オープニング
●恐竜王国
天獄界エンブリオに出現する浮島は、何も人類が根付いた世界とは限らない。
滅びた世界の欠片であればどんな世界だろうと顕現しうる関係上、人類の痕跡が全く感じられない島の場合もあるわけだ。
例えば、恐竜が闊歩するような世界であることも―――
「はぁ……なんかアタシ、最近助けられてばっかりだなぁ……ダメだなぁ……」
トレジャーハンターのカグヤ・パロマージュは、行きつけの酒場のカウンター席で頬杖をつきながらボヤいていた。
ノイシュヴァンシュタイン城の時は調査隊と一緒だったので事故という言い訳もできるが、金が取れる島の時は完全に油断だった。
人がいっぱいいるなら大丈夫でしょなどという甘い考えで友人・知人に心配をかけてしまったので、申し訳ない限りである。
どうにか恩返しができないかと思案していると、友人の一人ヴェール・ウエフトが酒場に顔を出し声をかけてきた。
「アンタまだくさっとるん? 困った時はお互い様て言うやん」
「そうだけどぉ、流石に連続で助けられちゃうのは咎人としてどうよって感じしない?」
「まぁな……けどそんなんウチみたいに戦闘力に乏しいやつはしゃあないやん。カグヤかて強いわけやないんやし」
カグヤの腕前は非常に凡庸。強くもないし弱くもない。
ヴェールには発明品を生み出せる知力があるが、カグヤにはこれといった特技もない。
あるのは旺盛な好奇心だけ……そんなだから、いざ恩返しと思ってもいいアイディアが浮かばないのだ。
「よし、そんなら今日新しく出現したっちゅー浮島紹介したる。とれたてホカホカの情報やで」
「えっ、なになに?」
ヴェールによると、その浮島は噴火し続ける火山を含めた恐竜の王国だという。
ティラノサウルスやヴェロキラプトルなどの肉食恐竜が幅を利かせ、灼熱の地獄の中で生存競争が行われているらしい。
「えー、興味湧かなぁい。人間がいなかった世界ってことはお宝もないでしょ?」
「チッチッチ……甘いでカグヤ。ブラジルの黄色いお菓子くらい甘いわ。お宝っちゅーんは何も人間に関係するもんだけとは限らんで」
「なん……だと……」
「天獄界においても恐竜なんて滅多に出くわさん生き物やん? そして恐竜は卵生……つまり、恐竜のタマゴは喰ったら美味いんとちゃうかな!」
「な、なんだってー!?」
美味しいかどうかの保証はないが、滅多に手に入らない食材ではある。
一度手に入れてしまえばヴェールが量産体制を整えてくれるらしいので、安定供給もできるだろう。
珍しくて大きなタマゴでおもてなしというのも悪くはなさそうだが……。
「あの子とかあの人とか、知り合いに喫茶店やっとる人もおるやん? そういう人たちにもタマゴを提供できたら喜ばれると思わん?」
「うぅ……悔しいけどいいね、そのアイディア……。みんなで採りに行って共有するのも楽しそう……」
「みんなは珍しい食材が手に入ってハッピー。ウチは恐竜の研究ができてハッピー。Win-Winやろ?」
「ちゃっかりしてるぅ……」
確かに、アーティファクトのような考古学的価値のある物品でなくともお宝となり得るものは存在する。
恩返しと言いつつ協力を頼むことにはなってしまうが、一人で採りに行って喰われましたでは笑い話にもならない。
火山弾が飛び交いマグマ沸き立つ浮島でタマゴ探し……これもまた、天獄界特有の自由度の高さ―――
天獄界エンブリオに出現する浮島は、何も人類が根付いた世界とは限らない。
滅びた世界の欠片であればどんな世界だろうと顕現しうる関係上、人類の痕跡が全く感じられない島の場合もあるわけだ。
例えば、恐竜が闊歩するような世界であることも―――
「はぁ……なんかアタシ、最近助けられてばっかりだなぁ……ダメだなぁ……」
トレジャーハンターのカグヤ・パロマージュは、行きつけの酒場のカウンター席で頬杖をつきながらボヤいていた。
ノイシュヴァンシュタイン城の時は調査隊と一緒だったので事故という言い訳もできるが、金が取れる島の時は完全に油断だった。
人がいっぱいいるなら大丈夫でしょなどという甘い考えで友人・知人に心配をかけてしまったので、申し訳ない限りである。
どうにか恩返しができないかと思案していると、友人の一人ヴェール・ウエフトが酒場に顔を出し声をかけてきた。
「アンタまだくさっとるん? 困った時はお互い様て言うやん」
「そうだけどぉ、流石に連続で助けられちゃうのは咎人としてどうよって感じしない?」
「まぁな……けどそんなんウチみたいに戦闘力に乏しいやつはしゃあないやん。カグヤかて強いわけやないんやし」
