「我々は勝利する。さあ、教官に吼え面をかかせよう」
柏木雄馬
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
エキスパート
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100SC
参加人数
4人~8人
優先抽選
50SC
報酬
200 EXP
5000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
4日
抽選締切
2021/09/20 10:30
プレイング締切
2021/09/24 10:30
リプレイ完成予定
2021/10/05
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ

オープニング

 新人咎人の教育や訓練をボランティアで行っている『名を忘却せし女神官』は、その日、クルト少年ら元教え子たちがDIYで『改築』してくれた『居住設備』を満喫していた。
 訓練場に面した斜面の上の、板張りのテラスの上── 燦燦と降り注ぐ陽光とビーチパラソルの陰の下、白いデッキチェアーの上に横たわりながら、まるで金魚鉢のようなトロピカルドリンクをストローで吸い上げる。
「これが……文明の味……!」
 もう何度目になるか分からぬ感動をクゥ~ッと噛み締めながら、多幸感に酔う女神官──
 その眼下。斜面の下の訓練場の広い広いグラウンドでは、数多くの新人たちが訓練に勤しんでいた。──まるで砲爆撃の様にそこかしこで立て続けに炸裂する爆裂術式の爆音と、豪雨の様に降り注ぐ銃弾が空気を引き裂く音と、悲鳴と断末魔がモザイクの様に入り乱れる『訓練』に。
 そして、この連作の狂言回したるクルトもまた、その『戦場』の只中にいた。
「急いで蛸壺を掘れ! 決して頭を上げるな!」
 周りの後輩たちに怒鳴りながら、自らもスコップで眼前の土を掻き始めるクルト。その間にも、訓練用の自動人形と教官代理の咎人たちによって斜面の上から放たれた『銃砲撃』が仲間たちを吹き飛ばしてく。
「オンダ・ケイイチ、死亡判定。タダチニ退場シテクダサイ」
「あー、クソッ、またかよ……」
 『戦死』した訓練生たちが可能な限り素早く『戦場』から離脱していく。どうにか蛸壺を──個人用の塹壕を掘り終えたクルトはどうにかそこへと転がり込んで……鏡でそっと周囲の『味方』の様子を窺った後、斜面の上で優雅に夏を楽しむ女神官を鏡に映して、呟いた。
「……くそぅ。女神官さんめぇ……ちょっと前までマイマイが非常食だった癖にぃ……」

 ふた月ほど前の事である。クルトたち少数の例外を除いて殆ど人の出入りが無くなった訓練場に。女神官が新たな訓練生たちを──新人の咎人たちを連れて来た。クルトにとっては直近の『後輩』ということになる。
「よう! 俺はオンダ・ケイイチ。以前……というか、生前だな。前世は久遠ヶ原の撃退士をしていた。よろしくな!」
 訓練場にいたクルトを同期と勘違いしたのだろう。年の近いクルトに気付いた新人の少年が話しかけて来た。……いや、もう自分は訓練生ではないんだ。というか、中身は時々おっさんなんだ──そう訂正しようとしたクルトだったが、ケイイチは屈託のない笑顔で矢継ぎ早に質問を投げかけて来た。
「名前は? 齢は?!」
「……クルト。肉体年齢は、多分、14歳頃かなぁ、と」
「うわ、まさかの年下だった! ガタイ良いな、クルト! っていうか、お前、何か『主役』っぽいよな。俺、前も主役っぽい兄妹の友人だったんだけど、脇役属性っていうか、よく影が薄いって言われてさ……」
 ……本来、クルトは『同期』の咎人たちと共に教官代理として訓練の手伝いをしに来たのだが、そんな状況を面白がった女神官のご指名により、そのまま新人たちに交じって訓練を先導する役割を与えられてしまった。
(なんでこんなことに……)
 内心、嘆きながら新人たちと共に訓練服への着替えを済ませた後。訓練生たちはまず最初に互いの自己紹介をさせられた。
「……トクデラ・アケミ。前世は……人類の裏切者。咎人だというのなら、それが私の罪でしょうね」
 三つ編みおさげの女子中学生、といった見た目に反した、冷たく、淡々とした物言いに、そして何よりその自己紹介の内容に、場が沈黙に包まれた。丸眼鏡のレンズの下の、何者も寄せ付けぬ鋭い視線── ただ、その性格はキツいというより、クールなだけであるようにクルトには思われた。
 それだけでもクルトの記憶に残るのには十分だったのだが、それをケイイチの行動が補強した。彼は皆が押し黙る中、場の空気を読んでか読まずか、屈託なくアケミに話掛けたのだ。
「オッス! 俺、オンダ・ケンイチ! 君ってさっき、セーラー服を着てた子だよね? 昭和感満載のやつ!」
「……」
「なぁ、俺たちってどこかで会ったこと、ある? 何か君の名前、聞き覚えがあるんだけど……」
「……私の方に見覚えはないわね」
「そっかぁ。俺、影薄かったもんなぁ」
 その瞬間、ケイイチは同期たちの間で伝説となった。だが、まぁ、それはともかく、訓練は女神官と教官代理たちの手によってつつがなく始められた。
 最初の数週間は、咎人となった自身の身体感覚の把握と調整と座学に費やされた。
 その後、フィールドアスレチック。更に、自動人形を用いた模擬戦闘と徐々に訓練の強度が上げられていき……そして、二か月が経過したこの日。浮遊島での実務演習(クルトの言うところの『冒険』)を行う前の最後の訓練として、今回の模擬戦闘が行われることになったのだ。
「勝利条件は単純だ。私のすぐ側に立てたフラッグを奪えばいい」
 訓練場に面した斜面の上。板張りのテラスの上に立った女神官が、グラウンドに居並ぶ訓練生たちに最終訓練の内容を伝える。
「ただし、お前らの先輩たちと自動人形の群れが妨害する。期限は一週間。それまでに旗が奪えなかったら、訓練のやり直しだ。ああ、訓練場にあるものは何を利用してもいい」

