オープニング
果てがないかのように、雲海がどこまでも広がっている。
そこは三柱の神がおわす空間であり、咎人の暮らす大きな浮遊島がある天獄界だ。
本島の周囲には、神々が異世界からサルベージした様々な島が、それこそ数えきれないほど浮かび咎人達に探索されるのを待っている。
その数ある浮遊島のうちの一つ、そこは死せずして走馬灯が見られる島だという。
実際に体験した咎人達の反応は様々で、物思いに沈む者がいれば気分がふわふわする者もいたり、上機嫌の者もいたかと思えば怒りにも似た思いを新たにする者もいたり。
いわく、
「何か現地に着いたら、眠くなって寝ちゃったみたいなんだよね。それで夢見たんだ。結構はっきりした夢でさ、去年皆でやった鍋パーティの楽しかった時の夢だった。いい夢だったと思う!」
とか、
「いえ、エネミーの攻撃とかZOCとかではないと思います。というか起きた後もエネミー的なものには会いませんでしたし。でもあの島では全員が眠ってしまったようですね。ええ、私も夢らしきものを見ましたが……、あまり思い出したくない過去を思い出してしまいました……。それ以上は言いたくありません」
だったり、
「あー、俺も気付いたら寝てたな。夢っつーか、断片的な記憶の回想っつーか……。前世の子供の頃の、幼馴染みと海に行った時のこととか、こっち来てから、聖樹界での戦闘でヤバかった時のこととかがばーっと浮かんで来て……そう、アレだ。走馬灯? もしかしたらアレが死ぬ間際に見るっていう走馬灯なのかもしれない。ま、別に死んでないけどね(笑)」
などなど。
その島の話は次第に広まって、自分も走馬灯を見てみたいと思う咎人が自ら足を運ぶようになったのだった。
●花畑と川
そこは何故か霞が掛かったようなぼんやりした風景で、足元には花がびっしり咲いている。
浮遊島の中には四季折々の花が季節関係なく咲き乱れている花畑の島もあり、そこに似ているような感じだが、この島に咲いている花は一種類だけのようだ。
濡れたように艶々と、淡い虹色に輝く花。それがどこまでもずっと、この島の地面を覆っている。
花を踏みつけてしまうのを躊躇いながらも、道らしきものがないので仕方なく花畑の中を進んで行くと、やがて花畑を横切る川に行き当たるだろう。
流れはかなり緩やかで、花畑をあちらとこちらに分断している。
橋と言えるような物は左右どちらを向いても見当たらない。といっても川幅は3メートル程度、そこまで深くもなさそうなので、あちらへ行こうと思えば飛び越すなりなんなりして行ける。
川の水は澄み切っており、川底の小石が良く見えた。生き物らしきものは何もいない。
遠くは靄でかすみ、あるのは花と川だけ。
さらさらと聞こえる川の流れる優しい水音と、向こう岸の花がぼんやり光って見えるのがとても幻想的で――、ほとんどの者はこう思うだろう。
ここはまるでこの世とあの世の境目、三途の川のようだ。
と。
そう思った途端、訪れた者は皆眠りに襲われる。
抗い難い眠気に力なくその場に倒れ伏し――、必ず夢を見ることになる。
忘れかけていた過去の過ちか、それとも咎人として過ごした思い出か。
それは自分の心次第だ――。
成功条件
| 条件1 | 疑似走馬灯を体験する |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
大成功条件
| 条件1 | ガッツリ走馬灯を疑似体験する |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
選択肢
| 選択肢1 | 走馬灯1 | 現在の人数 | 2 |
|---|---|---|---|
| 選択肢2 | 走馬灯2 | 現在の人数 | 1 |
| 選択肢3 | 走馬灯3 | 現在の人数 | 1 |
| 選択肢4 | 走馬灯4 | 現在の人数 | 0 |
解 説
※疑似走馬灯を体験しよう
・あなたが死ぬ間際にはどんな走馬灯を見るでしょうか?
天獄界であったこと、楽しかった出来事や後悔していること、前世での記憶など、ご自由に書いてください。というノベル風のシナリオです。
もちろん疑似体験ですので死にはしません、ご安心を。
・ご自分の心情などが多めに書いてあると、よりノベルっぽくなります。
・NPCはJJでしたら一緒に何かしたとかいう思い出を作ってくださっても構いません。
※注意すること
・他キャラクターの名前は(JJ以外)書けません。誰かと絡んでいる内容の場合、その人は「彼」や「彼女」、「あの人」等の三人称になります。
・他MSさんのシナリオ内容に依存したプレイングはご遠慮ください(参照の必要がなく、ちらっと島の名前が出るだけとか、○○なことがあったと言うだけならOK)。私のシナリオでしたら問題ありません。
・内容によってはこちらで多少のアレンジをする場合があります。
・シナリオの性質上アドリブを入れにくいため、プレイングが少ないとリプレイ描写量も少なくなります。
※選択肢は単にリプレイがお一人ずつ別ページで表示される、というだけのものです。皆さんでバラけて違う選択肢に入ってもらえればオッケーです。シナリオの性質上、友達だからとか何らかの理由で複数人が同じ選択肢に入ったとしても、章を分けて一人ずつの描写となります。
上記をご了承ください。
マスターより
こんにちは、久遠由純です。
今回でこの走馬灯シナリオは最終回となります。
メインストーリーも終了し天獄界も落ち着き、己の身の振り方を決めた咎人も多いであろう今、あなたが見る走馬灯はどんなものになるでしょうか――?
咎人として活動して来たこれまでのことを思い出として整理したりするのにいいシナリオかもしれませんね。
最後の走馬灯も楽しんでもらえればと思います。
よろしくお願いします。
参加キャラクター
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