オープニング
地中海に浮かぶ小さな島国エオニア王国――。
温暖な気候の中、ミーベルという桃に似たエオニア固有の果物が名物として有名だ。
リゾート施設や遺跡群の観光名所があり、その他の地域もイスラム文化が残る街や、美しい景色が見られるスポットなどがある。
以前に一度ナイトメアの大規模な襲撃を受け、国という体裁を維持するのも危うくなるほどのダメージを受けたが、国主に頂く幼い王女を盛り立て、国民は自分達の生活を立て直すことに努力し続けていた。
そんなエオニアの国の人々が皆楽しみにしている、年に一度の大イベントがある。
『果冠祭』だ。
『その昔、男が女神に感謝を伝えるために山ほどの果物を用意し、天へと投げる。
しかし何度やっても果物は男の頭上に落ちてきた。
それどころか他の人の所にも落ちて、たちまち喧嘩が始まってしまう。
その最中、男は突然女神に感謝が届いたと喜び出した。
皆が広場にあった女神像を見ると、その冠の上に果物が載っていたのである――』
という故事を元にした女神への感謝の祭りが、ちょうどこの時期にエオニアの各地で催されるのだ。
昔は山ほどのミーベルを女神像に投げるというものだったが、国自体がまだ豊かではない今は果物を粗末にできない。
故に、その辺りは祭りを行う地域それぞれがアレンジした自由なものになっている。
エオニア西部にある復興途中の海辺の小さな村でも、今年は自分達の村で祭りをやろうということになった。
この村は数年前の大規模な襲撃はもちろんそれ以後も度々ナイトメアに襲われており、それでもSALFの支援を受けながら村人達は村を捨てずに生きて来た。
まだ貧しく色々ままならない中放浪者を積極的に受け入れ、村人達はライセンサーにも放浪者そのものにも慣れるようになったところである。
もっと村を豊かにするために、近隣の人々や観光客はもちろん、迎え入れた放浪者達や新たな放浪者達に楽しんでもらいこの村を知ってもらおう、という試みだ。
発案者は村に住む15歳の少年、ヨナタン。
以前はナイトメアが地球に来るのは放浪者のせいだと決めつけて憎んでいたが、今では放浪者のことを理解し仲良くしたいと考えている。
果冠祭が間近に迫るある日、ヨナタンは村の集会場で村長や大人達の前で堂々と意見を言った。
「今まではさ、おれたち他の街の祭りを見に行くのも村人全員が行けたわけじゃなかっただろ? だからさ、今度はこの村で、自分達で『果冠祭』をやっちゃおうよ! そうすれば皆が楽しめるじゃん!」
「しかし……」
一人の男が渋い顔をする。
「言うのは簡単だが、子供のお前に祭りの運営がいかに大変なものか分かっているのか?」
「ちゃんとは分からないよ。だから、皆でやろうって言ってるんだ。皆で協力し合えばやれるよ! それに、村にも活気が戻るだろ?」
「やってみませんか? SALFも協力は惜しまないと言ってくれました」
とヨナタンの意見を後押ししたのは、薄い水色の肌、耳の部分に白い翼、青緑色の髪に青緑色の立派な尾羽を持つ放浪者の、エルルーク=フォルフォルである。
「広場に女神像のレプリカを置いてさ、昔話にちなんでミーベルの形したゴムボールを願いごとをしながら投げるっていうのはどうかな? 時期がハロウィンともかぶるからコスプレで回ってもOKにしてみるとか、当然広場の周囲に屋台を出してもらって……、あとは浜ではダンスを見せたりして人を集めるんだ!」
自分のアイディアを一生懸命伝えようとするヨナタンに、村長達もだんだんやってみようか、という気になってきた。
「そうだな……、村人達にも気晴らしは必要だしな……」
「SALFが協力してくれるなら……」
「俺屋台出して土産物売ってみようかな」
等々。
「よし、分かったヨナタン! 今年は我々の村で『果冠祭』をやろうではないか!」
「やった! ありがとう村長!」
というわけで、今年はこの村で自分達の『果冠祭』を行うことになったのだった。
●村の『果冠祭』
ヨナタンやエルルークは、村長や主だった村人、SALFの協力者たちと準備に大忙し。ヨナタンに懐いて家に居ついている猫娘の獣人シャーラも、ヨナタンを手伝いたいと放浪者達や近隣住民への宣伝を引き受ける。
他の村人達も始めはあまり期待してないふうであったが、広場に女神像が運ばれ村中に飾り付けなどがされていくと、だんだんそわそわして祭りへの期待感が高まっていった。
そして当日。
広場の中心には高さ3メートルほどの女神像が置かれ、願いの込められたゴムボールが投げられるのを待っている。
その周囲には焼き肉や揚げ物、粉物からスイーツの屋台がずらりと並び、通りの家々は色とりどりの花やオーナメントで飾られいつもとは全く違う雰囲気だ。
そして浜辺からは生演奏の民族的な音楽が聞こえ、大人も子供も、観光客でも誰でも、自由にダンスできる場所が設けられていた。
「よく頑張ったな、ヨナタン! きっと素晴らしい祭りになるよ」
エルルークが後は人が来るばかりの広場を眺めて言った。
「うん、そうだと良いな。あ、シャーラ、SALFの新しい放浪者達も来てくれるかな?」
「大丈夫、ちゃんと宣伝しておいたから! きっと来てくれるよ!」
興奮気味にシャーラもヨナタンに答える。