カグヤの腕前は非常に凡庸。強くもないし弱くもない。
ヴェールには発明品を生み出せる知力があるが、カグヤにはこれといった特技もない。
あるのは旺盛な好奇心だけ……そんなだから、いざ恩返しと思ってもいいアイディアが浮かばないのだ。
「よし、そんなら今日新しく出現したっちゅー浮島紹介したる。とれたてホカホカの情報やで」
「えっ、なになに?」
ヴェールによると、その浮島は噴火し続ける火山を含めた恐竜の王国だという。
ティラノサウルスやヴェロキラプトルなどの肉食恐竜が幅を利かせ、灼熱の地獄の中で生存競争が行われているらしい。
「えー、興味湧かなぁい。人間がいなかった世界ってことはお宝もないでしょ?」
「チッチッチ……甘いでカグヤ。ブラジルの黄色いお菓子くらい甘いわ。お宝っちゅーんは何も人間に関係するもんだけとは限らんで」
「なん……だと……」
「天獄界においても恐竜なんて滅多に出くわさん生き物やん? そして恐竜は卵生……つまり、恐竜のタマゴは喰ったら美味いんとちゃうかな!」
「な、なんだってー!?」
美味しいかどうかの保証はないが、滅多に手に入らない食材ではある。
一度手に入れてしまえばヴェールが量産体制を整えてくれるらしいので、安定供給もできるだろう。
珍しくて大きなタマゴでおもてなしというのも悪くはなさそうだが……。
「あの子とかあの人とか、知り合いに喫茶店やっとる人もおるやん? そういう人たちにもタマゴを提供できたら喜ばれると思わん?」
「うぅ……悔しいけどいいね、そのアイディア……。みんなで採りに行って共有するのも楽しそう……」
「みんなは珍しい食材が手に入ってハッピー。ウチは恐竜の研究ができてハッピー。Win-Winやろ?」
「ちゃっかりしてるぅ……」
確かに、アーティファクトのような考古学的価値のある物品でなくともお宝となり得るものは存在する。
恩返しと言いつつ協力を頼むことにはなってしまうが、一人で採りに行って喰われましたでは笑い話にもならない。
火山弾が飛び交いマグマ沸き立つ浮島でタマゴ探し……これもまた、天獄界特有の自由度の高さ―――
成功条件
条件1 | 恐竜のタマゴ2個以上の納品 |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 恐竜のタマゴ4個以上の納品 |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
・天獄界エンブリオに出現した、恐竜が闊歩する浮島が舞台です。
・その浮島には多数の恐竜が生息しており、そのタマゴを2個以上持ち帰るのが目的です。
・生息している恐竜はティラノレックスなどの肉食竜に加え、トリケラトプスのような草食竜もいます。
・肉食竜はこちらを見つけ次第襲ってきますが、草食竜は例外を除きこちらから攻撃しない限り襲ってはきません。
・恐竜のタマゴは大人でも一抱えあるくらい巨大で重く、見た目の割に脆く落とすと割れてしまいます。運搬の際は気をつけましょう。
・恐竜を倒す必要性はありませんが、恐竜と戦いながらタマゴを運搬するのは難しいかも知れません。
・浮島には噴火中の火山があり、火山弾が降ってくることがあります。
・火山からはマグマが流れ天獄界の海に落ちていっています。浮島なのにどうしてどんどんマグマが湧いてくるのかは不明とのこと。
・ティラノサウルスクラスに噛まれると流石の咎人でも危険です。自分たちが食材にならないよう気をつけましょう。
マスターより
皆さんこんにちは。ザウルスって語尾は無いわと今でも思っている西川一純です(何)
人がいない世界でも調査する価値はあるよということで……。
浮島調査依頼の醍醐味である多様性、混沌具合を是非お楽しみください―――
関連NPC
-
- カグヤ・パロマージュ(mz0057)
- 人間種|女
参加キャラクター
-
- Maris N Rhyme(ma0619)
- 神魔種|女
-
- 小山内・小鳥(ma0062)
- 獣人種|女
-
- フィリア・フラテルニテ(ma0193)
- 神魔種|女
-
- 雪切・刀也(ma0506)
- 剛力種|男
-
- 不破 雫(ma0276)
- 人間種|女
-
- リスティス・オルュクトランサ(ma0088)
- 異能種|女
-
- 氷雨 累(ma0467)
- 人間種|男
-
- フリッツ・レーバ(ma0316)
- 剛力種|女
- リプレイ公開中