オープニング
そして、そこに鎮座していた蛇のゴーレムが倒されて後、再び咎人らの前に現れたのは新たなフロアである。今までいた場所と違い、ここは特殊な岩で出来ているらしい。
しかし、行く先行く先では今まで通りのダンジョンの仕組みが待っている訳で……。
「うそ、だろ……」
扉を開けて、中に入った咎人の一人がその部屋に嫌な汗をかく。
その内装には見覚えがあった。城のロビーを思わせるようなゴージャスな空間。地面にはビロードの絨毯が敷かれ、壁には高そうな絵画が飾られている。そして、更に目を惹くのは部屋の中央にある鳥籠と円卓だ。
「もしかしてここって」
「よく来たな、お前らラ。ここはメイQ様のお部屋オヘヤ。ここを通りたければ、謎を解けトケ」
見覚えのあるメカオウムにファイターの咎人から血の気が引く。
「お、おい、大丈夫か?」
一人が彼を心配し尋ねたが、彼はそれどころではないらしい。なにせ彼はこのメカオウムに別の部屋で会い、二度もお仕置きされているのだ。
「終わった……俺はここでまた半殺しにされるんだ」
彼はそう呟き、がくりとその場に崩れる。
「いいか、制限時間は15分だダ。そしてチャレンジ回数は2回だけだぞゾ」
自分の事をハテちゃんと呼ぶオウムがそう説明する。
そうして、早速問題を出題すべくハテちゃんが壁にあったボタンを押すと、正面の絵画が外れその下から問題文が現れた。それと同時に机には七つのカップと天秤も出現している。
「うわぁ~……またあれだよ」
机に並んだカップにファイターが言う。そのカップにも彼は見覚えがあった。なぜなら、上の階でも同じようなものを見ているのだ。但し、今回のカップにはそれぞれに太陽、炎、浮島、雫、金貨、双葉、星のデザインのみ。中にはそれぞれに色のついた宝石が入っているだけだ。
「おや、宝石の数は違うみたいですね……ん、底に文字?」
カップを手に取っていた一人が、底の文字に気付いて宝石をテーブルに置き確認する。どうやらそこには角ばった文字で、そのカップの名称が表記されているらしい。
「でも待って、じゃあこれは何?」
そう言うのは別の咎人。机に浮き出た数字と天秤に興味津々である。
ちなみに机に出現した数字は部屋の周囲にある扉に記載されている数字と連動しているようだった。入ってきた扉を起点に入り口の扉から時計回りに3、9、2、10、4、7、8、12、空白、11、5、6の順に並んでいる。ちなみに空白になっている扉にノブはなく、その代わりに小さなトグルスイッチが五つ並び、どれもニュートラル(つまりレバーが中央に止まっている)の状態に設定されている。
「おい、これは?」
トグルスイッチのついた扉だけ周りと違う雰囲気があって、挑戦者の一人がハテちゃんに尋ねる。
「それはハテちゃんからのオマケだダ。メイQ様の答えが現した数字の別の見方をすれば判るわかる。ちなみにスイッチは一度しか動かせないからやるなら心してかかれカカレ」
ハテちゃんはそう言い、表情豊かに笑ってみせる。
「成程ですね。とりあえずは本題を解かないと」
「後不自然なところと言えばこれだな」
部屋を囲むように設置されている十二枚の扉に振られた数字。それは何故だかデジタル表記で統一されていた。それに加えて、各扉の横にはレバーの様なものが設置され、扉の中心には窓の様なものまである。
「うーん、怪しいものばかりだね」
部屋全体を見終えたパーティーが一旦中央に戻って思案する。
ちなみに問題文は以下の通りだ。
『人の発明した究極のデザイン物と言えばやはり文字ではないだろうか。
私はその文字に今回謎を潜ませた。まずは闇に埋もれし、文字に注目せよ。
小さな自然が隠れている事に気付けたなら、それらの共通点を探したまえ。
そして、その共通点に当てはまるように宝石を全て天秤に乗せ操作せよ。
同じものは共存しない。すると世界は傾いて、扉の数字が右に転んだ。
さて、諸君。転んでも条件に沿うものはいるだろうか。
沿うもの達の扉のレバーを若い順に下ろせ。さすれば答えの扉に導かん
但し、慌てるな。正解の扉は光の示す先ではなく光が作り現した番号の場所だ』
「んー、最後のひっかけもあるみたいだけど…まずはそこまで行く手順が大変だよぉ」
今回のパーティーは要領がよく部屋の調査に関してはスムーズだった。
しかし、肝心の謎解きの部分は全くと言っていい程、進まない。
「終了シュウリョー! 残念ながらお前らポンコツーポンコツー。よってハテちゃんがしめるシメルー」
ぎらりと目が光ったかと思うと、ハテちゃんは翼を広げ……。
「はぁ~~、もう嫌だ。このメイQダンジョン……」
早々に脱落していたファイターが再びボロボロの姿で帰還する。
「た、確かに、これは……トラウマ、だわ……」
「「み、右に、同じ……」」
今回これを初体験した仲間達もハテちゃんのお仕置きに、かなりの傷を負ったようだ。
さてはてあなたにこの謎解けますか?
