女神官、オーフェリア・ウィノグラッド
柏木雄馬
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シナリオ形態
ショート
難易度
Very Hard
判定方法
エキスパート
参加制限
総合1500以上
オプション
  • EX
参加料金
150 SC
参加人数
4人~10人
優先抽選
50 SC
報酬
500 EXP
10,000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
4日
抽選締切
2024/11/28 10:30
プレイング締切
2024/12/02 10:30
リプレイ完成予定
2024/12/11
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
EXシナリオ
このシナリオはEXシナリオに設定されています。
参加料金が加算されていますが、リプレイの文字数が下限、上限共に2倍となります。

オープニング

「これより、我々は流刑街の味方と合流を目指して移動する。訓練場砦は放棄する」
 地上に墜ちたはぐれワーム『タロス』を生身で撃破し、仲間たちと共に帰還した女神官さん── 彼らを歓声で出迎えた訓練生たちに対し、彼女は開口一番、不機嫌そうな表情でそのように宣告をした。
 誰一人欠ける事無く生き延び、勝利の興奮に酔っていた訓練生たちは、それを聞いてキョトンとした顔をする。
「……え? このまま砦に立て籠もって戦うんじゃないんですか?」
「今倒した連中も敵の大群の一部に過ぎん。そして、その一部を相手にしただけで砦はもうボロボロだ。次は持ち堪えられん」
「そんな……」
 生き延びたばかりの訓練生たちは、また敵との遭遇に怯えながら戦場を抜けるのか、とその顔をひきつらせた。……このままここにひっそりと隠れている訳にはいかないのだろうか。あれだけの数の敵を撃破したのだ。もう来ないということもあるのでは……?
「なるほど、そういう幸運もあるかもしれんな。だが、私はお前たちに、幸運などと言う不確かなものに自身の命運を委ねるような、そんな教育はしてこなかったつもりだが?」
「リアお姉さまの言う通りです。もし私が敵なら、『咎人たちがこれだけの抵抗を示した場所、何かあるのか』と倍の戦力を送り込みますね」
 もう一人の神官、クラリッサがそう続けると、訓練生たちは諦めて指示に従うことにした。
 その瞬間、女神官さんの教育的指導が飛んだ。
「選択をする時には思考を止めるな。諦めて流されるな。容易く希望的観測に縋るな。選択は覚悟を決めて行え」
 ……そうすれば、皆さんのように生き延びられるますか? 生徒の問いに女神官さんは頭を振った。
「知らん。死ぬときは死ぬ。幸運も不運も共に事故みたいなもんだ。端から計算に入れられるもんじゃねえ」

