オープニング

●訓示
「ヤロウども、覚悟キメてるかーっ！？」
　通路の10メートル先にあるボスフロア、その開け放された扉をにらみつけ、ティア・ペリペ(mz0001)が声音を張り上げた。
　あのフロアにあるものは、蛇型オーピメントゴーレム“黄蛇”。
　それを討伐すべく、20名の咎人チームが今、この場に集結しているのだ。……なかなかな感じで通路に押し詰まっているので、見た目的に今ひとつなのは置いておいて。
　ちなみに石猿戦よりも少人数なのは、フロア内での展開の自由を考慮した結果である。戦闘は単純な火力よりも仕掛けのバリエーションが肝要となるから。
「今回もタンク、ダメージディーラー、ヒーラーで役割分担してくけど、タンクは２枚でスイッチしながらやってくぞ。でもじたばたされたらスイッチする前にぶっ壊されるかもだから、ダメージディーラーもできるだけタゲ取りに行ってくれよ！　ヒーラーはダメージコントロールと支援攻撃よろ！」
　かくてティアは背に担いでいたブーメランを右手に取り、前へと突き出して、
「こないだの偵察戦で結構いろいろわかってるからな！　でも奥の手とかあるかもだし、気をつけてぶっ込むんだぞつげきーっ！」
「だぞ！」の語尾と「突撃ーっ！」の語頭を重ね、彼女は全速力で駆け出した。
　こうなることを予測していた咎人たちはあわてることなく後に続き、そして鎌首をもたげる黄蛇と対峙するのである。

●起動
　石黄の体奥に仕込まれた感知機構が侵入者の体温を捉え、音なき警報でゴーレムを揺り起こした。
　休止モード時はすべての機能がスリープ状態となるため、先に忍び込んできた一群との戦いはつい先ほどのことであるように思える。いや、知性なきゴーレムが“思う”ことはありえない。ただ、記録を参照しただけのことだ。
　それにしてもわずか数日で、しかも数を増やして攻め込んできたとは。先の小戦はこちらの戦力を計りに来たものと判断される。
　導き出した推論を圧縮して送信し、黄蛇は鎌首を高く持ち上げた。
　マニュアルに記された通りの緊急共有は済ませた。同時に実行したセルフチェックも結果はオールグリーン。後は最優先事項である侵入者の殲滅を行うだけだ。
　遠隔操作で扉を閉ざしてロックし、周囲に散った20の反応をターゲティング。ずるりと前へ進み出る。

成功条件

条件1	オーピメント（石黄）ゴーレムを退治する
条件2	-
条件3	-

大成功条件

条件1	他PC、NPCとの連携を意識したプレイングを為して勝利する
条件2	-
条件3	-

解　説

●依頼
20名の咎人部隊の一員となり、三つの役割のいずれか（後述参照）を担って黄蛇を倒してください。

●役割区分
★どの役割を担うかプレイングに記載してください。
・タンク＝敵の攻めを止め、他の仲間を守ることを主とします。今回２列構成なので、１列目につくか２列目につくかも表記してください。
・ダメージディーラー＝攻撃に集中し、敵を攻めます。タンクと連動してのタゲ取り（敵の意識を引きつける）も重要課題です。
・ヒーラー＝回復に加え、後衛として部隊の各種支援をします。戦列の崩れが予想されるため、攻撃参加と支援の兼ね合いを考えてください。

●黄蛇（全長20メートル・胴回り２メートル／ただしサイズ３として扱う）
以下のことが判明しています。
・１ラウンド２回行動。
・知性に関連するBSは受けない。
・攻撃は基本的に咎人単体ではなくスクエアが対象。
・弱点属性は土と思われる。
〈攻撃〉
・噛みつき＝ダメージと毒BSを与える（射程３）。
・毒ブレス＝口から毒を噴射する（射程15）。黄蛇のすぐ前にあるスクエアは幅１スクエア、２スクエアめからは幅３スクエアに拡大。
・頭突き＝防御の成否問わず、咎人に１スクエアのノックバックを課す（射程３／回避成功で免れられる）。
・プレス＝咎人を下敷きにする（射程２）。
・薙ぎ払い＝尾による薙ぎ払い。黄蛇を中心に範囲３スクエアが対象。防御の成否問わず１スクエアのノックバックを咎人に課す（回避成功で免れられる）。
・毒気＝胴部から薄い毒ガスを散布（射程10）。
・異音＝尾を振って異様な音をたて、すべての咎人が次に行う攻撃命中率を半減させる（抵抗可）。
・大暴れ＝体を激しくくねらせ、周囲５スクエアへ強打を与える。

●フロアギミック
フロアの床には２メートル四方の穴がランダムで開き、不定期に閉鎖される。落とし穴ではないようだが……

●備考
PCのポジションの偏りはチームのモブNPCが穴埋めします。