オープニング
何だかいよいよ大詰めという空気漂う天獄界だが、JJ(じぇいじぇい)と呼ばれる青年咎人はまだ未調査の浮遊島へと足を運んでいた。
JJというのはあだ名みたいなもので、本名のジャスティ・ジャッジ(mz0144)の頭文字を取って『JJ』だ。名前がやけに正義感溢れているが、どこかのヒーローのように悪事やルール違反に遭遇しては力でもって正し罰を与えるとか、そういうことはしない。もちろん人並みの正義感は持ち合わせており、犯罪などを見つけた場合は常識的に対応する。
どちらかと言えば皆楽しく日々を過ごせればいいじゃない派の、基本お気楽で陽気な性格なのだ。
外見的には赤みがかった茶髪と陽に当たると金色に見える緑の瞳が特徴で、普段は頼まれればイベントの手伝いから異世界の資材集めまで、大抵のことは引き受ける『何でも屋』みたいなことをしている。
で、今回は咎人にとってはもはやお馴染みの、天獄界に数多ある浮遊島の調査をしに来たという訳だった。
イデアゲートを潜ってすぐ、その島に降り立ったJJは視線の先にある雨雲の下に雨が激しく降っているのを見た。
「うわ~、なんかすごい雨降ってんな……。音もすごいし」
辺りはじめじめした感じで、空も地面も草木も灰色の風景が広がっていて、雨音がもう『ドドドド』って感じだ。
「いくら世間が梅雨って言っても、やっぱじめじめしてるのは嫌だなぁ……。あ、傘持ってねー――けどまあいいや」
多少の雨は我慢しようと、JJは取りあえず雨が降っている方へと歩き出す。
そして近づいて行くうちに、降っているのが雨ではないことに気付いた。
「え、ナニコレ。雨じゃなく飴じゃん! ダジャレかよ!」
そう、辺りにはお菓子の飴、大阪で言う所の飴ちゃん、英語だとキャンディやドロップというものが空から大量に降っているのだ。
ちょっと雲の下に入ってみたら、飴の降る勢いのすごさに思わず声を上げてしまう。
「いたたたたた! 痛い痛い! なんこれ!!」
とか言っても飴が止む訳ではない。JJは堪らず一旦飴雲の下から離れた。
「いってぇなーもう~……」
回避値の方が上回っているのでダメージはないが、結構痛い。それに数がハンパない。
改めて降っている地面を見ると、地面には普通にフルーツ味の飴やサイダー味、コーヒー紅茶味、ミルク味、のど飴、棒付きの飴、なんなら綿あめやグミまで、それはもう大小様々な種類の飴や飴的なものがたくさん溜まっている。
「飴ばっかりだ……ある意味すっげぇな」
と何か知らんけどJJが感心していると、どこからかでっかいカタツムリとカエルが何匹も姿を現した。エネミーだ。
「うわ今度はカタツムリとカエルかよ! でっか! きも!」
カタツムリやカエル達は体長が1メートルほどある。それがわらわらとJJの方へ寄って来た。でかいとリアルさが際立って、キモさが勝つ。
「え~、なになに? あんまこっち来ないで欲しいんだけど……」
JJは何をされるのか分からないまま一応用心しつつ後ずさって……、仕方なく飴雲の下に入った。
「いたたたたた!!」
激しい飴にやられ、でも前方にはエネミーがいるのでさらに奥へ入った途端、片足がずぼ! と飴の中に沈む。
●タスケテ咎人ぉん!
「え、何!? 足が抜けない!」
実は積もった飴の下に泥沼があって、JJはそこに足を突っ込んでしまったのだ!
