オープニング
懐地界と名付けられたその世界には、『妖怪』と言う超常の存在が居る。
その世界で暮らす人々の多くは、自らの手で発展してきたと考えているが、その影には妖怪たちの存在がある。
妖怪たちは人間たちの営みにひっそりと手を貸し、危機からそっと見守ってきていた。
人々の想像によって生じるというこれには恐ろしい存在も居るが、基本的には妖怪たちは人類に益する存在である。
それはここ帝都『東ノ宮』でも変わることなく、その一角で咎人達やヒー・リショナー(mz0073)は、ある『妖怪』達との接触に成功していた。
咎人達は様々な事件を解決する中で、妖怪達と交流を深めていき、やがてオルリアと名乗る妖怪より咎人達は『駅』への通行許可を得ることができた。
●正体と依頼
この日ヒーは、現地での窓口役にあたる真継優輝(まつぐ ゆうき)から連絡を受け、東ノ宮地下を走る列車の1つに乗っていた。
そしてヒーは、オルリアが許可を出した『駅』に入る。
『駅』入口を通り、その先でヒーを出迎えたのは――巨大な図書館めいた空間だった。
吹き抜けの空間は遥か上にある天井まで書棚が伸び、何かの書物や本が壁を埋め尽くしている。
壁沿いに走る階段が螺旋を描いて天井へと続いており、頭上には至る所に渡り廊下が張り巡らされている。
本来なら真っ暗なはずの空間も、書架の並ぶ床の上や宙の各所に灯りめいた光が配され、適度な明るさが保たれていた。
ヒーがふと周囲に視線を向けると、以前にも見たことのあるモフモフの毛玉――もとい妖怪『すねこすり』達が床に敷かれた絨毯の上で寛いでいた。
「貴方は書物の妖怪なのですか?」
周囲にある光景から、ヒーはオルリアの正体についてそんな推測を立て、オルリアは首肯する。
「オルリアというのは私の名前だけれど、人間達は私のことを『文車妖妃(ふぐるまようひ)』と分類しているわね」
文車(ふぐるま)というのは、大昔に手紙や書物を運んでいた器物を指す。
そして古い恋文や手紙にこもる情念などが変化し、妖怪になったとオルリアは説明する。
「確か貴方たちは、より多くの妖怪達から『駅』の通行許可をもらいたいと聞いたわ」
優輝から聞いた話をオルリアがヒーに確認すると、ヒーは首を縦に振る。
「だから私も、比較的大丈夫そうな存在と連絡を取ってみたのよ」
そう言ってオルリアは手紙らしきものをヒーの前に置き、説明する。
オルリアは交流のある妖怪や、優輝を介して交流のある人間達との間で手紙をやり取りする形で情報収集や伝達を行っていた。
自身が運ぶ以外にも優輝に頼んだり、時々妖怪『すねこすり』達にも頼んで運んでもらったりと、相手に応じて手紙の運び役を調整している。
そういう意味でオルリアは、『情報を集め、伝える』という文車の役割を今も果たしていると言えた。
ここでオルリアは中座し、別の場所へ向かう。
少し経った後、オルリアは何かを抱えて戻ってきた。
「話を元に戻すけど、貴方たち咎人と実際会ってもいいと言ってくれた子がいたわ」
ただヒーは言われた内容よりも、オルリアが抱えている『それ』の方が気になっていた。
今オルリアの抱えている存在は、ヒーの目には3つの頭を持つ仔犬にしか見えない。
「ところでそちらにいる方は……」
「この子が貴方達に紹介したい駅主妖怪よ」
オルリアはそう言って両腕に抱えていた三つ首頭の仔犬を少し持ち上げ、ヒーの視線に合わせる。
真っ白なモフモフの毛玉……もとい仔犬の頭たちが一斉に口を開いた。
「ぼくらのー」
「なまえはー」
「けるべろすだー」
「「「がおー」」」
見た目通りの可愛らしい声が3つ続き、最後にその尻尾がパタパタと揺れていた。
「ケルベロス……ですか」
ヒーの記憶では、どこぞの世界で門番をしている3つ首頭の番犬がそういった名前をしていたが、眼前の『けるべろす』は3つ首頭の部分こそ共通だが、とても番犬には見えない。
オルリアの話によると、この『けるべろす』なる妖怪は舶来妖怪という種類に分類されるらしい。
「それで、こちらの方が『駅』の通行許可を出してくれるには、どのようなことをすればいいのでしょうか?」
本来の目的へと意識を引き戻したヒーは、オルリアとけるべろすに問いかける。
けるべろすは声を揃えて言った。
「「「ぼくらの『駅』でお掃除してー」」」
オルリアが補足を入れてきた。
「この子片付けが苦手だから。『駅』の中を咎人達が掃除してくれたら、通行許可をあげると言うのよ」
けるべろすの『駅』だが、岩場に囲まれたこぢんまりとした空間らしい。
なおその場には、今までけるべろすが集めてきたものがあちこち山積みとなっているようだ。
集めるのは好きだが、片付けるのは得意でないけるべろすは、オルリアより条件を聞かれたとき真っ先に掃除を条件に出し、今に至る。
「そういうわけで、この子が駅主となる『駅』には一応入ることができるわ」
ただし一度入ると、中の掃除を終えるまでは外に出られないため、そこは注意してほしいとオルリアは忠告する。
「安心して。そこまで広いというわけじゃないから、片付けはすぐに終わると思うわ」
そしてオルリアは、ヒーや咎人達にとって別のメリットも告げてきた。
「この子が片づけをしてほしいものだけど、貴方がたが集めている『いであえねるぎー』になると思うわ」
既にオルリアは優輝を介し、天獄界の事情を知っていた。
天獄界では日々エネルギーが消費されているため、現在介入している各世界でもその『資源』を回収している。
集めた物質をイデア体に変換することで、そのイデア体をエネルギーへと変換できれば、その物質は資源の対象となる。
そしてけるべろすの『駅』で手に入るものは――。
「今は使い物にならないけど、昔一部で使われていた紙幣が多いわ」
オルリアの話では、かなり前に寺社や商人が発行元となった紙幣の類をけるべろすは集めていたようだ。
ただし当時の発行元も今は存在していないため、紙幣はその役割を終えている。
だから咎人達が回収しても、誰も困らないとオルリアは説明した。
