オープニング
●今回予告
流刑街には個人経営のお店がごまんとある。そこに売られた珍品はあれよあれよと売れちゃうんだ。
と、そこまでは良いんだけどたまに困ったことになるんだよねぇ。
間違えて売っちゃったら大変で、あちこち転売されるわ変な人に買われたら意固地になられるわで拗れちゃうこと~……。
その上行方不明になったら努力はパァ。けどどうしても取り戻したいって気持ちは応援したいね!
今回『売価の彼方に』でまた会おう♪
●売買
多種多様な異世界文化が混ざり合い、ハイブリッドな世界を構築しているのが天獄界エンブリオである。
そうなると物珍しい珍品も市場に出回りまくるわけで、そういった商品を売り買いする個人商店というのも少なくない。
単純に武器防具を扱う店や食べ物屋などは概ね無害だが、よく言えばアンティーク、悪く言えばガラクタを扱うような店ではたまーにトラブルが起こってしまう。
「指輪を買い戻す手伝い……?」
「はい……あれは私が生前に夫から貰った大事なものなんです。きちんと仕舞っておいたのですが、大掃除をした時に紛れてしまったらしくて……」
自称トレジャーハンターのカグヤ・パロマージュに相談を持ちかけたのは、ケーラ・トルトという女性咎人。
見た目は30後半から40代くらい。ピンク色の長髪が特徴的な、少し幸が薄そうな美人さんである。
邪神勢力との戦いが終わり大規模な戦いの数も減ると思われている昨今、一念発起して装備や道具の整頓を行おうという咎人もちらほらいるようで、ケーラもその一人ということなのだろう。
使わなくなったものや異世界で入手した物品などは自宅に溜め続けると大変なことになる。そういう意味でも片付けは重要だ。
カグヤはごちゃごちゃした物置になっている自宅の一室を思い出し、思わず目を逸らす。
「あちこちのお店に不要物を売っていったのですが、その中の一つに指輪とそれが入った小箱も一緒に売ってしまったみたいなんです。あれだけはどうしても失くすわけには行かなくて……どうか一緒に探して欲しいんです!」
「その、売ったお店の人たちはなんて?」
「『買い取ったら後はこっちの自由』『よく確認しないのが悪い』『そんな物は紛れていなかった』などなど、どこのお店も知らぬ存ぜぬの一点張りで……」
「うわ……間違ったことは言ってないけど酷くない……? 自宅にまだあるっていう可能性は?」
「ありません。何度も何度も探しましたが、一向に出てこないので……」
咎人にとっては、指輪など殆どの場合大した価値を持たない。
いや、強大な魔力を秘めているとかよっぽど珍しい宝石を使っているとかならともかく、中古の婚約指輪を欲しがるような者はそうそう居ないはずなのだが。
それとも、ケーラが知らないだけでその指輪には何か秘密があったのだろうか……?
「噂ではあっちこっちのお店に転売されて、価格も凄いことになってしまったとかなんとか……。結局誰が手に入れたのか私だけでは分からず、顔の広いカグヤさんならお力になってくれるのでは、と。お願いします、厚かましいお願いだとは分かっていますが……どうか指輪を見つけていただけませんか? 買い戻すためならお金はきちんと作りますから……」
「う……ん……。頑張ってはみるけど、絶対とは言えないよ?」
「構いません。どうか、どうか。あれが亡き夫との最後の繋がりなんです……」
正直、カグヤは参ったなと思っている。カグヤは浮島調査にはそこそこ自信があるが、失せ物探し物は専門外だ。
それでもケーラのために何かしてあげたいのは確か。こうなったら友人知人にも頼る他ない。
「ところで、その指輪ってどんな見た目なの? よっぽど珍しいデザインとか?」
「いえ? どこにでもある、ドラゴンを象った平凡な指輪です。左右の目にルビーとサファイアを使っているのが多少珍しいくらいで」
「……婚約指輪が……ドラゴン……?」
「はい。奇をてらわないデザインが好きなんです。夫があれを差し出しながら『結婚してくれ』と言ってくれた時はそれはもう嬉しくて嬉しくて……」
「そ、そっか。うん、いい話だね……」
修学旅行のお土産で売ってるキーホルダーかな……? などと失礼なことを思いつつ、カグヤはケーラの頼みを了承する。
世界が違えば常識が違う。アクセサリーの流行や好みも違ってくる。
とはいえ、自分がゴリゴリの龍を象った婚約指輪を贈られたとしたら、ちょっと微妙な気分になるだろうなと思うカグヤであった―――
流刑街には個人経営のお店がごまんとある。そこに売られた珍品はあれよあれよと売れちゃうんだ。
と、そこまでは良いんだけどたまに困ったことになるんだよねぇ。
間違えて売っちゃったら大変で、あちこち転売されるわ変な人に買われたら意固地になられるわで拗れちゃうこと~……。
その上行方不明になったら努力はパァ。けどどうしても取り戻したいって気持ちは応援したいね!
