オープニング

●注意
　これは時系列があやふやな時期のお話となります。

●街『常昼日』のこれまで
　人幻界に『常昼日』という名の街がある。
　街の名は、この街で様々な訓練や活動を行ってきた咎人達より提案されたものだ。
　これまでヒー・リショナー(mz0073)は『煉獄』や神官達を介し、この街からの様々な依頼をもとに、咎人達がこの街で可能な限り自由な活動ができるよう動いていた。
　その中でヒーは街と交渉し、その荒れ地を一時的に管理する権利を確保した。
　その荒れ地を咎人達の訓練場所として一定期間借り受けたヒーは、訓練の一環としてはぐれミニオン退治や瓦礫の撤去を行おうと考え、天獄界にいる神官とも相談を重ね、咎人達に向け訓練を兼ねた依頼を斡旋し続けた。
　街の人々は咎人達に最大限の感謝を示し、いつ咎人達が再び街を訪れても歓迎する意向をヒーに伝える。
　そして依頼に応じた咎人達は様々な形で街を訪れ、訓練名目で街の問題を解決していく。
　ある程度街の状況が改善されたところで、街はヒーに対し今後街の人々が増えることを想定して街のある場所から北部と南部、そして西部に向け街の規模を拡大する方針を報せてきた。
　いずれの方面も荒れ地や廃墟が立ち並ぶ場所ばかりで復興する目途がつかず、周辺地域との話し合いの結果、この街が面倒を見ると決まったらしい。
　そうした経緯からこれまでヒー達天獄界との窓口を務めていた部署から、引き続き『訓練』をしてほしいとの要望が出ていた。
　荒れ地の大半ではぐれと思しきミニオン達が徘徊しており、力を持たない一般人では対処が難しいためだ。
　街からの要請に従い、咎人達は各方面で『訓練』を行った結果、南部と東部に続き北部でも瓦礫やミニオンは全て排除され、更地となった。
　北部が更地になった段階でヒーは『訓練』に参加していた咎人達から意見を募ったところ、咎人達の多くは訓練の継続を望んでいた。
　一方で訓練が再開発の邪魔になるのは避けたいという意見もあり、ヒーは街の人達や天獄界にいる神官との間で交渉を進めた。
　その結果、街の再開発は北と南、東方面で行い、手つかずの西部を新たな『訓練』場所とすることで話がまとまった。

