- 召喚可能
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このシナリオでは召喚を行うことができます。
召喚を装備しているキャラクター全員が召喚可能です。
オープニング
「以上、咎人さんたちからの要請です。どういたしますか?」
「了承」
「ちょっと姫様ぁぁぁ!?」
ここは封魔界アルビオンにあるビステ公国、その王城謁見の間。
公王フォルテに猛抗議しているのはクレッシェンド・スラー。通称クレスで、フォルテの親衛隊も努めている。
少年ながら、咎人たちの助力もあってフォルテと恋人関係になった中々の情熱を持つ者である。
感情で動きがちなフォルテに比べ、クレスはもう少し理性的な行動ができる。
どちらが年上か分かったもんじゃない……などとは言わぬが花だろうが。
「いいですか姫様、アース帝国との戦いが終わったとはいえ戦後復興はまだまだ半ばです。戦費の補填や国民への補償などなど問題は山積みなんです。他所様の応援をしている場合じゃないですよ!」
「ケチくさいことを言うでないわ。咎人は妾達にとっては恩人であり仲人のようなものじゃろ? 他所様など言うのは冷たくないかのう?」
「うっ……そ、それはそうなんですが、大蔵省に言ったって絶対同じ言葉が返ってきますってば!」
「むぅ……」
アルビオンの魔女及び邪神の軍勢の攻撃を受け、天獄界はかなりの被害を被っている。
人的損害は勿論、破壊された建物の再建やインフラの復旧、なんなら三守護神の復活などにも莫大なイデアが必要だった。
そのため黄金界や他の世界など、イデアを賄うのに協力してもらえそうなところには手当たり次第に声をかけており、ビステ公国にも何か物資を融通してもらえないかという旨の書状が届いたのだった。
フォルテは……いや、ビステ公国は咎人たちに大きな借りがある。その恩人たちから頼まれればなんとかしたいのは山々だが、クレスの言うことももっともだ。
咎人に支援を出して国民が飢えたり国が傾くのでは本末転倒。そんなことをしたら咎人たちのほうが申し訳なく思ってしまうことだろう。
「ところで物資とは言うたが具体的にどのような物が欲しいのじゃ? 木材やコンクリートが欲しいというわけでもあるまい」
「えっとですね……具体的には『単純に強力なエネルギー源になるもの』か『人間的に価値があるもの』だと良いとのことです。石油や石炭のようなものでもいいですし、封魔界で価値の高い宝石でもいいらしいですね。イデアというものに変換するので、実際の量と質はイコールにならないとかなんとか……」
「……ふむ? つまり大量に物を送っても実際には雀の涙ほどにしか足しにならんような物もある……と?」
「だとしたらますます難しいですよ。エネルギーは国内で使いますし、財政面に関しては言わずもがなです。咎人さんたちの助けになるようなものなんてそうそう―――」
「いや……一つだけ心当たりがある。しかも両者両得の上、一方的な施しにもならん。一石三鳥じゃな!」
クレスはニヤリと笑ったフォルテに思わず首を傾げる。
親衛隊として国の仕事は色々見てきたが、そんな都合のいい物などあったかと必死に思い出すものの心当たりはない。
「我がビステ公国はアース帝国との国境が近い故に目標とされていたわけじゃが、理由はそれだけではない。良質な魔石が採れる為、それを目当てに攻めていたと言っても過言ではなかろう」
「それは知ってますが、魔石は一番ダメなやつですよ!? 国の大きな財源じゃないですか!」
「普通ならば、な。しかし我が国には封印された第13遺跡坑道……通称デス・サーティーンがある」
ビステ公国にはあちこちに遺跡があり、そこから良質の魔石が採れる。それが小国であるビステ公国を経済的にも技術的にも豊かにした原動力である。
しかしその遺跡群の中にあって、どうしても手に負えず存在を秘匿された場所……それが第13遺跡坑道なのだ。
「その中には純度の高い魔石でできたゴーレムがおってな。全長は10メートルほど、巨神機とほぼ同じくらいじゃ。力は強く体は硬い。巨神機を運用できなかった時代ではどうにもならん相手であった」
「魔石のゴーレム……? なぜそんなものが……」
「知らん。遺跡の守護者にしては物騒すぎるというか過剰戦力な気もするし、他の遺跡にそんな物が居た例は一切ない。第13遺跡坑道だけが特別だと見るのが妥当であろうよ」
「しかし今は巨神機が使えますよね。トルピオン隊や、姫様のナインテイルだって……」
「それがのう……純度の高い魔石でできておるそやつは、僅かな魔力反応でも大爆発を起こすと見られておってな? そやつの欠片を持ち帰っての実験中、爆発事故を起こして死傷者が出たほどじゃ。欠片でそれということは、本体が爆発しようものなら……」
「遺跡ごとドカーン……ですか」
何故そんなゴーレムが作られたのか……過去にはそんな技術もあったのだろうか?
