憂鬱の柊木佳南と、『常夜』の中の三つ巴
柏木雄馬
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シナリオ形態
ショート
難易度
Hard
判定方法
エキスパート
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100SC
参加人数
4人~8人
優先抽選
50SC
報酬
200 EXP
5000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
4日
抽選締切
2021/07/17 10:30
プレイング締切
2021/07/21 10:30
リプレイ完成予定
2021/08/03
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ

オープニング

 普通、超能力者は一般人を連れて『常夜』の外には出られない── 『煉獄』の仲間からそう聞かされた柊木佳南は、ピシッとその身を硬直させると「……へ?」と間抜けな声を漏らした。
「……で、できませんでしたっけ?」
「できない、できない。それが出来てたら、俺たち、とっくに東京中の人間を外へと逃がせているだろ」
 ……えーっと、私、普通にこれまで何家族か連れ出しちゃったんですけど。いえ、東京中の人間、とかそんな大それたことはできませんけども。一時に外へ出せるのはせいぜい数人──しかも、かつて『常夜』展張時にそれを繰り返し行った時には、倒れて死にかけたわけですけども。
「……」
 仲間たちとの会話から「どうやらそれが常識」と察した佳南は、咄嗟に誤魔化す事にした。
「あはははは、勿論冗談に決まっているじゃないですか。あ、物資搬送の報告をしなくちゃいけないので、私はこれで」
 そのままさりげなくその場を離れ……通路の角を曲がった所で、ブワッと汗を噴き出させる。
(え? うそでしょ……? できない? 皆、『できない』の……? だったら私のしてきた……できてしまっていた事って、いったい……何やだ怖い。怖いんだけど……!)
 とりあえず、佳南はその事実を黙っておくことにした。とにかく今は落ち着いて考える時間が必要だ。
(……アレ? 何人かにはもうその事実を話しちゃっていたような……口止めとか頼んどいた方がいいのかな、コレ……)

 そんなこんなで悩んでいる間も、『煉獄』物資運搬班の通常業務はやって来る。
 それは『煉獄』と咎人が『SGP』に捕らえられた『常夜』の住人の救助(グランドシナリオ「スプリーム・ゴッド・プロジェクト」)を行う前のこと。この日も佳南は各種物資を各地の避難所へ運搬する為、『常夜』の東京を歩いていた。
 この時、佳南は一人きり。護衛の咎人たちは、進路前方にて発見したミニオンを排除するべく先行し、戦闘状態に入っていた。戦う力を持たない佳南は近くの携帯電話販売所のシャッターを抉じ開け、物資と共に中に隠れて待機している。
 ふと時間が出来てしまって考えたのは、自身の「意図せぬ方の『能力』」について。もし、今後、『常夜』に残る理由を無くした人が、或いは耐え切れなくなくなった人らが、自分の噂を聞きつけて脱出を頼んで来たら、どうするか…… それはそんな頻繁に起こる事でもないのだが、自身が『普通ではない』と知れてしまうと、呪縛の様に思考に絡みついた。
(いらないよ、こんな『特別』なんて……だったら『普通に』戦える力が欲しかった……)
 ここ数日で何十度目かの溜め息を吐きながら。いつの間にか、外に聞こえていた銃声や爆発音が止んでいて、佳南はどっこいしょと腰を上げると、シャッターを開けて外を窺った。
(……動くもの、無し。音も……無し。それじゃあ、皆と合流しましょうか……)
 佳南は自身の超能力で補給物資のケース群を自身の周囲へフワフワと浮遊させると、再び移動を開始した。
 ……先述の理由により、佳南の思考は散漫としていた。端的に言ってしまえば、常よりも『上の空』だった。二つの直線道路が斜めに交わった鋭角的な交差点──そこへ普段よりも無造作に進入してしまった佳南は。すぐ脇の道路から交差点に侵入して来た『その一団』とばったり出くわしてしまったのだった。
 それは互いにとって、あまりに典型的な『不意の遭遇』だった。佳南は味方と合流すべく移動中で、そして、相手は咎人たちの戦いの喧噪を聞きつけて、急ぎ確認に向かう途中だった。彼らの任務は超能力者の確保であり、『常夜』内部での戦闘は即ち、そこに超能力者がいるということで。結果、彼らの意識は自然、前方の戦場へと集中し……そして、予想外の至近距離で佳南と遭遇する羽目になった。
 不意の遭遇に驚き、目を丸くして互いを凝視する1人と8人。佳南の脳裏にまるで走馬灯のように思考が走る。
(人間、フォーマンセルが二組八人、いずれも黒いヘルメットにボディアーマー、自動小銃で武装──警官? 或いは軍人さん? 白人、黒人、ヒスパニック系にアジア系──ああ、私が銃とかに詳しければ、どこの国の人とか分かるんだけど)
「Freeze!」
 その銃口が、一斉に佳南に向けられた。大して、佳南は身構えたまま、身じろぎ一つしなかった。……佳南の能力は念動系。合計1トンほどの非生物を動かすことが出来る。ただし、動かせる個別重量は段ボール一箱ほどで、しかも速度は時速20km程。しかも対象が非生物でもミニオンの様に動いている物体には効果を発揮することは出来ず……即ち、戦闘、殊に攻撃には全く向かない。
(まずいですね……)
 佳南はとりあえず、会話で時間を稼ぐことにした。彼女の能力に戦闘能力はまるで無いが、周囲にこう大量の物品が浮かんでいる光景は何というか……とてもボス感というか、無駄に強そうには見える。
「貴方たちは何者ですか? この『常夜』に何をしに来たのですか」
 佳南が問うと、一行のリーダーと思しきアジア系が流暢な日本語で答えた。
「我々はこの『常夜』に超能力者の身柄を確保しに来た。そして……」
 リーダーが佳南の周囲に浮いた荷物を指差し、告げる。
「……君は超能力者だ」
 指摘するリーダーの後ろで、黒人系が隣りのガタイの良い白人に英語で囁いた。
「探す手間が省けた。幸先が良いな、俺たちは」
「ああ、運が良い。どうせ拘束をするなら、野郎よりも女の方がずっと良い」
 その粘着質な視線でこちらを見返す金髪の男の言動に、佳南がたどたどしい英語で言ってやる。
「……それ以上、近づかないように、と警告させてもらいます。私の念動力は銃よりも早いですよ?」
「ブラフは無駄だ。君の能力に戦闘能力が無いことは承知している」
 リーダーが再び流暢な日本語で返して来た。はったりを見破られて、佳南は驚いた。
「我々は『常夜』を越えて来た。つまりは君と同様、超能力者というわけだ」
「……!」
 まずいまずいまずいまずい……! 佳南は心中で汗を流した。そして、思わず脳裏に浮かぶ『もう一つの能力』について──
 リーダーが軽く眉根をひそめた。だが、直後、周囲を見張る部下の声に思考の停止を余儀なくされた。
「こちらに接近する人影あり。武装している。距離──」
 兵士たちはすぐにそちらへ展開し、迎撃の態勢を整えた。どうやらよく訓練された精鋭ではあるらしい。佳南との遭遇には思わずびっくりしていたが。
 こちらへ向かって来る者たちは、佳南の予想通り咎人たちだった。だが、来たのは彼らだけでなく、その背後には平べったい蜘蛛の様な形をした、四本脚の大型装甲ミニオンが──
「F*ck!」
 吐き捨てる金髪。リーダーが部下たちに英語で急ぎ指示を飛ばす。
「ボブ! 至急、ESPで応援要請を! チャック! お前はすぐに彼女を拘束しろ。完了次第、離脱する!」