今回『売価の彼方に』でまた会おう♪
●売買
多種多様な異世界文化が混ざり合い、ハイブリッドな世界を構築しているのが天獄界エンブリオである。
そうなると物珍しい珍品も市場に出回りまくるわけで、そういった商品を売り買いする個人商店というのも少なくない。
単純に武器防具を扱う店や食べ物屋などは概ね無害だが、よく言えばアンティーク、悪く言えばガラクタを扱うような店ではたまーにトラブルが起こってしまう。
「指輪を買い戻す手伝い……?」
「はい……あれは私が生前に夫から貰った大事なものなんです。きちんと仕舞っておいたのですが、大掃除をした時に紛れてしまったらしくて……」
自称トレジャーハンターのカグヤ・パロマージュに相談を持ちかけたのは、ケーラ・トルトという女性咎人。
見た目は30後半から40代くらい。ピンク色の長髪が特徴的な、少し幸が薄そうな美人さんである。
邪神勢力との戦いが終わり大規模な戦いの数も減ると思われている昨今、一念発起して装備や道具の整頓を行おうという咎人もちらほらいるようで、ケーラもその一人ということなのだろう。
使わなくなったものや異世界で入手した物品などは自宅に溜め続けると大変なことになる。そういう意味でも片付けは重要だ。
カグヤはごちゃごちゃした物置になっている自宅の一室を思い出し、思わず目を逸らす。
「あちこちのお店に不要物を売っていったのですが、その中の一つに指輪とそれが入った小箱も一緒に売ってしまったみたいなんです。あれだけはどうしても失くすわけには行かなくて……どうか一緒に探して欲しいんです!」
「その、売ったお店の人たちはなんて?」
「『買い取ったら後はこっちの自由』『よく確認しないのが悪い』『そんな物は紛れていなかった』などなど、どこのお店も知らぬ存ぜぬの一点張りで……」
「うわ……間違ったことは言ってないけど酷くない……? 自宅にまだあるっていう可能性は?」
「ありません。何度も何度も探しましたが、一向に出てこないので……」
咎人にとっては、指輪など殆どの場合大した価値を持たない。
いや、強大な魔力を秘めているとかよっぽど珍しい宝石を使っているとかならともかく、中古の婚約指輪を欲しがるような者はそうそう居ないはずなのだが。
それとも、ケーラが知らないだけでその指輪には何か秘密があったのだろうか……?
「噂ではあっちこっちのお店に転売されて、価格も凄いことになってしまったとかなんとか……。結局誰が手に入れたのか私だけでは分からず、顔の広いカグヤさんならお力になってくれるのでは、と。お願いします、厚かましいお願いだとは分かっていますが……どうか指輪を見つけていただけませんか? 買い戻すためならお金はきちんと作りますから……」
「う……ん……。頑張ってはみるけど、絶対とは言えないよ?」
「構いません。どうか、どうか。あれが亡き夫との最後の繋がりなんです……」
正直、カグヤは参ったなと思っている。カグヤは浮島調査にはそこそこ自信があるが、失せ物探し物は専門外だ。
それでもケーラのために何かしてあげたいのは確か。こうなったら友人知人にも頼る他ない。
「ところで、その指輪ってどんな見た目なの? よっぽど珍しいデザインとか?」
「いえ? どこにでもある、ドラゴンを象った平凡な指輪です。左右の目にルビーとサファイアを使っているのが多少珍しいくらいで」
「……婚約指輪が……ドラゴン……?」
「はい。奇をてらわないデザインが好きなんです。夫があれを差し出しながら『結婚してくれ』と言ってくれた時はそれはもう嬉しくて嬉しくて……」
「そ、そっか。うん、いい話だね……」
修学旅行のお土産で売ってるキーホルダーかな……? などと失礼なことを思いつつ、カグヤはケーラの頼みを了承する。
世界が違えば常識が違う。アクセサリーの流行や好みも違ってくる。
とはいえ、自分がゴリゴリの龍を象った婚約指輪を贈られたとしたら、ちょっと微妙な気分になるだろうなと思うカグヤであった―――
成功条件
条件1 | ケーラの指輪の現在地を特定する |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | ケーラの指輪を取り戻し、ケーラに返す |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
・天獄界エンブリオにある流刑街が舞台です。
・ケーラという咎人が間違って大事な指輪を売ってしまったため、その在り処を特定するのが目的です。
・ケーラが物を売った店は3店舗。仮にA・B・Cと呼称しますが、そのどこに売ってしまったのかケーラは分からず、また買った店の方もすべて知らぬ存ぜぬを決め込んでいます。
・今回のシナリオでは戦闘は発生せず、エネミーも登場しません。
・指輪が現在どこにあるかを突き止められればシナリオ成功、取り戻してケーラに返すことができれば大成功です。
・ケーラは買い戻すための資金を準備しており、お金で解決できる状態であるなら不足しません。
・今回のシナリオで重要になるのは調査力と交渉力です。指輪を買い取った個人店のオーナーが何故シラを切るのか、どこにどういう経緯で流れていったのかなどを追う力が必要になります。
・最終的に誰が持っているか突き止められた場合、その人物との交渉が最後の難関となるでしょう。
マスターより
皆さんこんにちは。おみくじの『失せ物 見つかる』で見つかった試しがない西川一純です(何)
大事なものを仕舞ったまではいいものの、仕舞ったことを忘れて行方不明になったなんてことはありませんか?
へそくりくらいなら残念で済むかも知れませんが、思い出の詰まった婚約指輪となればそうも行かないでしょう。
皆さんは中古市場に流れた指輪を追い、その謎に迫ることができるでしょうか―――?
関連NPC
-
- カグヤ・パロマージュ(mz0152)
- 人間種|女
参加キャラクター
-
- 不破 雫(ma0276)
- 人間種|女
-
- 氷雨 累(ma0467)
- 人間種|男
-
- 小山内・小鳥(ma0062)
- 獣人種|女
-
- リダ・クルツ(ma1076)
- 人間種|男
-
- フィリア・フラテルニテ(ma0193)
- 神魔種|女
-
- 不破 十六夜(ma1291)
- 人間種|女
-
- ラファル・A・Y(ma0513)
- 機械種|女
- プレイング締切間近
- 2024/11/03 10:30