「うお、ヤベェ!」
抜こうとするが降って来る飴は痛いし、そうこうしているうちに迫って来たカエルとカタツムリも攻撃して来た。
カタツムリがのーんと首を伸ばすとハイ〇ュウ的なソフトキャンディが、カエルがあもっと口を開けるとキャラメルが飛んで来て、JJにしたたかにぶつけられる。
「いって! いッたいから!! ――って言ってんでしょうがぁ!」
キレかかりつつJJは銃で応戦、何体か倒すが片足が沼にハマった状態では上手く動けず、そうこうしているうちにもう一方の足も泥沼に入ってしまった。
「うそやーん! これアカンて、シャレにならんて!!」
などと騒いでもカタツムリやカエルが聞くはずもない。奴らはこれ幸いとキャラメルやソフトキャンディを飛ばしまくる。
「ちょま、お前ら待ってって! 今はマジでダメなヤツだから!!」
JJは反撃するどころではなく、攻撃や降って来る飴の激しさも相まって、むしろ動けば動くだけ体が泥の中へ沈んで行った。
「――え、これ詰んでね?」
膝まで足が埋まり状況を理解し始めたJJの顔から、さあっと血の気が引いていく。
「イヤイヤイヤ、マジでヤバイ、誰か助けてーーーっ!! そして痛い!!」
JJは慌ててゲート管理官に連絡、咎人達に助けを求めるのだった。
※このシナリオは時系列を気にせず楽しみましょう。
成功条件
条件1 | エネミーを全て倒す |
---|---|
条件2 | JJを助ける |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 色んな飴を楽しむ |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
※カタツムリやカエルのエネミーを全部倒して、泥沼にハマったJJを助けてあげてください。
〈エネミー×数十体 サイズ1 知能1〉
・体長1m程度の見た目はまんまカタツムリとカエル。リアル志向な外見。
・シールドあり、防御型。弱いので初心者でも2、3発でシールドブレイク、ライフも2、3発でなくなる感じです。
・カタツムリはソフトキャンディ、カエルはキャラメルを飛ばす以外してきません。攻撃力は低いのでほぼほぼダメージは食らいませんが、地味に痛いです。
・こいつらはなぜか雲の下に入って飴に中っても平気で、泥沼に沈んだりもしません。
〈この浮遊島について〉
・空気もしっとり、草木もしっとり、地面もしっとり、空も灰色、あちこち湿地帯のようなじめじめした島。
・雨雲のような雲の下に入ると、飴が降っている。雲は大きく、島の大部分はこの雲に覆われている。ちょっと奥に入ると泥沼で、ハマってしまったら自力で出ることは難しい。
・飴の数は多く降る勢いも強いため、中れば結構痛い。
・飴は色々な種類(OP本文参照)があるが、オレンジ味の飴はオレンジの形をしている高級フルーツ飴や、屋台でよくあるりんご飴やあんず飴、金魚や鳥、竜などの形をした飴細工などもあります。降る飴もエネミーの飛ばすソフトキャンディもキャラメルも、全て個包装になっているので衛生面は大丈夫としてください。見て楽しい食べて美味しいぞ!
・戦闘後にお好きなものをお好きなだけ取って食べていただいてOK。持ち帰りも可。
〈JJについて〉
・皆さんが到着した時は、すでに腰まで埋まっている状態です。戦闘後に助けるでも大丈夫です。
・あまりに飴が痛すぎて、心折れ気味。結構ぐったりしちゃってる。
・ちなみに、飴は薄くなるまで舐めて、キャラメルなどのソフトなやつは始めから噛んでしまう派。
マスターより
こんにちは、久遠由純です。
今回は毎度恒例の?JJがピンチだタスケテ咎人ぉん!なシナリオです。ピンチと言ってもシリアスじゃないので、お気楽に助けてやってください(笑)
ご褒美が飴でちょっと物足りないかなと思いつつも……色々種類は用意したので、参加してもらえたら嬉しいです。
戦闘は敵も弱く簡単なものなので、好きに戦ってみてください。泥沼には気を付けましょう。
私的にはのど飴大事。最近はハッカ味がしないのがあるので嬉しい。
余談でした。
よろしくお願いします。
関連NPC
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- ジャスティ・ジャッジ(mz0144)
- 人間種|男
参加キャラクター
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- 紅緒(ma0215)
- 剛力種|女
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- 藍紗(ma0229)
- 剛力種|女
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- ケイウス(ma0700)
- 神魔種|男
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- 紫明(ma1226)
- 剛力種|女
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- 吉兆(ma0987)
- 人間種|男
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- 魅朱(ma0599)
- 剛力種|女
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- シアン(ma0076)
- 人間種|男
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- 鈴(ma0771)
- 神魔種|女
- リプレイ公開中