星降る花街の地下で
近藤豊
Twitter
シナリオ形態
ショート
難易度
Very Easy
判定方法
カジュアル
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100SC
参加人数
3人~6人
優先抽選
50SC
報酬
200 EXP
5000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
5日
抽選締切
2021/04/12 10:30
プレイング締切
2021/04/17 10:30
リプレイ完成予定
2021/04/27
関連シナリオ
-
  1. オープニング
  2. -
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ

オープニング

 常世に覆われた東京。
 かつて世界にも屈指の大都市へと発展した頃と比較しても、現在の状況はみる影もない。
 エネルギー供給の不安定さ。
 治安維持の困難さ。
 多くの市民は東京を脱出して生活基盤を地方へ移していった。
 主を失った家々は廃墟と化し、夜でも煌々と照らされた頃は思い出の中にしかない。
 
 平和を謳歌した人間達は去り、東京という都市は死滅したも同然だった。
 ――だが。
 東京は、まだ死の都市となった訳ではない。
 
「かっー!」
 ジョッキに注がれたビールのような炭酸飲料を男が飲み干した。
 かつて新橋駅周辺はサラリーマンの天国であった。週末となれば多くの居酒屋が客でごった返し、平日の疲れを癒す。サラリーマン
同士で交流を深め、酒を飲み交わし、終電間際に千鳥足で帰っていく。それがこの街の『日常』だった。
 しかし常世に包まれた東京ではその光景が完全に消え失せた。
 都市機能が麻痺した上、超能力者など一部の人間以外は物資を常世外から持ち込む事ができない為に多くの居酒屋が閉店に追い込ま
れた。
 それでも、一握りの人々は新橋という街に居続けた。
 新橋という街が存在する限り、残り続けると覚悟した人々。
 今日も彼等は新橋に居座り、混ぜ物だらけの酒を飲み続ける。
「ここが東京……。俺が生きていた頃に聞いた東京とは、少し違う」
 リカルド・マエストリはテンペストの東京を訪れていた。
 簒奪者の影がある事からテンペストでの活動を開始すべく準備するリカルドであったが、新橋駅前にあった複合施設ビル別館の地下
には闇市のような居酒屋が建ち並んでいた。通路には泥酔した親父がイビキを掻いて眠っている。衛生面は――期待しない方がいい。

「シカゴのスラムでもここまでの場所はなかった……。
 いや、そもそも禁酒法のせいでここまで大規模な酒場はなかったか」
 地下特有の香りと酒の臭いを嗅ぎ取ったリカルドは、少しだけ生前を思い出した。
 禁酒法で酒を禁じられたあの時代。酒はマフィアの重要な資金源となった。闇酒場が横行し、莫大な金を手にする事ができた。あの
頃、お世辞にも綺麗な店ではなかったが、人間は誰しもが生き生きとしていた。
 何故、こんな事を思い出すのか。
 もしかしたら、この場所があの頃の闇酒場に似ているのだろうか。
「兄ちゃん、その顔は初めてか?」
 ふいにリカルドへ小さな店の親父が声をかける。
 親父は串に刺さった肉を焼き、製造方法も分からないタレを付けている。
 地下にある店ではあるが、排煙や換気を気にしているのだろう。厨房では無理矢理取り付けられた古い空調設備が轟音を立てながら
稼働している。
「ああ」
「ここは戦前にあった闇市から出発してんだ。街が常闇に覆われようと、人が生きている限り店は閉めたりしねぇよ」
 親父は汗だくになりながら肉を焼き続けている。
 親父によれば新橋という土地を愛する者は多いらしい。その証拠に複合施設裏には神社と呼ばれる宗教施設も存在し、年に一度は祭
りも開催されていたそうだ。酒と祭りで人々が繋がる。リカルドは、何だか少し嬉しくなった。
「ふふ」
「兄ちゃん、いい笑顔だ。寄ってきなよ。今日はプレスハムが入ってんだ。カストリかバクダンで良ければ飲めるからよ」
(カストリ……? バクダン? 聞いた事もない銘柄だ)
「ちょっと待ちなさいよ。そのお客はうちが先に目を付けてたんだ。あんた、うちに寄って行きなよ。今日は猪のいいのが入ってんだ

 親父の横から割烹着着た女将が割り込んでくる。
 妙齢の女将の背後には『高砂』と暖簾に書かれている。聞けば日本のジビエ料理の店らしく、女将も地下街で取り纏め役として相談
事を受けたりしているそうだ。
「うちの店は全部国産だよ。安心して寄っていきな」
「ズルいぞ、女将。その兄ちゃんはうちの客だ」
(どうすればいいんだ……)
 リカルドは首を捻りつつ、腕を組んで悩んでいる。

成功条件

条件1新橋駅前の複合施設ビル別館で酒を愉しむ
条件2-
条件3-

解 説

かつて新橋駅前には多くの居酒屋が存在していた。サラリーマンの聖地とされたこの場所も、常夜に覆われてから様変わりしてしまっ
た。人々は街から離れ、活気は失われていく。物資もなかなか手に入らない状況。廃墟と化した建物ばかりとなった新橋。
しかし、その中でも元気に生き続ける人々は存在していた。
自家製の酒や苦労して取り寄せた食材を使って客に安い酒を提供する。それはこの街にとって懐かしい光景。
必死になって生きる人々。咎人は偶然にもこの建物に足を踏み入れた。二人横に並んだらいっぱいの廊下。店は狭く、壁は板一枚なの
ではないかと思える薄さ。足元には泥酔した親父がイビキを掻き、向こうでは殴り合いの喧嘩が行われている。
まさにカオス。それでも街の中に魅力を感じたあなたが、地下へと続く階段を下りていった。

備考:
新橋駅前の複合施設ビル別館はシェルターのような存在になっています。入り口には有志の超能力者が敵性の超能力者やミリオンの侵
入を防いでいます。また食材も存在する事から何らかの購入、運搬ルートがあるものと思われます。但し、施設内の衛生面は芳しくあ
りません。泥酔する者も多い上、持ち込まれた食材も混ぜ物や何とかしてそれらしく見えるように作られた安物ばかりです(但し、食
べられない物はありません)。酒も比較的アルコール度の高い物が揃えられているようです。
あなたはふとした切っ掛けでこのシェルターを見つけて酒を愉しむべくやってきました。店は和風や中華、カレー、焼肉、バー、ラー
メンなど様々です。


※注意
店は排煙換気だけはしっかり行われています。空き店舗を見つけて一時的に店を開いても問題ありませんが、掃除が必要な上食材は周
辺から分けて貰うか持ち込む必要があります。

マスターより

 近藤豊です。
 テンペスト初の依頼が私の愛する街の一つにできて嬉しく思っております。シェルターとなった複合施設ビル別館の地下は、酒飲み
達の聖地と化していた……という感じで依頼を作成させていただきました。苦しい状況でも彼等は街が滅ぶ最後までこの地に居続ける
でしょう。意地と根性で生き抜く彼等と一緒にお酒を飲み交わしてはみませんか? 有人を連れての参加も大歓迎です。
 それでは、ハムカツを肴にお待ちしています。

参加キャラクター

  • 六道煉龍ma0646
    人間種|男
  • サヴィーノ・パルヴィスma0665
    人間種|男
  • 如月 朱烙ma0627
    人間種|女
  • 椎名 亜蘭ma0518
    人間種|男
  • 平賀宗助ma0760
    人間種|男
  • 藍紗ma0229
    剛力種|女
リプレイ公開中

ページ先頭へ

ページ先頭へ