一連の話を聞いたヒーは、優輝にも話を通した上で、ある『駅』の掃除役を斡旋してほしいと天獄界に連絡を入れた。
●今回の駅主妖怪
妖怪『けるべろす』
今回皆様が遊ぶ……もとい交流可能な妖怪。外見的には3つ首頭の仔犬。全長30cmで体重は2kg程度。
これでも『駅』を持つ駅主妖怪。皆様には人懐っこい模様。
『駅』の掃除を皆様に依頼し、達成できれば『駅』の通行許可を出すと約束した。
モフモフすることもできるが、頭を撫でる際には3つの頭全てを同時に撫でることが要求される。
●今回の支給品
軍手や手袋。掃除用具一式。紙幣回収用の大型袋。
作業を終えた後に食すための弁当(希望がなければ牛肉っぽいステーキ弁当)と飲料水。
成功条件
| 条件1 | 駅内部を片付ける |
|---|---|
| 条件2 | 資源となるものを回収できた |
| 条件3 | - |
大成功条件
| 条件1 | 駅主妖怪より通行許可を得た |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
解 説
●目標
駅主妖怪に『駅』の通行許可を得る
副目標:駅内で思い思いに楽しむ
失敗条件:駅内で武器や攻撃とみなされるスキルを使う。
登場
妖怪『けるべろす』
詳細はOP内文章●今回の駅主妖怪を参照。
真継 優輝
ある神社の神主で依頼人。妖怪達とは昔から交友があり特にオルリアと親しい。今回は現場にいない。
オルリア
最近妖怪だと明かした少女でその正体は『文車妖妃』。独自の情報網と交友関係を持つ。
黒いドレスめいた洋装と顔の半分を黒い飾りで隠している。
すねこすり達
オルリアと親しく、皆様咎人とは友好的な妖怪達。外見的には丸っこい仔犬だが仕草は猫っぽい。小型でもふもふ。
現在オルリアと一緒にけるべろすの『駅』内で寛いでいる。皆様が遊ぶ……もとい交流可能な妖怪達その2。
ヒー・リショナー
今回の増援。皆様の指示に従う。使用スキルはヒール、リフレッシュ。
状況
地下鉄大迷宮内に存在する『駅』の内部。中の視界はクリア。
オルリアの案内と駅主妖怪の許可(仮)によって皆様は駅内に入った。
以下皆様が活動できる範囲の簡易見取り図。皆様は好きな場所からスタートできる。
片付けが必要な場所は下記『山』の個所で、積みあがっている物は昔使われていた様々な紙幣で資源回収対象。下記『出』の場所へ全て運べば達成扱いとなる。
北↑
ABCDEFGHI
1■■■■■■■■■
2■文 山 山■
3■ ■
4■絨毯 山 山■
5■絨毯 ■
6■絨毯 山■
7■絨毯 ■
8■絨毯 ↓ 山■
9■■■■出■■■■
■:壁。岩壁に見えるが手触りは柔らかい。
文:オルリアがいる場所。けるべろすやすねこすり達と遊ぶための道具も持参。
山:片付けが必要な場所。様々な紙幣がうず高く積まれている。
絨毯:カーペット。寝転んでも痛くない。けるべろす、すねこすり達はここにいる。
出:出入口
マスターより
今回オルリアの正体や『駅』のお披露目となりましたが、別件で依頼が舞い込みました。
そちらも解決できれば、別の『駅』への通行許可を得ることができます。
プレイングで皆様が場所を指定し「片づけて出口に運んだ」とご記載下されば、その場は片づいた扱いとします。
なお紙幣の形は全て短冊形で、その中には贋札(がんさつ)防止用に入れられた模様が綺麗なものも含まれるため、手土産として一部持ち帰ってもOKです。
作業終了後は駅内で思い思いの時間を過ごすことができます。
妖怪達と遊ぶこと、オルリアから話を聞くこと、支給された弁当を食すなど様々なことが可能です。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
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- ヒー・リショナー(mz0073)
- 人間種|女
参加キャラクター
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- 鈴鳴 響(ma0317)
- 神魔種|女
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- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
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- 不破 雫(ma0276)
- 人間種|女
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- 高柳 京四郎(ma0078)
- 人間種|男
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- 暁 大和(ma1428)
- 機械種|男
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- 東江 武蔵(ma0410)
- 剛力種|男
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- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
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- 透夜(ma0306)
- 機械種|男
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- 山神 水音(ma0290)
- 精霊種|女
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- フィオナ・アルマイヤー(ma1253)
- 剛力種|女
- リプレイ公開中