そこへ村長がやって来て三人に声をかけた。
「ヨナタン、本当に良くやってくれた。正直、私もここまで立派なものになるとは思っていなかった。もちろんSALFの協力のおかげもあるが、なによりヨナタンが色々提案してくれたおかげだと私は思っているよ」
「へへ……。皆が楽しんでくれたら、この村のためにもなるからね」
褒められてヨナタンは照れ臭そうに、そのボリューミーなくせっ毛をかく。
「そうだね。だから今日は、お前達も祭りを楽しみなさい。ほら、これはお小遣いだ」
と、村長はヨナタンにそれなりの金額を渡す。
「え、いいの!?」
「ああもちろん! 友達と一緒に回って来ると良い」
「ありがとう、村長!」
喜ぶヨナタンを見て、エルルークとシャーラも嬉しそうだ。
「二人共行こう! 来てくれる人達を案内するよ!」
「うん!」
「了解」
海辺の小さな村の『果冠祭』が始まった。
成功条件
| 条件1 | 『果冠祭』を楽しむ |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
大成功条件
| 条件1 | この村の良さを感じる |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
解 説
※『果冠祭』を楽しもう!
〈祭りスポット〉
広場:中心に女神像のレプリカが置いてある。ミーベル風のゴムボールを渡されるので、願い事をしながら、女神様の頭の冠を目掛けて投げましょう。上手く乗っかると願いが叶うと言われている。
屋台:広場の外周に沿って色々な屋台が並んでいる。ミーベルを使ったスイーツ、村の海で取れた魚のフライ、魚介焼きそば、他ありそうな物ならあることにしていただいてOKです。
お土産屋:通りを入った所にある、各種土産物やミーベルのゆるキャラ雑貨、定番のお菓子や飲み物等を売っている。お土産っぽいものなら大抵の物はあるでしょう。
浜辺:バンドの生演奏をバックに、誰でも自由にダンスできる。
・スポットから二つ程選んでプレイングを書いてください。(全部回ることにしていただいても構いませんが、一つ一つの描写が薄くなりますのでご了承ください)
・皆さんはSALFから、屋台の食べ物2、3個+お土産1、2個買えるくらいのお金を支給されますので、その範囲内でお好きに使ってください。
・一人で行動でもOKですし、ヨナタンやエルルークと一緒に行くこともできます。その旨をプレイングに書いてください。ヨナタン達にはノータッチでも成否に影響ありません。その時は誰か他の放浪者の案内をしていることになります。
・ちょっとしたコスプレ衣装なら貸し出します。エオニアの民族衣装もあるよ♪
※ご希望の方にお土産として、1ミーベル酒(ミーベルを使ったお酒) 2エオニアの恋人(ミーベルクリームを挟んだクッキーのお菓子) 3ミーベルちゃんぬいぐるみ(ミーベルのゆるキャラの30cmぬいぐるみ) のどれか一つをアイテム配布いたします。プレイングにご希望の物を書いてください。
例:お土産1希望
マスターより
こんにちは、久遠由純です。
せっかくのエオニアなので、こちらでも『果冠祭』を皆さんに楽しんでもらえたらなと思ってシナリオを書きました。
【BTW】の連動ですが、難しいことは何一つありません。
普通にお祭りを楽しむ感覚でご参加ください。
お土産のアイテム配布は、ご希望の番号もしくは名称を間違えないようにしてくださいね。特にいらねぇぜ!という場合は何も書かなくて大丈夫です。(※注:つまり希望することを書いてないとアイテム配布はされません)
よろしくお願いします。
参加キャラクター
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- 小宮 弦方(ma0102)
- 獣人種|男
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- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
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- 鈴鳴 響(ma0317)
- 神魔種|女
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- 柳瀬 彩香(ma1178)
- 人間種|女
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- 藍紗(ma0229)
- 剛力種|女
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- 紅緒(ma0215)
- 剛力種|女
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- アティーヤ(ma0735)
- 精霊種|女
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- ジェラルディン(ma1135)
- 異能種|女
- リプレイ公開中




