オープニング
●パチモン
世に偽物が出回らなかった試しはない。
古今東西あらゆるパラレルワールドにおいて、何かしらのパチモンが生み出されては淘汰されていった。
そしてそれは天獄界エンブリオも例外ではない。
「ちょっとぉー! この剣全然斬れないんだけど!?」
「はぁ。なんだい急に」
ある日の流刑街。
混沌極める街の片隅に、とある武器屋が営業を始めたのはご存知だろうか?
その名は『伝説工房』。音に聞こえた伝説の武器ばかりを取り扱っているという、戦う者なら誰しも惹かれる売り文句の店だ。
店先に怒鳴り込んできたトレジャーハンター、カグヤ・パロマージュの怒りをするりするりと受け流しているのはこの店の店主である。
「はぁじゃないでしょ!? あの有名な聖剣エクスカリバーだっていうから買ったのに全然斬れないし! ビーム出ないし! 傷回復しないし! もーどうなってんのよー!」
「あー、よくいるんだよねぇお客さんみたいな人。ちゃんと商品名確認した?」
「へ? 商品名?」
レシートを見返したカグヤは、そこにエクスカリ『パ』ーと書いてあるということに気付くまで数分を要した。
まさかと思って確認していると、店に並んでいる武器たちは挙って微妙に名前が違う。
ゲイホルグ。アロンタイト。カラドボルク。よくよく注意してみると非常にモヤモヤする。
「何この翻訳時に表記揺れしましたみたいな違い……。伝説の武器ばっかり扱ってるって言うなら充分詐欺でしょ!?」
「お客さん、伝説の武器=強いみたいに思ってるなら認識改めたほうがいいよ? 伝説内では強くても実際はただの剣でしたなんてザラにあるよ。強かったのは使い手の方だった、みたいなオチでさ」
「バとパの違いの説明になってないよぉ!」
憤りが収まらないカグヤではあったが、これ以上店先で騒いでいても本物のエクスカリバーが出てくるわけでもないだろう。
見た目だけは豪華な偽物の聖剣を手に、トボトボと家路につく。
「よく考えてみたら、浮島で見つけたにしても『エクスカリバーです』っていう札が付いてるわけじゃないもんね……本物かどうかなんて確認しようがないかぁ。うぅ、安くはなかったのに……」
浮島で発見される武器はそれはもうピンキリである。
どうしようもないなまくらから文字通りの伝説の武器まで多種多様なものが発見されるが、それらは得てして武装教会が作り出すイデアウェポンに見劣りしがちだ。
人知を超えた天獄界の技術で作られた武器を超えるような物は、それこそガチの神造兵器しかないのである。
「……気は進まないけど行ってみようかなぁ……『武器の墓場』に。一人だと心細いから、依頼にかこつけて……」
武器の墓場とは、遥か昔から天獄界にある浮島の一つ。
島中に剣やら槍やらありとあらゆる武器が突き立っており、朽ちたもの、まだ使えそうな物など状態も様々。
守護神スサノオ曰く『あらゆる世界の武器が集まる島』とのことで、中には本物の伝説の武器も混じっているだろうとのこと。
が、如何せん数が多すぎる。島中にあるということはその総数は数百万点に達し、その中からホンモノを見つけるとなると宝くじを当てるようなものだ。
しかも日々自動で新しい武器が転送されてきていると言うのだから始末に悪く、イデアウェポンの方が手軽で強力なことから余程の物好きでなければ武器の墓場には近づこうとしない。
偽物を掴まされた怒りが収まらないカグヤは、今こそ意を決して武器の墓場に向かう時だと決意する。
そこに、自分が求める伝説の装備があると信じて―――
世に偽物が出回らなかった試しはない。
古今東西あらゆるパラレルワールドにおいて、何かしらのパチモンが生み出されては淘汰されていった。
そしてそれは天獄界エンブリオも例外ではない。
「ちょっとぉー! この剣全然斬れないんだけど!?」
「はぁ。なんだい急に」
ある日の流刑街。
混沌極める街の片隅に、とある武器屋が営業を始めたのはご存知だろうか?