●現在
　西部には工場や倉庫だった建造物が立ち並び、無人となった今は荒れるに任されている。
　ここにもはぐれと思しきミニオンがいるようだが、住民達からは『巨大な像が複数徘徊している』との目撃情報も寄せられている。
　街から話を聞いたヒーは現地で『調査』を行い、判明した像の正体を街に報告する。
「あれは『従魔』です」
　従魔というのは簒奪者ズロイ(mz0063)の手駒にあたる。
　これまでズロイは各世界で無機物や知性の低い生物を依代に従魔化し、手駒を増やしていた。
　どこかに放置されていた像がズロイの手で従魔化され、ばら撒かれた可能性が高いとヒーは街に説明していた。
　天獄界へ帰還後、神官に対しても報告を終えたヒーはある提案を行う。
「この際ですから生身での活動以外にも、召喚ユニットを用いての解体も可能とする、というのはいかがでしょうか？」
　召喚ユニットによっては持続時間の短いものもあるが、ヒーが実際交戦した限りでは像の従魔も弱く、今の咎人達なら問題ないと判断していた。
「現場となるのは近隣住民達が暮らす場所より大きく離れています」
　現場一帯は最終的に更地とするならどう動いても構わないと、ヒーは街から確約を取り付けていた。
　その後ヒーも含め、街と神官とのやり取りで決まった内容をもとに、咎人である貴方に依頼が斡旋された。
「一応名目としては訓練だが、それ以外の行動でも問題ない」
　ヒーは西部に行くことなく、これまで通りアーケード内で活動するのも大丈夫だと告げる。
　アーケード内外で店巡りや飲食を楽しむことをすれば、その地域にお金が落ちるので、街としてはメリットがある。
「そうしたい場合は言ってくれ。現地で使用できる金銭を用意しておく」
　そうしたお金や、荒れ地を訓練場として使用する際にかかる費用の出どころについては、ヒーも『企業秘密だ』とだけ言う。
　なおこの街には工房を構える職人が数名いる程度なので、高い技術力が必要となる品の製作を職人に強いる真似は控えるよう、ヒーは釘をさす。
「水路の掃除といった活動をしても、現地の人々は喜ぶだろう」
　水路を清掃する際には、鏡神界にある都市ドライマナにて実施した水路清掃作戦の様に、攻撃すれば汚れを除去できる試作アイテムを貸与するという。
「ドライマナの水路とこちらの水路では世界や状況も異なるが、一応こちらの世界で通用するように試作したようだ」
　そう言ってヒーが取り出したのは、ウォータータンクシューターの形状をした水鉄砲。
　試作の域を出ないものの、この世界でも水の汚れを除去できる効果が発揮できるよう調整を重ねたらしい。
「背中にこのウォータータンクを背負うことで、使用者のイデアを使い水のようなものが水鉄砲へと供給される。後は引き金を引いて汚れに命中させれば水路の汚れは除去できるぞ」
　汚れを除去することに特化した試作のため、攻撃能力は皆無らしい。
　使いどころとしては、これからこの街が拡大していく区域内の水路全てとなる。
　今回の訓練区域でも水路は清掃が行われておらず、『臭い。汚い。危険』の３拍子が揃う劣悪な環境のようだ。
「私からはどの訓練をやれと無理強いするつもりはない。できそうなものをやってくれればいい」
　そう言ってヒーは、貴方に選択をゆだねた。
　現地では咎人のご来訪をお待ちしています。

●まとめ
　やることの内容を５点にまとめるとこうなる。
　１。街の西部に残る廃墟や瓦礫を解体してほしい。
　２。慣らしや訓練も兼ねて、召喚ユニットを使っての解体や従魔退治もできるよ。
　３。街のアーケードで好きな時間を過ごしていいよ。
　４。店での買い物や食事とか、必要になるお金はこちらで用意するよ。
　５。水路掃除も引き続き受付中だよ。

●以下現地の簡易見取り図。全て無人の荒地扱い。
　↑北
　　ＡＢＣＤＥＦＧＨＩＪＫＬＭ
　１■荒工Ⅲ〇荒Ⅲ※工■工※Ⅲ
　２■工荒Ⅲ倉荒Ⅲ※工■※※Ⅲ
　３像＝像〇＝＝＝※＝＝＝＝＝
　４■倉倉Ⅲ荒工Ⅲ※〇■荒※Ⅲ→～街
　５■倉荒Ⅲ工工Ⅲ※※■※※Ⅲ
　６＝像＝像〇＝＝※＝＝＝＝＝
　７■〇〇Ⅲ倉倉Ⅲ工※■※荒Ⅲ
　８■工工Ⅲ■■Ⅲ水水水水水Ⅲ
　９■工工Ⅲ■ⅢⅢ倉※※倉倉Ⅲ

　＝とⅢ：道路
　工：元工場の廃墟で頑丈。はぐれミニオンが徘徊中。
　倉：元倉庫の廃墟。ミニオンあり。
　※：ミニオンと瓦礫が混在する荒地。
　像：像型従魔が複数徘徊する場所。瓦礫なし。
　■：汚泥が沈積する水路。
　水：清掃済みの水路。
　街：アーケード。現場からは遠い。ここで買い物や飲食、動物との触れ合いなど様々なことが楽しめる。
　荒：瓦礫あり。ミニオン及び従魔なし。
　〇：更地。安全確保済み。