オープニング
●
ウィージャボードというのは、欧米のこっくりさんである。と言えば話の早い咎人は多いだろう。
この降霊術で、悪魔やそれに類するものを呼び出してしまう……というのは、多くの創作物で見られるように「あるある」な事案であった。
「僕らが扱う悪魔事件の中でも、件数が多いのがこの降霊術の現場だ」
現地協会の調査員、クラレンス・ジェームズは苦虫を噛みつぶしたような顔で説明した。
「いや、わかるよ? 自分たちでも少し不思議な超常現象にお手軽に触れられるかも知れないっていう興味。けれど」
クラレンスは眉間にしわをきゅっと寄せた。
「その代償が自分や友達、家族だとしたら……後悔したってしきれないだろう」
言葉には少し重さがあった。察するに、彼もまた何かしらの悪魔事件に私人として遭遇し、親しい人が被害に遭ったのかもしれない……。
それはさておき、クラレンスとあなたたちは、降霊術が行われた家屋に踏み込んだ。
「助けて! メアリーが……!」
血まみれになった若い女性を、男性が怯えた顔で抱きしめている。彼が言うことには、ウィージャボードの降霊術をしていたところ、プランシェット(こっくりさんで言う10円玉に相当する)が突然ボードの上をでたらめに動き回り、悪魔が現れたのだと言う。今血まみれで意識を失っているメアリーに憑依して大暴れした後、彼女を放り出してどこかに行ったが、家の中を通報や手当で移動している内に怪奇現象が起きていたらしい。
つまり、悪魔はまだ家の中にいる。
「後は任せろ。君たちは彼女を連れ出せ。もう戻ってくるなよ」
クラレンスは励ますでもないがけなすでもない平坦な声で言った。男性の方に、警告もして。
その後、家の中に隠れていた若者たちを全員外に出すと、一行はウィージャボードがあるというリビングルームへ向かった。
「あのウィージャボードをブチ割ればなんとかなるはず」
クラレンスが呟くと、リビングの中で不穏な風が渦を巻き始めた。すると、リビングルームの真ん中、ウィージャボードをさりげなく隠すように山羊頭の悪魔が現れる。不適な微笑みを湛えたまま口は開かないが、纏う禍々しい気配はこちらへの害意を示すのに十分だった。
クラレンスは慎重な姿勢だ。
現地の調査員は、せいぜいが悪魔を追い返すのが関の山。咎人の様に討伐は実は難しいことが多い。
だから、彼の第一目標は「ウィージャボードの破壊」なのだ。
けれど、あなたたち咎人はそうではない。悪魔の「討伐」が可能だ。
あなたたちは、悪魔の相手を自分たちに任せて、クラレンスにはウィージャボードの破壊を依頼する。
「わかった。できるだけ早く壊す」
咎人の攻撃が悪魔の気を引いている内に、クラレンスはその脇を通り過ぎてウィージャボードに飛びついた。
「こんなもの!」
彼は転がっていた置き時計を掴んでボードに叩き付ける。
破壊まで時間を稼ぐか、悪魔を倒さねばならない。
ウィージャボードというのは、欧米のこっくりさんである。と言えば話の早い咎人は多いだろう。
この降霊術で、悪魔やそれに類するものを呼び出してしまう……というのは、多くの創作物で見られるように「あるある」な事案であった。
「僕らが扱う悪魔事件の中でも、件数が多いのがこの降霊術の現場だ」
現地協会の調査員、クラレンス・ジェームズは苦虫を噛みつぶしたような顔で説明した。
「いや、わかるよ? 自分たちでも少し不思議な超常現象にお手軽に触れられるかも知れないっていう興味。けれど」
クラレンスは眉間にしわをきゅっと寄せた。
「その代償が自分や友達、家族だとしたら……後悔したってしきれないだろう」
言葉には少し重さがあった。察するに、彼もまた何かしらの悪魔事件に私人として遭遇し、親しい人が被害に遭ったのかもしれない……。
それはさておき、クラレンスとあなたたちは、降霊術が行われた家屋に踏み込んだ。
「助けて! メアリーが……!」
血まみれになった若い女性を、男性が怯えた顔で抱きしめている。彼が言うことには、ウィージャボードの降霊術をしていたところ、プランシェット(こっくりさんで言う10円玉に相当する)が突然ボードの上をでたらめに動き回り、悪魔が現れたのだと言う。今血まみれで意識を失っているメアリーに憑依して大暴れした後、彼女を放り出してどこかに行ったが、家の中を通報や手当で移動している内に怪奇現象が起きていたらしい。
つまり、悪魔はまだ家の中にいる。
「後は任せろ。君たちは彼女を連れ出せ。もう戻ってくるなよ」
クラレンスは励ますでもないがけなすでもない平坦な声で言った。男性の方に、警告もして。
その後、家の中に隠れていた若者たちを全員外に出すと、一行はウィージャボードがあるというリビングルームへ向かった。
「あのウィージャボードをブチ割ればなんとかなるはず」
クラレンスが呟くと、リビングの中で不穏な風が渦を巻き始めた。すると、リビングルームの真ん中、ウィージャボードをさりげなく隠すように山羊頭の悪魔が現れる。不適な微笑みを湛えたまま口は開かないが、纏う禍々しい気配はこちらへの害意を示すのに十分だった。
クラレンスは慎重な姿勢だ。
現地の調査員は、せいぜいが悪魔を追い返すのが関の山。咎人の様に討伐は実は難しいことが多い。
だから、彼の第一目標は「ウィージャボードの破壊」なのだ。
けれど、あなたたち咎人はそうではない。悪魔の「討伐」が可能だ。
あなたたちは、悪魔の相手を自分たちに任せて、クラレンスにはウィージャボードの破壊を依頼する。
「わかった。できるだけ早く壊す」
咎人の攻撃が悪魔の気を引いている内に、クラレンスはその脇を通り過ぎてウィージャボードに飛びついた。
「こんなもの!」
彼は転がっていた置き時計を掴んでボードに叩き付ける。
破壊まで時間を稼ぐか、悪魔を倒さねばならない。
成功条件
条件1 | ウィージャボードが破壊される |
---|---|
条件2 | クラレンスの無事 |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 悪魔の討伐 |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
●目的と判定について
クラレンスがウィージャボードを破壊している間に時間稼ぎないしは悪魔を討伐する、と言う流れのシナリオです。
悪魔からクラレンスを守る、悪魔をボコボコにする、と言うのがPCの役割になります。
カジュアル判定ですが相談は推奨するためエキスパートです。
●敵情報
悪魔×1
山羊頭タイプ。
サイズ1、知性3、防御型。
花瓶とかカップとかシャンデリアとか闇属性魔法攻撃とか飛ばして攻撃したりする。
クラレンスは歯が立たないが咎人なら戦える。
クラレンスも攻撃対象に選ぶ。
●NPC
クラレンス(現地・調査員)
ウィージャボードの破壊を試みている。
破壊まで最低でも5ラウンドはかかる。悪魔からの妨害があったりすると遅延する。
よっぽど悪魔から集中攻撃を受けているのを放っておくとかしなければ死なない。
マスターより
こんにちは三田村です。
ホラーワールドなら一度はやっておきたいウィージャボードネタです。
ご参加お待ちしています。
参加キャラクター
-
- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
-
- フィオナ・アルマイヤー(ma1253)
- 剛力種|女
-
- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
-
- ユーグヴェル・ミラ(ma0623)
- 異能種|男
-
- ウェンディ・フローレンス(ma0536)
- 獣人種|女
- リプレイ公開中