物理攻撃ならいくら叩いても斬っても爆発しないそうだが、そもそも頑強なので銃火器程度では表皮を多少削るのでやっと。
大火力の魔法攻撃をすれば辺り一面を巻き込んで大爆発し、遺跡は崩れて潜っていた者共々永遠に地の底に眠ることになるだろう。
だから放置した。不届き者が入らないよう、ごく一部の人間しか知らないように記録を抹消してまで。
それは巨神機が使えるようになった今でも変わらないようである。
「妾たちはゴーレムを排除してもらえて嬉しい。咎人は大量のイデアとなる素材が手に入って嬉しい。しかもきちんと仕事をこなした上での報酬となれば罪悪感も湧くまい?」
「……なるほど。それなら咎人の皆さんも頑張ってくれると思います。恩人をまた死地に送るようで心苦しくはありますが……」
「何、彼奴らなら見事こなしてくれよう……何せ救国の英雄たちであるからな。見事ゴーレムを討ち取った暁には、第13遺跡坑道の魔石を好きなだけ持ってゆくが良いと返信しておけい!」
「はい!」
天獄界復旧のためにイデアは喉から手が出るほど欲しい。そういう点で、純度の高い魔石の塊は願ったり叶ったりの素材と言える。
だから咎人は向かうのだろう。魔法を一切排除した、ガチガチのフィジカルバトルの待つ遺跡へと―――
成功条件
条件1 | 魔石ゴーレムを爆発させずに倒す |
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条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 魔石ゴーレムを爆発させず、遺跡への被害も抑えて倒す |
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条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
・封魔界アルビオンにある、ビステ公国領内の第13遺跡坑道という場所が舞台です。
・封印された坑道内に魔石でできたゴーレムが居るので、それを倒しイデアの素材とするのが目的です。
・魔石ゴーレムの全長は約10メートルで、巨神機とほぼ同じサイズです。
・魔石ゴーレムは魔法系の攻撃を一切行わず、硬さと強さだけで戦うフィジカルオバケです。
・魔石ゴーレムに僅かでも魔法系の攻撃を当てると大爆発を起こし木っ端微塵になります。ゴーレムが居るのは遺跡の地下深くなので、生き埋めになるのは必至です。
・基本的には巨神機に乗ってのバトルになると思われますが、単純な出力やパワーでは魔石ゴーレムに分があります。
・物理攻撃で削ってから何とかするか、爆発を超越したアイディアや搦手で解決するかは皆さん次第です。
・無事に制圧できれば純度の高い魔石が大量に手に入るので、イデアはかなり稼げそうです。ついでにビステ公国も助かってWIN-WINでしょう。
・戦場となる場所は広い空間で、巨神機やゴーレムが悠々と動けます。ただし暗い上に天井もあるので思ったより自由ではないということは念頭に入れましょう。
・ゴーレムが反応するのは攻撃・防御・回復問わず魔法系の術技や装備だけです。ナパーム弾の炎や発電所で作った電気などでは爆発しません。
・○科学 ×魔術 と覚えると良いかも?
マスターより
皆さんこんにちは。こんなこともあろうかと……と思っている西川一純です(何)
……これって黒の結(以下検閲)
天獄界がピンチになることを見越して、ビステ公国が上質の魔石の産地であると設定しておいたのさ!
……というのは冗談です。ただ昨今の情勢でシナリオに使えるなと思い、ビステ公国に白羽の矢を立てることになりました。
魔力に触れると爆発する圧倒的なエネルギー結晶のゴーレムを相手に、皆さんはどう解決策を見出すのでしょうか―――
関連NPC
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- フォルテ・ビーステッド(mz0138)
- 獣人種|女
参加キャラクター
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- 不破 雫(ma0276)
- 人間種|女
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- 氷雨 累(ma0467)
- 人間種|男
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- シアン(ma0076)
- 人間種|男
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- 星空 雪花(ma1479)
- 神魔種|女
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- 小山内・小鳥(ma0062)
- 獣人種|女
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- 天魔(ma0247)
- 神魔種|男
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- フィリア・フラテルニテ(ma0193)
- 神魔種|女
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- 金路(ma1384)
- 獣人種|男
- リプレイ公開中