ブルーバード・アゲイン
運営チーム
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シナリオ形態
大規模作戦
難易度
Hard
判定方法
エキスパート
参加制限
総合600以上
オプション
  • 危険
  • 召喚可
参加料金
0 SC無料
参加人数
1人~∞人
報酬
1,000 EXP
10,000 GOLD
5 FAVOR
相談期間
5日
プレイング締切
2024/06/27 10:30
リプレイ完成予定
2024/07/08
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
危険
このシナリオは難易度が高く設定されています。
戦闘により大きなダメージを受けてしまった場合、キャラクターの基本設定が忘却状態になることがあります。
基本設定が4つ全て忘却状態になると、キャラクター自身が死亡状態となり、ログイン及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
召喚可能
このシナリオでは召喚を行うことができます。
召喚を装備しているキャラクター全員が召喚可能です。

オープニング

「なあオイ、もっとクッキリ見えねぇのかよ!?」
「ふうん……この俺の心眼を以てしても、ボンヤリしているな」
 天獄界のプラネタリウムにて、映像を凝視するイスルギ (mz0089)と鮫島兆次 (mz0053)の姿があった。ついでにその間に挟まれてリーゼロッテ・ロス・テラス (mz0045)も固唾を呑んで見守っている。
 『混沌の海』という、生と死の可能性が共存する空間で生命体は活動できない。
 咎人や簒奪者のような『認識適合能力』を持っているイデア体でなければ突入できない以上、どれだけ参戦したい気持ちがあったとて、異世界人には手も足も出せなかった。
「悔しいものだな……こんな肝心な時に何もしてやれないとは……」
「ほんっと、イライラするわ~! きぃーっ! 私が突入できれば、バッタバッタと敵をなぎ倒して、理だかカタクリだかなんだか知らないけど、全部なぎ倒してやるのにぃ~!」
 メリッサ・A・イストリア (mz0136)の目は血走っている。本気で自分が突入すれば全員倒せると思っている顔だが、フェイト・A・ユーフォリア (mz0133)は苦笑を浮かべる。
「いえ、ついてこれなくてよかったって皆さん思ってますよきっと……」
「はあ!? どうしてよ!?」
「どうしてって……まあいいじゃないですか。それより、ちゃんと彼らの戦いを見守らなきゃだめですよ、メリッサ」
「共に戦場で戦うことは出来ずとも、この地から祈りを捧げることはできます。そして、わたくしたちの『想い』が、みなさんとの『想い出』が、彼らを肯定する一助となるのです」
 ゲルダ・イルミンスール (mz0050)の言う通りだ。
 混沌の海は認識適合能力があったとしても、きわめて不安定な場所だ。宇宙の中心というと聞こえはいいが、何もかもすべての可能性がごちゃ混ぜになった場所では『存在し続けること』自体が難しい。彼らが自分自身の存在を見失わないように、むしろ咎人ではなく、それぞれの世界に紐づいた人々の『眼』が必要なのだ。
「がんばれーっ! がんばれーっ! ……っく、私に出来ることは、ここで喉が裂けるまで叫び続けることしかないのか……! 私は何と無力なのだ……!」
 悔しさから拳を握り締めるオーウェン (mz0093)。その背後にダグラス (mz0110)が立つ。
「ふん……無様だな。結局お前に出来ることは遠くから見ていることだけだ。最終決戦に参加できないとは、かつてのお前の醜態と同じではないか」
「父上……」
「ただ見ていることしかできぬというのなら、せめてそれに全霊を注ぎなさい。戦いの助力が『死者』にしか務まらぬというのなら、それはワタシの出番だ」
 ダグラスは槍を手にイデアゲートの前に立ち、コルニ (mz0016)を見る。
「コルニよ。よもや咎人以外のイデア体は転送できないとは言うまいな」
「もちろん可能だが……手を貸してくれるのか?」
「手を貸すのではない。ワタシは自分の世界を守りに行くだけだ」
 本音を言えば……アラタという若者を止めに行きたいという想いもある。
 だが、彼は子供ではない。自らの意志で目指すべき道を歩み始めた戦士だ。そんな彼の覚悟に水を差す権利など、ダグラスにあるはずもなかった。しかしだからこそ、その結末を傍で見守りたいという想いはある。鏡神界を持続させたいというのも本当だ。
「私も行くわぁ」
 ダグラスに続き、前に出たのはエキドナとガグンラーズだ。
 邪神である二人はパンデモニウムの戦いから暫し姿を隠していたのだが……。
「我らの使命は今も変わらぬ。オルファ様の願いを叶えること……その為には『理』の力を押しとどめる者も必要となろう」
「まともに戦ったらシャットアウトが無限に湧いてきてどうにもならないだろうしね。露払いくらいはしてあげる」
「フフフ……色々あった間柄ではあるが、歓迎するよ。君たちが自分の役割に忠実であること、そしてオルファが『宇宙を救おうとしていたこと』は信用できるからね」
 鎖神貴一 (mz0051)の笑みに『フン』と鼻を鳴らし、エキドナはゲートに向かう。
「さあ、行くわよ! すべてはオルファ様の為に!」
「父上! ……咎人を……私の友達を、頼みます」
 息子がまっすぐに告げると、父は口端を上げながら返す。
「――不出来な生徒の尻ぬぐいは、私の仕事だよ」
「今更教師面するな、ダグラス」
「そうですよ父上! 父上は『元』教師でしょう!?」
「シャル……オーウェン……お前たち、少しは相手に花を持たせられんのか? 留守番しかできない分際で図々し……まったく、親の顔が見てみたい」
「お前だお前! ふざけるな!」「あなたですよ!? この顔お忘れですか!?」
「すいません、鏡神界組が騒がしくて……」
 シャルル (mz0092)とオーウェンがダグラスとヤイヤイすると、メロディア (mz0094)は恥ずかしそうに四方に頭を下げた。

