巨神戦記 「僕は英雄にならなきゃならない」
柏木雄馬
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
エキスパート
参加制限
総合600以上
オプション
  • 召喚可
参加料金
100 SC
参加人数
4人~10人
優先抽選
50 SC
報酬
500 EXP
10,000 GOLD
10 FAVOR
封魔界ワールドロールで参加すると +50 EXP
相談期間
4日
抽選締切
2024/01/08 10:30
プレイング締切
2024/01/12 10:30
リプレイ完成予定
2024/01/23
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
召喚可能
このシナリオでは召喚を行うことができます。
召喚を装備しているキャラクター全員が召喚可能です。

オープニング

 ──英雄に憧れていた。

 『御伽噺』の勇者のような。
 救世の騎士たちのような。
 連合を束ねる父のような。
 優秀な兄たちのような……

 だけど、幼い頃の僕は身体も弱くて病気がちで、他の子どもたちのように外を駆け回って遊んだり、領主の一族として修めるべき戦いの訓練も受けさせてはもらえるだけの体力もなかった。
 代わりに本をたくさん読んだ。
 家庭教師から渡された教科書を。文学を。詩集を。芸術書を。歴史書を。父から渡された統治論や経営論を。兄たちが持って来てくれた冒険譚を。

 12歳を過ぎた辺りから体調は回復に向かい、僕はそれまでの時間を取り返すように外に出た。……病弱だった母の面影が残る館に居づらかったというのもあるだろう。皆に黙って館を抜け出し、馬車の窓から見るだけだった領都の街並みを自身の足で歩いて回った。
 特に目を惹かれたのが食べ物だった。街路の屋台や出店を巡り、これまで見たことも無かった美味しいものをたくさん食べて回った……のだが、当時の僕は何と『お金を代価に物を買う』という常識も知らなかった。後々になって、こっそり僕の後を尾けていた爺やが後からお金を払って回っていたと聞かされ、赤面したものだった。
 その後は勝手に抜け出したりはせず、爺や(と隠れた護衛たち)と街の『視察』に回るようになった。町の人々は、領主の息子でありながら積極的に市井と交わる僕のことを「坊ちゃん」「坊ちゃん」と呼んで可愛がってくれた。下町に友人たちも出来、館にいるだけでは知り得なかった色々なことを教えてもらった。
 僕はそんな街の人たちの為に、彼らが不便と思うことなどを聞いて回って、それを纏めたものを父に対して提出した。父は「及第点」との評を頂き、「今度は、どう解決したら良いと思うか、自分の意見を添えてみなさい」と言いつけられた。聞けば、領主の子供たちは代々、僕くらいの歳になると街へと出され、人々と同じ暮らしをしながら学業を修めるのが習わしなのだ、といった。
「まあ、自分から館を抜け出して町まで行ったのは、俺が知る限りお前で……まあ、二人目だが」
 いつも厳格だった父は、そう言って愉快そうに笑った。
 ……その時の光景を、僕は今でも覚えている。命尽きるまで……忘れることはないだろう。

 僕は13歳になった。夏が終われば街の中等学校に入るはずだった齢だ。
 僕の幸福と過去と未来はこの年に壊された。アース帝国軍による、大アルティニア連合領に対する侵略によって。

 元々、アルティニアは一つの公国であり、大アルティニア連合は代々の相続によって細分化された小公国の連合体だった。父はその盟主で、いわゆる本家筋に当たる。
 とは言え、名誉職のようなもので権限は強くない。実際、父はフェニエ同盟への加盟を主張したが、連合の多くは古の盟約に重きを置き、連合全軍による決戦が多数決により可決された。
 それが意味するところを、つまり、敗北と連合の末路を、父は正確に予測していた。父は連合には何も言わず、単独で領民たちの避難を同盟に打診した。伝手として頼ったのは、母の実家であるエルカイト公国だった。父の話を聞いたエルカイト公は避難民たちの受け入れを了承し、自身が所属するフェニエ同盟に協力を要請。すぐに同盟のサリッタ公国において『アルティニア市民救出任務部隊』が編制・派遣され、市民たちの移送が始まったのだけれど…… 帝国軍の侵攻は予測よりもずっと早かった。

 大アルティニア連合軍は決戦に敗北した。鎧袖一触だったらしい。自らを大アルティニアと称していた連合は、帝国や他国の言う通り『小公国連合』でしかなかった。
 戦場から帰還したのは父だけだった。二人の兄は戦死した、と聞かされた。……実感を得る間もなかった。
「お前は爺らと脱出しろ。エルカイトの祖父の元へ行け」
「……父上は?」
「私は領都に残り、お前と市民たちが脱出する時間を稼ぐ」
 僕は父に抱き抱えられて、救出部隊の『最終便』、その幌付き軍用トラックの荷台へと預けられた。
 別れ際、父は言った。それが父との最後の会話になった。
「……これから我が民は故国を失い、バラバラに逃げ落ちることになるだろう。お前は何としても生き延びろ。生きて彼らの旗頭となれ」
「僕が……?」
「救出部隊には、我が家に伝わる巨神機──ヴァナディースを託した。アルティニアの象徴だ。いずれあれを擁して故国を取り戻せ。お前の神秘刻印なら動かせるはずだ」
「巨神機を!? でも、巨神機は……」
「帝国軍が動かせているんだ。なら、いつか我らが動かせてもおかしくはないだろう?」

 ──英雄に憧れていた。
 でも、英雄の器ではなかった。僕自身がそれを知っていた。

 逃げるトラックの背で、山向こうの夜空が赤々と燃えるのを見た。領都が陥落したのだ、と悟った皆が涙した。
 だが、泣いている暇はなかった。帝国軍の追っ手が迫っていたからだ。