 女神官さんを初めとする教官たちに率いられ、訓練生たちは一路流刑街を目指して歩き出した。
 訓練場を離れ、二列縦隊で森の間の道を行き、幹道を南へ折れて流刑街へのルートに乗る。赤イ月を通じて天獄界に侵入した敵が赤く染まった夜空を飛び交い、迎撃に上がった咎人たちとそこかしこで空中戦を繰り広げ。遠く地上の各所でも戦場の光が絶えることなく明滅し、爆音が遠雷の如く響き寄る……
(どうやら戦場は離れていっているようだ)
 僕──角無し剛力種の少年クルト──は、遠く離れた戦場を見渡し、警戒しながら考えた。だが、すぐにそれは甘い考えであったことを知る。
「警戒。後方4時から5時方向」
 女神官さんと共に最後衛で周辺の警戒監視に当たっていたクラリッサさんからの通信術式。訓練生たちを含む咎人たちが一斉にその場にしゃがみ込んで、見張り以外の警戒の視線をそちらへ向ける。
 その視線の先に、空中戦を繰り広げながらこちらへ流れて来る彼我のワームとナイトギア。両機の決着はここからずっと離れた所で、今まさにつかんとしていた。
 敵レーザーをギリギリ躱してワームに組みつくナイトメア。そのまま絡み合うように地面へ落着した両機が大地を砕き滑りつつ……相手に馬乗りになって、敵の胸部に何度も何度も銃剣を突き立てたナイトギアがワームの沈黙を確認した後、ゆっくりと立ち上がる。
 その推移を固唾を飲んで見守っていた訓練生たちが、勝利した味方へやんややんやと喝采を送り、気づいたナイトギアがまだ無事な右腕をこちらへ向けて振り……直後、その右肘から先が突如千切れ飛ぶ。
 呆気にとられる訓練生たち。その間もナイトギアは落ちた銃剣を左手で空中に掴み取って、戦闘態勢を取る、ものの。彼(或いは彼女)の機体は、横から、背後から、正面から、次々と見えざる何かに切り刻まれて、前後左右によろめきながら各部を欠損していき…… やがて膝関節を破壊されてグラリと地面へ傾き倒れたところへ、操縦席を一撃で貫通されて沈黙する。
「……なんだ、今のは……?」
「透明な、敵……?」
 その光景を、訓練生たちは声もなく見守り続けた。何が起きていたのかまるで分からなかったと言っていい。
 だが、女神官さんとクラリッサさんには別の何かが見えていたようだ。つまり、敵は透明ではなかった。ただただ速かっただけだった。
「……見たか、クラリッサ」
「はい……あれは人でした。生身の人間があれをやった……」
 即ち、生身でタロスをやった自分たちと、少なくとも同格以上の敵── 女神官さんはすぐに訓練生たちへ、通信術式でこの場から離脱するよう指示を出す。
 その間、クラリッサは敵の正体を確認しようと双眼鏡を取り出してそちらへ向けて……レンズ越しに相手を収めた瞬間。その敵がこちらと『目を合わせた』のを見て、全身の毛を逆立たせた。
「クラリッサ、私とお前で殿軍をするぞ……クラリッサ?」
「訓練生全員、脇目も振らずに流刑街まで逃げなさい! 教官クラスは全員こちらへ!」
 そのクラリッサの慌てぶりに「おいおいどうした」と茶化そうとした女神官さんは、しかしながら、クラリッサさんの見たことも無い『余裕のない表情』を見て、思わず言葉を失った。
「……そこまでの敵か」
「はい。あの簒奪者には心当たりがあります。100年以上、簒奪者として生き残って来た熟練の強敵です」
「なら二人掛かりだな。クルトや他の者たちは退避させて、訓練生に同行させてもいいんじゃないか?」
「いえ、足りません」
 クラリッサが珍しく女神官さんの見立てを否定した。
「あの簒奪者の通称は『ハンニバル』。かつて数多の世界で幾人もの『英雄』を殺し、『蒼空を舞う輪舞の七剣』を崩壊へと導いた……人の形をした化け物です」
「それって……」
 クラリッサさんの話を聞いて愕然としたのは、僕の方。当の女神官さんは『忘却』のせいで全然ピンと来ていない。
「……つまり、クラリッサに因縁のある敵だな。なら主戦はクラリッサに譲ろう。なに、私の見立てでは、私よりもお前の方が強い。私が現役を引退して神官となった後も、十年単位で戦い続けてきたんだ。むしろ当然……」
「いえ」
 クラリッサは頭を振った。
 女神官さんの言っている事は本当だった。クラリッサの実力は既に女神官さんを凌駕している。お姉さまと彼女を慕うクラリッサ自身には認め難いことだったが。
 だが、クラリッサの否定はそっちの意味ではなかった。
「いえ、あの敵はリアお姉さまが討つべき敵です」
 クラリッサは言う。曰く、あの敵は『七剣』のアルベルトさんを一騎打ちと称して呼び出しておきながら、多数に取り囲ませて討ち取った。曰く、奴は『七剣』のソフィアさんを人質に取り、彼女の兄のブルックさんと恋人のドラゴさんを呼び出して殺し合いをさせ、約束通り人質を解放した後、生き残った方を自身で殺した。心を壊されたソフィアさんはそのまま実戦には出られなくなり、消失するその時まで人格が戻る事は無かった。

(『マスターより』へ)

