オープニング

●人幻界の今
　人幻界テンペストの中でも元常夜と呼ばれる地域が存在する。
　鎖神貴一(mz0051)が処刑されても、東京にはミニオンやベリト(mz0054)のばらまいた異世界の生物、いまだに改心せず犯罪者のままでいる天獄機関の残党といった危険因子が蠢いていた。
　日本の警察や自衛隊も元常夜があった地域には特別な関与はしておらず、安全な状況とは言えないが、そこは『煉獄』メンバーや『煉獄』に合流した元スプリーム・ゴッド・プロジェクト（ＳＧＰ）からの亡命者などが日々対応している。
　今も東京に残っているのは、自身の意志で留まった者、外から東京復興のために駆けつけた者、故郷の安否を確認するため来た者が多く、元常夜地域外からの支援を受けながら復興を進めている。
　人幻界では大小さまざまな事件が続いているが、ある地域ではそうした騒動が起きることはなく、表向きは平穏と言えた。

●召喚ユニットによる『試し切り』
　ヒー・リショナー(mz0073)は、これまで様々な世界において、普段皆様が使う機会のなかった武器を使用しての依頼を斡旋してきた。
　もともと試行錯誤をするのが依頼の趣旨であるため、上手くいったり上手くいかなかったりするのは想定の範囲内になる。
　そのような経緯を持つヒーは、最近に至るまで『ある試し』を行っていなかったことに気づいた。
　それは召喚ユニットならびに召喚スキルの『試し切り』。
　咎人達が身に付けるロールが増えるに従い、使用できる召喚ユニットや召喚スキルも増えた。
　これまでにも各世界で召喚ユニットを使う機会は多々あったものの、ヒーからの視点では重要な局面で召喚ユニットの投入が行われていたように見えた。
「ある程度は失敗してもいいような手軽なもので、召喚ユニットのサイズや持続時間に関係なく試しができるような依頼を用意できないものでしょうか？」
　そう考えたヒーは神官に相談し、話し合いを行う。
「どのように暴れようと現地への影響がないような場所や『敵』を見つけることができれば、後はどうにかなると思われる」
　神官からの次元に従い、ヒーはこれまで自身が各世界で培ってきた人脈を駆使し、各世界に範囲を広げて情報収集に当たった。
　そしてヒーは該当する場所と『敵』を人幻界テンペスト――それも元常夜内のある一帯で発見することに成功する。
　そこは海近くにある、かつて存在した遊園地の跡地だった。
　既に所有者はなく荒れるに任されていたが、過去に簒奪者ズロイ(mz0063)がテンペストで活動する際、自身の活動拠点として密かに占拠していたようだ。
　ズロイが退去した後は無人の跡地に戻ったものの、いまも様々な大きさの従魔達が居座っていることをヒーは突き止めている。
「調査の結果、現地周囲に人気はなく、跡地も所有者が不明な状態であるため、いくら暴れても現地への影響はないと思われます」
　ヒーは天獄界に帰還すると、現地や従魔達に関する情報など調査結果を神官に報告し、咎人達への依頼斡旋を願い出た。
「近隣で暮らす人々への根回しと必要な手続きを進めてくれ。何かあった時のためにお前も咎人達と同行しろ」
　神官より指示を受け、ヒーは必要な手続きを引き受けるとともに、神官は皆様咎人へと依頼の斡旋を始めた。
　それでは咎人の皆様。
　ふだんは使う機会のなかった召喚ユニットや召喚スキルを駆使して、従魔達の試し切りをしませんか？

●やること
　皆様はヒーの依頼に興味を持ち、人幻界テンペストまでやってきました。
　召喚ユニットを使用する遊園地跡地は、現在所有者不明の空地扱いのため、戦闘の過程で破壊されても一切問題はありません。
　また周辺一帯に人気はなく、周辺の封鎖や避難誘導といった行動も必要はありません。
　現場の調査はヒーが実施済みのため、皆様があえて生身で動いて調べる必要も一切ありません。
　そして今回皆様が召喚ユニットを駆使して戦う従魔達ですが、大きさや徘徊する場所もバラバラのため、皆様は召喚ユニットの大きさや持続時間に応じて戦う相手を選ぶこともできます。
　従魔達の武装も剣のような武器を振るう程度で、飛行や遠距離攻撃を行う手段もないことがヒーの調査で明らかになっています。
　この従魔達は特に統制がとれているわけではなく、一定の範囲内を動いているだけなので、連携して動くことはありません。
　普段皆様が使わない召喚ユニットや召喚スキルを装備して戦ったとしても、問題なく倒すことのできるでしょう。
　これは皆様が普段死蔵している召喚ユニット（およびロールや召喚武器、召喚スキル）を使うことのできる、絶好の機会になります。
　また召喚ユニットの攻撃回数や召喚スキルの関係で、相手がシールドブレイク状態になったとき、追撃を行うことができないので……という方は、シールドがない敵を想定した訓練として、遊園地跡地にある手ごろな廃屋を標的にするのも手です。
　そちらはシールドなしでライフのみの敵扱いとなりますので、そちらでライフのみの敵との戦いに見立てた武器やスキルの試し切りが可能です。
　これまで皆様が持続時間や様々な事情で、これまで使う機会のなかった召喚ユニットを装備して、様々な大きさの従魔達を倒してみてはいかがでしょうか？

●状況
　とある遊園地跡地。既に常夜はなく現地時刻は正午で快晴。視界はクリア。
　皆様は下記簡易見取り図内のどの場所からでもスタートが可能。
　周辺に人気はなく無人のため、周辺の封鎖や避難誘導を考慮する必要はない。
　以下現場の簡易見取り図。１マスあたり５×５ｓｑ。
　↑北
　　ＡＢＣＤＥＦＧＨＩＪ
　１※　※　※　　　　◇
　２※■　　　　参
　３※　弐
　４
　５※■　　　※　　　◇
　６　※　　　　
　７※　壱　　※
　８　※　　　　　※
　９※■　　※※■
　■：元遊園地施設の壁。高さ６ｍ程度でサイズ１扱い。破壊可能。割と固い（ライフは中程度）。
　◇：廃屋。高さ６ｍ程度でサイズ３扱い。破壊可能。■よりは固い（ライフは中～比較的高い）。
　※：瓦礫。高さ２ｍ程度。通行可能。
　漢数字：いずれも人型の像めいた姿で「壱」はサイズ１。「弐」はサイズ２。「参」はサイズ３の従魔。皆様が自身のＲＰに必要な数として、各サイズの敵数を自由に指定できる。