちた。机にしなだれかかる様に身を伸ばし、エゲリア神が壁に掛けられたモニターを起動する。
映し出されるのは、エンブリオから程近い位置まで接近した浮島。その上を動き回る謎の生命体……否。それは生命体ではなく、まるで地上に落ちた太陽の様だった。
さんさんと周囲に光と熱をまき散らし。地面からわずかに浮かんだ太陽は、ぐるりぐるりと浮島を飛び回る。見る限り、どうやら五つほど太陽はあるようだ。
「これが、この暑さの原因というわけだ……これを、壊してほしい……奴隷君達が失敗しても、ボクがなんとかするけど……」
咎人達が、明らかに残念そうな顔をする。せっかく一足先にやってきた夏の暑さ。せっかくならばもう少し堪能したいし……何より、目の前のエゲリア神の御姿を、もう少し鑑賞したい。
「あぁ、無論ただでとは言わない……」
それはもう露骨に残念そうにする咎人達に、エゲリア神が流し目を送る。それだけでもご褒美なのでは? ともかく、エゲリア神はこう言った。
「ボクに、お菓子を食べさせる権利をあげよう……それでいい?」
よくよく考えれば、咎人側は得をしない提案。そんな提案を始めたことが、エゲリア神のへたばり度合を良く表しているかもしれない。
無論ここに居るのは生え抜きのエゲリアクラスタか、エゲリア神とお近づきになりたい咎人ばかり。一も二もなく頷き、意気揚々と出口へ向かおうとする。
「あぁ、待った……奴隷君、やる気は良いが、準備が必要だ」
あの太陽。おそらく攻撃できる範囲まで近づけば、普通に焼け死ぬぞ。
●オペレーション・北風と太陽
浮島に、咎人達が降り立つ。それぞれの得物を構え、太陽へじわじわと近寄っていく。しかし、太陽は慌てない。まるで咎人を嘲笑うかの如く、ますます放つ光を強烈にする。
強烈な熱波に、浮島の地面がひび割れ、枯れていく。咎人の装備は熱に縮み、金属は赤く灼けていく。
が、咎人たちは止まらない。彼らの肌を撫でるように湧き上がるのは、エゲリア神から与えられた加護の風。これがある限り、太陽の熱波は咎人を焼くことが出来ない……咎人だけは、焼くことが出来ない。
そう、如何にエゲリア神と言えども、へたばった状態で完璧な術式を施すことは出来なかった。守れるのは咎人本人だけ。纏う装備は太陽に近づくごとに灼け、溶け、消えていく。
太陽を倒すが先か、咎人の装備がすべて燃え尽きるが先か。最悪のチキンレースが、今ここに始まる。
成功条件
| 条件1 | 太陽型エネミーを全て破壊する |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
大成功条件
| 条件1 | 全裸にならない努力をする |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
解 説
●解説
戦場:乾ききった浮島
何もない、乾いた大地が続く浮島。大体半径100mほどの小ささ
状況
・太陽×5
太陽のような見た目をした敵。天獄界の温度を50℃まで上げ、エゲリア神をバテさせた。凄いな。とはいえ大きさは直径1.5mほどのミニミニ太陽。ひるまずぶん殴ってやろう。
色々な技を持つが、咎人にダメージは入らない。装備は灼ける。
意外なことに高い回避力を持つ。ひたすら避けて咎人の装備を焼き尽くす計画のようだ。だが残念、囲んで殴れば素手でもシールドを破れるほど脆い。
●太陽光線
レーザーのように太陽光を一点集中して放つ。頭、腕、胴、腰、足のいずれかをランダム攻撃。ロングアクション。当たった場所の装備は消し飛ぶ。
・咎人達
エゲリア神の加護で太陽の攻撃ではダメージを受けない。装備は徐々に焼ける。全裸になった場合、エゲリア神の加護で見えてはいけない場所に風モザイクが掛かる。
重ね着すればするほど装備が溶けきる時間を延ばすことが出来るぞ。
補足事項
OPにあるように、最悪咎人が全員全裸に剥かれてその辺に放り出されても、最終的にはエゲリア神が太陽をぶっ壊してくれるので他のシナリオには特に影響ありません。安心して剥かれてください。
マスターより
良いですか。布切れ一枚でも残っていれば全裸ではないんです。
肩にケープの一つでも残っていればいいし、靴下かたっぽだけ残っててもいいし、長手袋だけ残っているのでも良いんです……(性癖
参加キャラクター
-

- 六道煉龍(ma0646)
- 人間種|男
-

- 小山内・小鳥(ma0062)
- 獣人種|女
-

- クラリス・ド・ラプラード(ma0056)
- 獣人種|女
-

- 宵待 伽羅彦(ma0748)
- 人間種|男
-

- 竜胆(ma0386)
- 獣人種|女
-

- フリッツ・レーバ(ma0316)
- 剛力種|女
-

- レーヴェ・V・ヘルズキッチン(ma0162)
- 剛力種|女
-

- 秋姫・フローズン(ma0474)
- 剛力種|女
-

- 鐵夜行(ma0206)
- 剛力種|女
-

- 山神 水音(ma0290)
- 精霊種|女
- リプレイ公開中