成功条件

条件1簒奪者『ハンニバル』の撃退
条件2NPC3人のフル参戦
条件3-

大成功条件

条件1簒奪者『ハンニバル』の撃破
条件2成功条件達成の上で、NPC3人全員の生存
条件3-

解 説


(『OP続き』ダイジェスト版)

 クラリッサ「奴は『七剣』を抜けたメンバーも執拗に探し出して全員殺害。リアお姉さまこそが討ち果たすべき敵」
 でも忘却のリアさんはピンと来ず。ただ夏の精霊流しでクラリッサの様子見て、思い出せずとも

 簒奪者『ハンニバル』登場。『七剣』最後のリアに執着
 リア「……知らん。お前のことなどまるで覚えてない」
 愚弄されたとお怒りの簒奪者。
 女神官さん、切っ先向け宣言
「私は名もなき一神官……いや、アンナ(中略)オーフェリア。ただの一咎人として、簒奪者、お前を倒す」




●解説

※このシナリオの時系列は、大規模作戦『神々の黄昏(1)』辺り以下略


1.状況
 OP本文参照。PCは、女神官さん、クラリッサさん、クルトらと行動中
 簒奪者『ハンニバル』に対処を


2.戦場
 平地。地形の凹凸や幹道脇に広がる森などは利用可


3.センチュリー(世紀)級簒奪者『ハンニバル』
 全長3mに近い巨躯の人型。かつてとある異世界で邪神勢力を率いた将
 正統派剣士としての戦い方(半裸筋肉で大剣クラスを片手で振り回したり、全金属製の投げ槍投げたり、殴っただけで相手の全身がバラバラになったり)の他、虚実入り乱れるスキルを使って戦う

 1歩退くだけで前方の横3マスの咎人が誘引され、左右から見えざる貫通多段攻撃を喰らわせたり
 3歩退くことで前方3×3範囲の咎人を誘引+全周から見えざる多段攻撃を喰らわせたり
 前方貫通攻撃+突破移動後、反転。背後から幅3マス貫通多段(以下略)
 攻撃範囲の中で最も防御・回避の高い咎人を狙ったはずの攻撃が、なぜか範囲内で防御・回避が最も低い者へと当たったり
 なぜか相手を回復させた分だけ自分も回復したり

 実体剣による攻撃はリロード2の一撃必殺系。当たった時点で『シールド』ごとライフが全損する運命操作系の即死攻撃。ただし、神威で対処した場合はただの高威力攻撃になる


4.味方
 (『マスターより』へ)

マスターより

(『解説』から)

4.味方

リア
 聖剣と白銀全身鎧の本気装備+クルトプレ眼鏡(リア「あ……」)
 オーバーキル時点で消滅が確定

クラリッサ
 聖槌と白銀胴当て+盾+籠手+脛当て
 リア最優先

クルト(血術師)構成例
(耐久重視)F『静の構え』→F『悪鬼羅刹』+C『鋼の意思』による生き残り+M『屍山血河』+S何か
(攻撃特化)F『動の構え』→F『悪鬼羅刹』+S『幻影刃』+S何か→M『廻天蒼嵐斬り』+C『ブレイクドレッド』+C『阿修羅舞』
(通常)F『鬼気森然』1/2クリティカル+C『阿修羅舞』+S『金剛力』+ M『連撃』+C『鋼の意思』
(終盤)F『死活の陣』5R→F『動の構え』→S『幻影刃』→M『咬斬』かM『血風』

参加キャラクター

  • アナルデール・ウンディーニma0116
    人間種|女
  • ラファル・A・Yma0513
    機械種|女
  • 氷雨 累ma0467
    人間種|男
  • フィリア・フラテルニテma0193
    神魔種|女
  • 川澄 静ma0164
    精霊種|女
  • 小山内・小鳥ma0062
    獣人種|女
  • 麻生 遊夜ma0279
    機械種|男
  • 紅雨ma1464
    異能種|男
  • 透夜ma0306
    機械種|男
  • 鈴鳴 響ma0317
    神魔種|女
リプレイ公開中

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