 そうして始まった最終訓練の一日目。運動会的なノリで旗を奪いにいった新人たちを待ち受けていたのは、銃と砲で完全武装した自動人形たちの猛火だった。これはいかんと新人たちは訓練用装備を整え、昼食を採りながら作戦会議を開いたのだが……その間に、教官代理たちは自動人形(野戦築城モード)を使って、斜面の前に浅い堀を掘ってしまっていた。
「そんなのってアリか?!」
「聞いてないぞ!」
 訓練生たちの抗議は一笑に付された。
「ちゃんと言っただろう? 『妨害する』と」
「きったねぇ!」
 宿舎に戻った訓練生たちは「そっちがその気なら!」と、寝る間も惜しんで作戦を立てて翌日の『戦闘』に臨んだが…… 翌朝、教官代理らが守る『訓練場わきの斜面』は、何か星型城塞の一角みたいに要塞化されていた。
「お、大人げ無ぇ……!」
 その威容に戦慄し、沈黙した後、ブーイングで以って応える訓練生たち。そんな中、クルトとアケミだけは、彼らと意見を異にした。
「違う。これは『実戦』だ。実戦と同じように、この敵は黙ってこちらの動きを待ってはいない。状況は刻一刻と変化する」
「少なくとも教官代理たちは、そのつもりでこの『最終試験』に臨んでいるわね。私たちヒヨッコを相手に、わざわざ睡眠時間を削ってアレの準備をしていたんだから」
 二人の言葉に、それまでピクニック気分でいた訓練生たちの目の色がようやく変わった。クルトはコクリと頷いた。
「だからこそ、僕たちも本気で勝ちを獲りにいかなきゃならない。『実戦』に臨むつもりで考えよう」

成功条件

条件1新人咎人の訓練生たちに、知見と戦訓をもたらす
条件2-
条件3-

大成功条件

条件1最終日辺りにコペルニクス的転回で以って新人たちを勝利させる
条件2-
条件3-

解 説

1.状況
 状況はOP本文の通り
 PCは、女神官の新人咎人訓練に参加した咎人の一人
 以下の3つの立場から一つを選択してプレイングを掛けてください

A.教官代理
 自動機械と共にフラッグを守る立場
 新人訓練生たちの前に立ちはだかる高い壁となって成長を促す
 最終的には、新人たちに自信をつけてはもらいたい
 新人勝利後には新人たちの苦労を労う宴会を開いてもいい

B.先輩咎人
 新人たちの間に混じり、助言やアドバイスを与える他、不慮の事故に備える役
 可能ならば新人たちが自発的に気付くようにはしたい
 状況によってはフラッグ攻略の切り札となり得る立場
 クルトの立ち位置もこれ(ただし、ほぼ新人扱い)

C.訓練生
 低レベル推奨

※いずれの立場も『戦死』判定を受けた場合、翌日まで復帰不可

※リプレイは、2日目の訓練生敗北直後~3日目朝辺りから開始。7日目終了まで


2.舞台

 ABCDEFGHIJKLMNOPQRS
0         ★           ★:女神官とフラッグ
1△△△△・・・壁壁△壁壁・・・△△△△
2・・・・・壁壁△△ △△壁壁・・・・・  堀の北側:教官代理&自動人形配置可能地点
3・・・壁壁△△■■ ■■△△壁壁・・・   :地面
4・壁壁△△■■■■ ■■■■△△壁壁・  ・:板張りの床
5壁△△■■■       ■■■△△壁  壁:狭間(銃眼)つきの壁。高さ2m  
6△■■■ 橋 壁壁 壁壁 橋 ■■■△  △:土塁の斜面(北側が高所側)高さ4m
7■■■  ■■壁   壁■■  ■■■  ■:深さは腿まで
8■     ■■壁壁壁■■     ■  
9       ■■■■■       
0                   
 略
20(訓練生側初期配置ライン)

※周辺にはフィールドアスレチック施設や教室、更衣室等あり。訓練施設の周囲は森


3.自動人形
(『マスターより』へ)

マスターより

(『解説』から)

3.自動人形
 計8体
 近接+回避型、射撃+防御型、魔術師型、砲撃型など色々細かく設定可能


●マスターより
 というわけでクルトもの。こんにちは、柏木雄馬です。
 字数がないのでいきなり『コペルニクス的転回』の一例。

クルト
「訓練場にあるものは何でも利用していいと言ってたな……(ジー……)」
(最終日辺り)「なぜ俺たちは真っ○○に真○○から(以下略」


 ……予定では次に出すシナリオは人幻界の柊木佳南ものの番なのですが、先にクロスオーバー連動シナリオを出すかもしれません
 その場合、佳南を巡る『決闘』ものや、聖樹界の野盗化狼騎兵討伐ものはその後に。


 以上です。それではよろしくお願い致します。

参加キャラクター

  • 小山内・小鳥ma0062
    獣人種|女
  • フィリア・フラテルニテma0193
    神魔種|女
  • 氷雨 累ma0467
    人間種|男
  • アナルデール・ウンディーニma0116
    人間種|女
  • 透夜ma0306
    機械種|男
  • 麻生 遊夜ma0279
    機械種|男
  • 鈴鳴 響ma0317
    神魔種|女
  • リナリア・レンギンma0974
    人間種|女
リプレイ公開中

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