 氷堂アラタ(mz0055)は、自分のことを知らなかった。
 元々無欲な方で、自己顕示欲のようなものもなかった。しかし、自己肯定感はいつも高かった。彼には平凡ではあるものの、とても穏やかな家族や友人がいたからだ。お互いを尊重し合える人間関係というものは、実のところ『平凡』ではなく、人によっては喉から手が出るほど欲しい『奇跡』だった。
 ナイトメア戦争に参加したのは彼にとって自然なことだった。別にEXISの適性がなかったとしても、技術者とか、一般兵とか、何らかの方法で戦争に関わったに違いない。彼にとって平和な世界はどうしても守らなければならないものだったし、何の努力もせず、リスクも侵さず、ただ誰かに与えられるのを待つようなものでもなかった。
 戦争に参加したのは、自分の意志だ。
 少し歳の離れた妹が高校に入学したことを知ったのは、戦場の真っただ中だった。
 戦いを楽しいと感じたことは一度たりともなかったが、自分が戦うことで妹や家族、ひいては大切な人たちを取り巻く環境が穏やかであるのなら、それだけで幸せだった。
 そのためだったら、たいていのことには耐えられた――でも。
(戦場に居れば、死ぬのは当たり前だ。『絶対に死なないヤツ』なんていない。死んでいった奴は、終わっていった奴は、みんな生き延びたかったに違いない)
 簒奪者として召喚された時。そのあとも含めて、アラタは無気力だった。
 自分の戦う理由である家族は、自分の世界と一緒に消滅しているわけで、じゃあ何のために戦えというのかわからなかった。しかし、真面目に戦うフリだけでもしなければ。無能な簒奪者は邪神により自我を奪われ、人形にされてしまう。
 今自分が自分でいられるのは、『記憶』があるからだ。
 家族も、友達も、仲間も……もう、記憶の中にしか存在しない。
 『記憶』こそ、彼が守るべき『世界』になった。
 簒奪者として認められ、仲間も増え、多くの世界で戦った。
 でもその間ずっと、アラタは自分を他人事に感じていた。彼にとっての世界は自分の記憶の中にしかない。それ以外の世界を滅ぼしていいなんて思わないけれど、亡霊にすぎない今の自分にどうにかできることなど高が知れていた。
 心は摩耗し、無味乾燥としていく。
 何も考えないし、何も感じていない――そう思っていた。
(でも俺は……本当は、何も納得なんてしていなかったんだ)
 自分の死も。自分の世界や家族の死も。
 終わった世界からひとりだけ蘇ったことも。簒奪者としての戦いも。
 どの世界で何をしていても、彼の中には『理不尽』に対する怒りが燃えていた。
 そう、『理不尽』。こんなのは、『理にかなわない』と。
 諦めたふりをして、わきまえたふりをして、ずっと怒りを燃やし続けた。ふつふつと、めらめらと、ぎらぎらと――熱くはなく。むしろ、凍てつくほどに冷たく。氷堂アラタの魂は、『冷徹』だ。冷たく、頑なに。燃え盛るのではなく、強固に。ただただ固く、ただただ強く――!
「――俺は、何も諦めちゃいなかった。何も赦しちゃいなかった。もう、誰かの為とか、理由もなくとか、そんな戦いはしない。俺は俺の為にすべてを奪う。奪い取って、壊してやる。俺は『簒奪者』だ。俺が、『混沌の獣』だ」
 凡庸だった彼は、ついに獣になり果てた。
 『痛みの書』と積み重ねた嵌合体(キメラ)としての存在は、今や宇宙にすら喰らいつく最悪の牙となった。もはや、決して侮れる相手ではない。
『おほほほほぉーーーーーーーっ!!!! 素晴らしい! 素晴らしいですよアラタさん! いやー、やっぱり最終的にはあなたが『成る』と思ってたんですよねぇ! いえいえ、少し違いますか。『あなたに成ってほしかった』のですよ。あなたこそ、この宇宙の『獣』に相応しい!』
 MCグランギニョール (mz0066)はもう単なる素材のひとつとなって、アラタに吞み込まれた。だが彼はそれで満足らしい。『自分が勝者になる』ことが彼の目的ではない。彼はただ、『めちゃくちゃ』にしたかったのだ。
「アラタ! 本当にこの宇宙を消すつもりなの?」
「理が俺に従うのなら話は別だがな。簒奪者は、『奪えないのなら破壊する』。お前たち咎人は、『簒奪者から特異点を守る』……これまでと何も変わらない。いつも通りの決着と行こう」