 僕らの逃避行はそこで終わると思われた。僕も何も成さぬまま死ぬのだと……しかし、そこで奇跡が起きた。

 救出任務部隊長アルレット・ファルギエールが連れてきた『咎人』なる者たちが『召喚』した巨大な人型戦闘機械の群れ── それは帝国軍の巨神機3機と大型魔獣を蹴散らして、不敗の舞台に初めての土をつけた。
 その様を、僕はトラックの荷台から見守っていた。……僕も、いずれ、あんな風に…… とその脳を焼かれながら。


 トゥナル要塞陥落後、帝国に降伏したアノー公国の西部国境を突破した救出任務部隊は、西方に位置するガルゾニアに脱出し…… そこでガルゾニア公国軍によって拘束された。罪状は『許可なく国内へ進入した件』だった。
「確かに……事前に交渉とか出来なかったしな。この措置も当然か」
 任務部隊第二中隊長ロベルト・サッセンは、事情聴取を受ける部隊長アルレットの後ろで然もありなんと達観した顔つきでいる。
 すぐに外交交渉が行われ……共に脱出して来たオルディアン公国軍の帰国が先に決定した。
「貴方たちには部隊丸ごと、死すべき命を救われた。この御恩はいずれ必ずお返します」
 指揮官代理のシェロー大尉はそう言ってアルレットやロベルト、咎人たち一人一人の手を握り、戦雲が掛かり始めた祖国へと帰っていった。
 だが、アルレットらサリッタ公国軍と避難民たちは、その後2週間もの間、拘留され続けた。
「なぜ我々の出国は認められないのですか? 理由は納得して頂けたはず……アノー公国とアルティニアにいる帝国軍の情報も余さず伝えましたのに」
 アルレットに訊ねられた拘留舞台の指揮官が、「そうか。まだ聞いていないのか……」と同情の視線を向けた。
「出国が認められないのは、交渉相手がいないからだ。貴官らの母国、サリッタ公国は帝国軍の侵攻を受け、今はその支配下にある」

(『解説』に続く)

成功条件

条件1レクス少年とアルレットたちの戦力化。その為の訓練を施す
条件2-
条件3-

大成功条件

条件1成功条件を満たした上で、彼らの心情にも寄り添う
条件2-
条件3-

解 説

(OP本文の続き)

 その後、帝国軍の小部隊が領内に侵入していたことが発覚し、ガルゾニアと帝国は交戦状態に突入した。
 すぐに任務部隊と避難民たちの出国が認められ、彼らは一路、西方──エルカイト公国方面へと出発した。
「少佐殿。我々はサリッタに向かうべきでは……まだ全土は陥落してないようですし」
 焦る部下たちにアルレットは答えた。
「……我々の任務は、アルティニアの避難民たちをエルカイトまで連れていくことです。そして、その任務は未だ果たされてはおりません」

 アルレットたちは任務を果たした。最後の避難民たちをエルカイト公国領都へ無事に送り届けたのだ。 
 先行していた第一、第三中隊は既にひと月以上前に避難民たちを送り終えていた。マックス・エドガー大尉以下、隊員たちの姿は既に無かった。彼らは帝国軍のサリッタ侵攻を聞くと急ぎ祖国へ取って返し、その後は連絡が取れていないという……

 そして、この頃には既に、彼らの祖国はその全土が帝国に制圧されていた。
 アルレットは呆然として……避難民の少年レクスに零した。
「今度は私たちが国を亡くしてしまいましたね……」


 それから数か月が過ぎた。
 開戦後、破竹の勢いで進撃を続けたこの地方の帝国軍だったが、咎人たちの介入もあって、今は各所で膠着状態に陥っていた。
 その間にも色々なことがあった。例えば、帝国軍以外の者も巨神機を動かせるようになった。亡命者扱いでエルカイトに残ったアルレットたちも、資質のある数人が魔導アーマーによる戦闘訓練を始めている。

 彼らと行動を共にし、度々様子を見に来ていた咎人たちの前に、老エルカイト公が訪ねて来た。
 彼は、咎人たちとも顔見知りのレクス少年を連れていた。
「我が領内には巨神機を扱った経験のある者はいない。そこで、貴方達には我が孫──アレクシス・アルティニアに、巨神機での戦い方を教授してもらいたいのだ」

マスターより

●解説

※このシナリオの時系列は『イストリア公国防衛戦』の前辺りとなります。が、時系列的矛盾は気にしないでいいです

1.状況
 背景はOPの通り
 目的は成功条件を参照

2.エルカイト公国
 山と森と湖の国。隣国、ガルゾニアとオルディアンの奮戦により戦火からは遠い

3.レクス少年
 本名、アレクシス・アルティニア。アルティニア公国公子。公族唯一の生き残り
 祖国奪還の旗印となるべく巨神機での戦闘訓練を望む
 機体はヴァナディース系(麒麟)

4.旧救出任務部隊員
 元サリッタ公国軍人約60名。祖国が帝国に制圧され、亡命扱いでエルカイトに逗留中
 アルレット、ロベルト、避難民らの中から資質持ちの十数名が魔導アーマーの訓練中

参加キャラクター

  • 川澄 静ma0164
    精霊種|女
  • 氷雨 累ma0467
    人間種|男
  • シアンma0076
    人間種|男
  • アナルデール・ウンディーニma0116
    人間種|女
  • navima1483
    妖精種|女
  • 伊藤 毅ma0538
    人間種|男
  • 小山内・小鳥ma0062
    獣人種|女
  • 麻生 遊夜ma0279
    機械種|男
  • フィリア・フラテルニテma0193
    神魔種|女
  • 星空 雪花ma1479
    神魔種|女
リプレイ公開中

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