成功条件

条件1柊木佳南を連れての戦場離脱
条件2-
条件3-

大成功条件

条件1『平蜘蛛』の撃破。及びSGP分隊の撃退(敵増援到着まで)
条件2-
条件3-

解 説

※このシナリオは時系列的に、グランドシナリオ「スプリーム・ゴッド・プロジェクト」の前か、その序盤辺りの出来事となります。


1.状況
(『マスターより』へ)


2.戦場
 二本の四車線道路道路が斜めに交わった鋭角的な交差点
 PC初期配置(路上)から、佳南とSGPの戦闘員たちがいる交差点まで200m(40sq)
 『平蜘蛛』は後方50m(10sq)。PCより優速。間も無く銃器射程内


3.敵
a.SGPの戦闘要員×8(4人ずつ、2組)
 武装は共通。自動小銃、銃剣(未装着)、手榴弾、ヘルメットにボディアーマー。対戦車誘導弾(1本のみ)。『シールド』有り
 精鋭のためか、その戦闘能力は咎人にも匹敵する
 咎人及び超能力者に対する殺意はない(条件による)

 リーダー(アジア系)、ボブ(アフリカ系)、チャック(ヨーロッパ系)、カルロ(ヒスパニック系)、他四人
 誰がどの超能力を有しているかは不明

感応系:他者の思考を読む。戦闘にも応用可能。条件・対象・範囲・効果・時間・回数など諸々不明
感応系:所謂、通信術式。諸々不明
念動系:念動力による四本の触手を生み出し、扱う。諸々不明
念動系:ファイアスターター(発火能力者)。○○による○○しも
強化系:肉体強化能力。中には自己強化の他にバフ・デバフを与える者も


b.大型装甲ミニオン『平蜘蛛』×1
 平らな蜘蛛の様な外見の四脚型大型装甲ミニオン。強敵。規模としては装甲車両に準ずる。サイズ2。重装甲(『シールド』有り)
 多脚型だが、足の裏のボール(車輪ではない)によって高い機動性を誇る。制動および歩行はブレーキと複数のクローによって行う
 咎人および超能力者に対する攻撃に容赦は無い

武装
 本体左右側前部より生えた二本のアームに内臓された散弾銃(扇型範囲攻撃)とグレネード(範囲攻撃)。上部回転砲塔の35mm機関砲(高威力)
 スキルとして対戦車誘導弾(炎。起爆後扇型範囲攻撃。弾数=使用回数)

マスターより

(『解説』から)

1.状況
 PCは佳南の護衛として行動していた咎人の一人となります。『平蜘蛛』として戻って来たら(逃げて、もとい、一時後退して来たのでも、わざと引き連れて来たのでも構いません)、OP本文の様な状況で──


●マスターより
 というわけで、今回の柊木佳南ものは、咎人、ミニオン、SGPの三つ巴。時系列的には、「シナリオ『『柊木佳南 『常夜』の葬列』の後」、「グランドシナリオ「スプリーム・ゴッド・プロジェクト」の前か、その序盤辺りの出来事。『既に一部の『常夜』の住人が確保され』ている最中、『煉獄と咎人がこの救助を行う』前の段階」となります。
 なので、まだミニオンが殺意マシマシ。対応を願います

参加キャラクター

  • 高柳 京四郎ma0078
    人間種|男
  • 卜部 紫亞ma0107
    人間種|女
  • 小山内・小鳥ma0062
    獣人種|女
  • クラリス・ド・ラプラードma0056
    獣人種|女
  • 氷雨 累ma0467
    人間種|男
  • アナルデール・ウンディーニma0116
    人間種|女
  • 透夜ma0306
    機械種|男
  • 氷雨 絃也ma0452
    人間種|男
リプレイ公開中

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