オープニング

●黄金界の今
　黄金界はエネルギー豊かな世界であり、人々は不安もなく平和に暮らしている。
　あまりにも平和なため、刺激となるものが少ないのが欠点と言えるかもしれない。
　そんな黄金界で、通販会社オウゴンネットタカライ代表取締役、宝井正博(mz0149)は人工島を建設した。
　その名もリゾート人工島『クオンガシマ』。
　人工島のできた場所は景観の優れた場所だった。
　快晴の空に白く厚い雲が流れ、降り注ぐ陽光が眼下に広がる海へと降り注ぎ、海面を照らし続けている。
　浅い場所なら海中にいる生物を見通すことができる程、海水は透き通っていた。
　人工島を作った宝井は様々な依頼を介し、咎人達よりアイディアを募集すると、その中から実践可能なものを実現させるため奔走し、今回の舞台となるアクアリウムも建造され今に至る。
　当初このアクアリウムは本格的なものではなく、どちらかというと試験的な施設だった。
　そのため施設自体は無事完成したものの、展示用の生物を用意していなかったことで右往左往し、結局咎人達に依頼を出すことでなんとか魚たちを用意できた経緯がある。
　咎人達の尽力でこのアクアリウムが問題なく運営できたことに、施設の職員達は深く感謝していた。
　そして今回、アクアリウムを運営する職員達は、天獄界に向けてアクアリウムの清掃依頼を出してきた。
　その内容だが、施設の一部として確保した巨大なプライベートビーチを清掃してほしいという。
　海の部分も既に網で囲う形で十分な広さを確保したものの、施設職員だけでプライベートビーチの清掃を手早く行うのは難しく、今回咎人達への依頼に繋がった。
　依頼を出した施設職員達の話では、現在アクアリウムはこのプライベートビーチでアクアリウムが所有する海の生き物達と一緒に屋外ダイビングを行うという試みをするつもりだという。
　以前咎人達がアクアリウム水槽内の清掃に取り組んでいた時、同じ水槽にいた海の生き物たちにも優しく対応していた姿を見て、今回の屋外ダイビングを思いついたようだ。
　ただアクアリウム側も初めての試みとなるので、清掃作業を行いながらという形で現場の状況を咎人達に体験してもらい、お客を呼ぶ前に改善点を洗い出し、咎人達からもらいたい。
　咎人達から意見を参考にしながらプライベートビーチや屋外ダイビングの内容を調整するとのことだが――。
「できれば咎人の皆さんには思い出になるひと時を過ごしてもらいたく」
　施設側としては、咎人達に海中や砂浜で楽しい思い出を作ってくれればという願いもある。
　その内容を確認した神官は、ヒー・リショナー(mz0073)を現地に先行させ、依頼の詳細を詰めていく。
　一通り必要な情報が揃ったところで、神官より咎人達へ依頼が斡旋された。

●やること
　皆様はアクアリウムからの清掃依頼を引き受け、施設所有のプライベートビーチに来ました。
　施設の話では、プライベートビーチを設けてその中で『お客様も海の生き物たちと一緒に屋外ダイビング体験ができる！』という『試し』を行いたいので、テストも兼ねて咎人達にプライベートビーチ内の清掃を依頼した次第です。
　主な清掃内容ですが、以下の２点です。
　１つ目は海底（砂地）に残る漂流物の撤去です。
　数は多くないのですが、木材の破片やガラスの欠片などがプライベートビーチ内まで流れ着いているため、安全確保の面でもこまめな撤去が必要になります。
　２つ目は、プライベートビーチ内にいる海の生き物たちの食べ残しを回収することです。
　施設は毎日生き物たちへの餌やりを行っていますが、どうしても食べ残しは生じます。
　食べ残しを処理する生き物がいればいいのですが、プライベートビーチ内にそうした生き物はなく、海流も穏やかでその場に食べ残しが沈殿するのは好ましくない状態なので、可能な限り回収するのが望ましいです。
　いまプライベートビーチにいる海の生き物達ですが、エイっぽい生き物、トラフザメっぽい生き物、マナティーっぽい生き物が主で、以前にも咎人達が水槽の清掃を行う際に仲良くなった個体で、皆様咎人達のことを覚えています。
　皆様が近づいたら腕にまとわりついて撫でるよう催促したり、抱き着いてのしかかってきたりと、積極的にスピンシップを求めてきます。
　これ以外にも少数ですがイルカっぽい生き物もいます。こちらは新しくアクアリウムに加わりましたが、皆様には人懐っこい態度を示します。
　海の生き物達と触れ合いができるという部分も売りにしたいので、清掃作業に支障がなく手が空いた時にでも生き物たちと遊んでくだされば幸いです。
　各清掃に必要な衣類（水着含む）や器具は全て施設側で用意するため、皆様の方で何かを用意する必要はありませんが、皆様の方で水着をご用意できるなら装備して参加されるのもアリです。
　皆様にはスキル「夏衣の加護」の装備をお勧めしますが、装備していない状態でもヒーが８回分までなら夏衣の加護を付与できます。
　清掃終了後は自由時間になるので、思い思いの形で過ごして下さって構いません。
　プライベートビーチ内の海底には至る所に宝石の欠片が沈んでいるので、お土産として持ち帰ることも認められています。
　海で遊ぶ以外にも、砂浜で楽しむことができる要素は施設側で用意してくれます。
　砂浜には出店や仮設建築物が設営されていて、食べ物や飲み物は出店で受け取ることができます。
　食べ物ですが、主に海の幸を使った料理が主となり、シーフードカレーや海鮮焼きそば、エビやアジなどの天ぷら盛り合わせ丼などを楽しむことができます。
　こちらの食事や飲み物の料金は全て施設持ちのため無料です。
　仮設建築物内には休憩スペースと物販スペースが設けられていて、物販スペースには主にガラス製品が土産物として陳列されています。
　土産物については無料ではなく代金を支払う形となりますが、ヒーより報酬とは別の形で、皆様に土産物を購入できるだけの金銭を渡されるので、その範囲内で土産物の購入を行って下さい。
　これ以外にも、施設側は日が沈んでからのお楽しみとして携帯用の花火を提供するつもりなので、ある程度の花火は用意できます。
　それまでの間に施設職員達は海にいた生き物たちをプライベートビーチから普段暮らしている場所へ退避させるので、砂浜で大きな音や光を出しても大丈夫です。
　気が向かれましたら砂浜で思い思いに花火をして楽しむのもいいかもしれません。
　よろしければ皆様が護り抜いた世界の中で、ひと夏の思い出として楽しいひとときを過ごしてみませんか？