ーー
【プレイングについての補足事項】
解答プレについてはパートごとに分担して頂いて構いません
今回でしたら、4パート位でしょうか?
但し、各パートに不安な部分があれば
別解答を誰かがサポート的に入れておくといいかもです
前回書き忘れていましたが、相談卓も拝見しておきますので
相談風景はその辺の流れも汲まれると思って頂ければと思います
なお、エレガントな解答とは参加者様のプレを総合し
仕掛けた謎を完璧に解説しているプレイングの事を指します
【ハテちゃんのオマケについて】
こちらの解答については任意です
但し、スイッチは一度しか動かす事が出来ませんので
もし動かすのであれば、皆の総意で決める事をおススメします
なお、成功条件の謎解きにこちらのスイッチの正解の有無は含みません
成功条件
条件1 | この部屋の謎を解き、正解の扉から脱出する事 |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | この部屋の謎をエレガントに解き明かし、正解の扉から脱出する事 |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
どこかで見たような、でもなんか違う謎解き部屋が再び出現しました
今回の謎は一捻り必要です カップと、天秤、そしてレバー
推測する部分も今回は含んでおりますが、そこまで見抜ければ大成功です
●問題文
人の発明した究極のデザイン物と言えばやはり文字ではないだろうか
私はその文字に今回謎を潜ませた。まずは「闇に埋もれ」し、「文字に注目」せよ
小さな自然が隠れている事に気付けたなら、それらの「共通点」を探したまえ
そして、その共通点に当てはまるように「宝石を全て天秤に乗せ操作」せよ
「同じものは共存しない」 すると「世界は傾いて扉の数字が右に転んだ」
さて、諸君。転んでも条件に沿うものはあるだろうか
沿うもの達の扉のレバーを若い順に下ろせ。さすれば光が答えを導かん
但し、慌てるな。正解の扉は光の示す先ではなく光が作り現した番号の場所だ
●部屋の概要
部屋の周囲には時計の文字盤の様に
12枚の扉が均等に並んでおり、入ってきた扉には3のデジタル数字が
そこから時計回りに9、2、10、4、7、8、12、空白、11、5、6と数字が割り振られている
各扉の傍にはレバーがあり、今は全て上がっている
中央には天板に周囲の扉と同じ数字が割り振られた円卓があり、
その上には宝石入りの7つの盃と天秤が出現している
●先発隊の情報と豆ヒント
・七つの盃の名称と宝石の数は以下の通り
底には角ばった文字、つまりゴシック体で
盃の名称(太陽とか星とか)が書かれている
太陽の盃と星の盃には1個ずつの宝石が
炎の盃には3個、浮島の盃には2個、雫の盃には6個、
金貨の盃には5個、双葉の盃には4個の宝石が其々入っている
「小さな自然とは? 同じものもあるようだが一度書いてみよう」
・天秤の謎
「小さな自然の共通点は意味ではない。見るべき場所はメイQが言っている」
・扉の数字
「デジタル数字ってのが気にかかる。転ぶとどうなる?」
・最後の謎
「想像力と大きな視点が必要です」
マスターより
水を得た魚のように……懲りずにまた作ってしまいました
すみません完全に調子に乗っておる左右対称ネームの奈華里です
前回の参加者様が案外あっさり解いてしまったので、少し難しく、なっているのか?
ここでMSからの一言ヒント
「今回の謎は頭で解くより実際に「かいてみる」と判りやすいかもしれません」
それでは、今回も咎人達がエレガントに解いてしまうのか?
はたまた初のわちゃわちゃになるのか…気軽いご参加お待ちしています(*^-^*)
なお、今回テストプレイヤー一名のみにより
確認は何度もしておりますが抜けてたらすみません
参加キャラクター
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- 鳳・美夕(ma0726)
- 人間種|女
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- 小宮 弦方(ma0102)
- 獣人種|男
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- ザウラク=L・M・A(ma0640)
- 機械種|男
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- レジオール・V=ミシュリエル(ma0715)
- 剛力種|女
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- リダ・クルツ(ma1076)
- 人間種|男
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- 更級 暁斗(ma0383)
- 人間種|男
- リプレイ公開中