「そんなことして……なんの意味があるの?」
「意味……? そんなもの、ない。『意味』だの『理由』だのくだらないことを囀るな、咎人。俺はお前たちの敵だ。そして、俺は消えていった宇宙の叫びだ。俺の世界がもうないのに……俺の宇宙がもうないのに……俺の大切なものも、記憶も、何もかもなくなったのに。その『シード』を継承するこの宇宙のすべてが、俺を苛立たせる。『継承する』くらいなら、なぜ消した? なぜ一思いにすべて消し去らなかった!? こんなものは積み重ねじゃない! こんなものは『俺の世界』じゃない!」
 わかっていた。そんなことは重々承知していた。
 でも、納得はしていなかった。出来るはずもなかったのに、見て見ぬふりをした。
「俺は――この宇宙も、『理』も、何もかもが大嫌いだ」
『イエーーーーーーース! 言えたじゃないですか、アラタさん!!』
「黙ってよMC……お前、本当に最悪だよ。アラタは簒奪者でも、優しい人だったのに」
『ノンノンノンノン! 『優しい人だから』、でしょう? 善良で、真っすぐで、一生懸命で、ただただ努力を積み重ね、前に進み続ける……同じですよ、皆さんと! 私たちとあなた達はコインの表と裏! 表裏一体ィイイイイイイ~~~! そう! だから面白い! だから楽しい! どっちも同じはずなのに、こんなにも違ってみせる! それこそが『自由』! 『多様性』!!」
「違うっ!! お前が言っているのは自由じゃない……! 道が一つしかないって、それしか出来ないって選択肢を奪うのは、全然自由じゃない! 私はそんなの、絶対認めない!」
「認めないならどうする? 負けを認め、尻尾を巻いて逃げ出すか?」
「逃げないよ! ムカついたまま、悲しんだまま、氷堂アラタ……あなたを倒す!!」
 クルハ (mz0014)に出来ることなど、それくらいしかない。
 どうしても相反するもの。どうしても譲れないもの。『どちらかしか勝てない』というのなら、『どちらかが敗け』なければならない。オルファがそうだったように。ニエンテがそうだったように。選ばなければ進めないのなら、『罪』を背負うのが勝者の義務だ。
「おー、やってるやってる! いやあ、宇宙の終わりってのはいつも壮観だねぇ~!」
「トゥエルブは一味違うわね。こんなに邪魔が入る儀式は初めて見たわ」
 グロウス・イレヴン (mz0103)とシックス・ホワイトナイト。二人のハーベスターが姿を見せたのは『参戦』するためではなかった。眺めているだけの二人にエンブリオは首をかしげる。
「何をしに来たのだ、旧世代? 余の助力でもするつもりか?」
「そうしようかなと思ってたけど、要らないでしょ、私たちの力なんて」
「これまで見てきたハーベスターの中でも、お前さんは最強だからな!」
「……? では、何をしに……?」
「「 見物? 」」
 グロウスもシックスも、宇宙に何の想い入れも持たない。
 それでも彼らには彼らなりのものの考えがあり、感情がある。
 個人的な願いなど抱けるはずもないが――
「この戦いで理がどうなったとしても、ニエンテの事を覚えていたいんだ」
「宇宙の終わりを見届けて、次の宇宙の始まりも見届ける。それも旧世代型ハーベスターの任務でしょ? それとも、私たちが手伝った方がいいかしら? それならもちろん手を貸すけど」
「くだらない……そこで指をくわえて見物していろ、旧世代。余は旧き宇宙を終わらせ、新たな宇宙を創造するもの。真のハーベスターがどのようなものか見せてやる」
「いいね! さいっこうのファンサービスを頼むぜ、妹ちゃんよぉ!」
 収穫者(ハーベスター)に感情などない。世界への思い入れも、本来あり得ない。
 グロウスやシックスが自分の世界を終わらせた時、涙など流さなかった。ただ『そういうものだから』という理に従っていただけで、それ以上も以下もなかった。
 ならば、エンブリオが――今生のハーベスターが、こうも『人らしい』のは何故か?
 無感情でも、無意識でもない。
 システム・エンブリオは、自らの意志で『理』を遂行せんとしている。
「私は理の神。そして、すべての宇宙を進めるもの――」
 『何か』が、そうしなければと叫んでいる。
 それは『心』なのか。あるいは、誰かの『怨念』なのか。