その名は『伝説工房』。音に聞こえた伝説の武器ばかりを取り扱っているという、戦う者なら誰しも惹かれる売り文句の店だ。
店先に怒鳴り込んできたトレジャーハンター、カグヤ・パロマージュの怒りをするりするりと受け流しているのはこの店の店主である。
「はぁじゃないでしょ!? あの有名な聖剣エクスカリバーだっていうから買ったのに全然斬れないし! ビーム出ないし! 傷回復しないし! もーどうなってんのよー!」
「あー、よくいるんだよねぇお客さんみたいな人。ちゃんと商品名確認した?」
「へ? 商品名?」
レシートを見返したカグヤは、そこにエクスカリ『パ』ーと書いてあるということに気付くまで数分を要した。
まさかと思って確認していると、店に並んでいる武器たちは挙って微妙に名前が違う。
ゲイホルグ。アロンタイト。カラドボルク。よくよく注意してみると非常にモヤモヤする。
「何この翻訳時に表記揺れしましたみたいな違い……。伝説の武器ばっかり扱ってるって言うなら充分詐欺でしょ!?」
「お客さん、伝説の武器=強いみたいに思ってるなら認識改めたほうがいいよ? 伝説内では強くても実際はただの剣でしたなんてザラにあるよ。強かったのは使い手の方だった、みたいなオチでさ」
「バとパの違いの説明になってないよぉ!」
憤りが収まらないカグヤではあったが、これ以上店先で騒いでいても本物のエクスカリバーが出てくるわけでもないだろう。
見た目だけは豪華な偽物の聖剣を手に、トボトボと家路につく。
「よく考えてみたら、浮島で見つけたにしても『エクスカリバーです』っていう札が付いてるわけじゃないもんね……本物かどうかなんて確認しようがないかぁ。うぅ、安くはなかったのに……」
浮島で発見される武器はそれはもうピンキリである。
どうしようもないなまくらから文字通りの伝説の武器まで多種多様なものが発見されるが、それらは得てして武装教会が作り出すイデアウェポンに見劣りしがちだ。
人知を超えた天獄界の技術で作られた武器を超えるような物は、それこそガチの神造兵器しかないのである。
「……気は進まないけど行ってみようかなぁ……『武器の墓場』に。一人だと心細いから、依頼にかこつけて……」
武器の墓場とは、遥か昔から天獄界にある浮島の一つ。
島中に剣やら槍やらありとあらゆる武器が突き立っており、朽ちたもの、まだ使えそうな物など状態も様々。
守護神スサノオ曰く『あらゆる世界の武器が集まる島』とのことで、中には本物の伝説の武器も混じっているだろうとのこと。
が、如何せん数が多すぎる。島中にあるということはその総数は数百万点に達し、その中からホンモノを見つけるとなると宝くじを当てるようなものだ。
しかも日々自動で新しい武器が転送されてきていると言うのだから始末に悪く、イデアウェポンの方が手軽で強力なことから余程の物好きでなければ武器の墓場には近づこうとしない。
偽物を掴まされた怒りが収まらないカグヤは、今こそ意を決して武器の墓場に向かう時だと決意する。
そこに、自分が求める伝説の装備があると信じて―――
成功条件
条件1 | カグヤと一緒に武器の墓場を調査する |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | 本物の伝説の武器を発見する(低確率) |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
・天獄界エンブリオ、武器の墓場と呼ばれる浮島が舞台です。
・その浮島で、カグヤと一緒に調査を行うことが目的です。
・本物の伝説の武器を発見できれば万々歳ですが、ダイス判定でも非常に低確率に設定されています。
・エネミーはいませんので、純粋な調査かピクニック気分で行くのがいいでしょう。
・その浮島には全体に剣などの武器が突き立っており、遠目から見るとまるで剣山です。
・数百万点にも及ぶ武器がありますが、真贋・新旧などは見て判断する他ありません。
・どういうシステムなのか、完全に風化した武器と入れ替わる形で日々武器が増えているそうです。島の全容を把握している者はいません。
・鑑定スキルや幸運の高さはシナリオ上で有利になります。
・性能の劣るパチモンでよければ、持って帰る(記念アイテムとして入手する)こともできます。
マスターより
皆さんこんにちは。サービスエリアで剣や刀のキーホルダーを買ったことのある人、手を上げなさい。西川一純です(何)
何歳になっても伝説の武器と聞くと心が踊るものです。例え1ダメージしか与えられないなまくらだったとしても。
見た目がかっこよければパチモンでも構わないという人も多いかと思いますが……果たして、皆さんは本物の伝説の武器を手に入れることができるでしょうか―――
関連NPC
-
- カグヤ・パロマージュ(mz0057)
- 人間種|女
参加キャラクター
-
- 不破 雫(ma0276)
- 人間種|女
-
- 雪切・刀也(ma0506)
- 剛力種|男
-
- レーヴェ・V・ヘルズキッチン(ma0162)
- 剛力種|女
-
- 歩夢(ma0694)
- 人間種|男
-
- フィリア・フラテルニテ(ma0193)
- 神魔種|女
-
- 氷雨 累(ma0467)
- 人間種|男
-
- フリッツ・レーバ(ma0316)
- 剛力種|女
-
- 小山内・小鳥(ma0062)
- 獣人種|女
- リプレイ公開中