 咎人も、簒奪者も、そして神も、今ここにあっては他の『道』などあり得ない。
 ただ己の想う道を。『願い』を貫き通すだけ。
 願いと願いを、ただ真っすぐにぶつけ合うだけ――!

成功条件

条件1『理の神』に勝利する
条件2『宇宙の特異点』の防衛
条件3-

大成功条件

条件1氷堂アラタの撃破
条件2よりよい結末を目指す
条件3-

選択肢

選択肢1エンブリオ討伐<危険> 現在の人数78
選択肢2「混沌の獣」討伐<危険> 現在の人数38
選択肢3シャットアウト対応<危険> 現在の人数57

解 説

それぞれの選択肢の詳細は特設ページにて解説しています。
参加は6月21日から6月27日までとなります。

●選択肢1.エンブリオ討伐<危険>
ラスボスだああああーーーーーー!!!!!
説明不要ッ!! まあでも一応説明するぜ!
クルハがロンギヌス使えば「勝ち確」なので、そういう意味での難易度は低いぜ。
なので、「まあなんとかなるやろ」は最低限としつつ、より良い結果を目指して努力するというのが主旨だな。
強いて言うなら、クルハが死ぬとロンギヌれなくなるので、死なないようにしてあげるといいと思います。
元々は残りのハーベスター、グロウスとシックスも一緒に参戦させようかと思ってたけど、あまりにも難易度がやばかったし、なんかあんまりあいつら戦う気なさそうだったんでこんな形に。

●選択肢2.「混沌の獣」討伐<危険>
ラスボスだぜいっ!!(2回目)
まあ実質ホントにラスボスその2だぜ。
一応「理」攻撃とか持ってるけど、どっちかっていうと世界武装以外で戦う方がいいって感じだな。
あちこち書いてるけど、コレ、「これまでのワールドラスボス戦」と同じで、「特異点を簒奪者が取りに来る」って話の踏襲なのね。
だからこいつはそういう意味でもこれまでの流れを汲んだボスってことになるぜ。
MCはパンチできなくなったから代わりにアラタをパンチして我慢してくれ。
ラタトスク参戦させようかと思ったけど難易度が(以下略)

●選択肢3.シャットアウト対応<危険>
さすがにいくらなんでもラスボスたちと比べるとだいぶ重要性も難易度も下がるが、「そういう位置づけ」の選択肢になるぜ。
ただ、やることはちょっと強めの雑魚というか、中ボスたちとのバトルなので、そこまで難しく考える必要はないぜ。
今回、緊急脱出ボタンあるから、やばかったら脱出すればOKだぜ。

というわけで、全体的に「神々の黄昏」よりシンプルにしてみたぜいっ!
今回はもうほんとに真向からのバトルでスッキリ完結っていう感じで。いかがでしょうか。

マスターより

ハイブリッドヘブンをお楽しみいただきありがとうございます。運営チームです。
当シナリオがハイブリッドヘブンメインストーリーの最終回となります。
エピローグ期間含めコンテンツ自体は継続しますが、戦闘的なシナリオにおける決戦となりますので、ぜひご参加ください。

参加キャラクター

リプレイ公開中

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