オープニング
●頭領
妖鉄界ヤルダバオトにおける氏族の一つ、字の氏族。
特殊な術技大系を使いこなす氏族の姫、ショウブは咎人たちの強さと人柄に触れ、友達となることを選んだ。
常に姫様だ巫女様だと敬われ、持ち上げられ続けた少女は、今の今まで友達と呼べる者が一人もいなかったのだという。
アヤカシの寿命は長く、14歳くらいの外見でも何十年と生きている可能性は高い。
だからこそ、その喜びを姉であり字の氏族当主である姉……アヤメに伝えたのだが。
「身分を考えなさい。わたくしたちに友人など必要ありません」
「そんなぁ! 折角来てもらったのにぃ!」
「帰っていただけばいいでしょう。馬鹿なことを言っていないで、その分術の研鑽にお励みなさい。わたくしたちが作り出す字具が氏族の強さに繋がるのですから」
ボブカットのショウブに対し、アヤメは腰くらいまで長く伸ばした髪型をしており、非常に大人びて見える。
歳の頃だと18から20歳くらいか。顔立ちはよく似ているが、少なくとも姉妹と言ってなんら不思議のないくらいの年齢差は感じる。
しかし恐ろしいことに、この二人は双子の姉妹であるという。
身長も顔立ちも体つきも子供っぽいショウブと違い、アヤメは当主と言われても不思議のないくらい立派な風体だ。
同じ日に生まれた双子でこうも違うのか……それはお互いが思っていることである。
「強さって言うなら咎人の人たちだって凄いんだよ! ショウブたちが知らないような術や技で『どかーん!』とか『ずばーん!』とか凄かったんだからぁ!」
「何ですか咎人の人たちというのは。頭痛が痛いと同じですよ」
「う、うるさいなぁ。姉様は細かいこと気にしすぎぃ!」
「貴女が浅学なだけです。ふむ……しかし知らないような術や技ですか。それは気になりますね……」
「でしょでしょ? 30体くらいいた鉄騎をあっという間にやっつけちゃったんだから! 姉様、強き者には敬意を払いなさいっていつも言ってたじゃん!」
「……都合のいいことばかり覚えていて、この子はまったく……」
呆れた方に息を吐くアヤメだったが、俄然咎人に興味が湧いてきた。
ヤルダバオトの住人でも苦戦するデミウルゴスと鉄騎。それをあっさり打ち倒すとなればその強さは本物だろう。
力も知識もあるならあるだけ良い。その咎人というのがどこの氏族の者なのかは知らないが、字術をより発展させるだけの知見を得られるかも知れない。
そういう打算もあって、アヤメは咎人と会うことを決めた。
「分かりました。来てもらったということはすでに城内にいるのですね? 謁見の間にお通ししなさい」
「ホント!? やったぁ、みんな喜ぶよ! 今呼んでくるー!」
嬉しそうに笑い、文字通りすっ飛ぶような勢いで廊下を駆けていくショウブ。
広大な字の氏族の居城、連城(つらねじょう)は彼女の庭。迷うはずもない。
「……あの子、あんな風に笑う子だったかしら」
記憶を辿るが、アヤメにはショウブの笑顔が遠い過去のことでしか思い出せない。
最近のショウブは鍛錬に打ち込んでいるか、アヤメに小言を言われてしゅんとしていることばかり。
二人が本当の子供で背丈が同じだった頃には、常に笑顔でいたような気がするのに……。
「……こんなことではいけませんね。わたくしは字の氏族の頭領。個人的な感傷など二の次三の次です」
軽く頭を振って頭の中をリセットすると、アヤメは立ち上がり謁見の間へと移動するのだった―――
妖鉄界ヤルダバオトにおける氏族の一つ、字の氏族。
特殊な術技大系を使いこなす氏族の姫、ショウブは咎人たちの強さと人柄に触れ、友達となることを選んだ。
常に姫様だ巫女様だと敬われ、持ち上げられ続けた少女は、今の今まで友達と呼べる者が一人もいなかったのだという。
アヤカシの寿命は長く、14歳くらいの外見でも何十年と生きている可能性は高い。
だからこそ、その喜びを姉であり字の氏族当主である姉……アヤメに伝えたのだが。
「身分を考えなさい。わたくしたちに友人など必要ありません」
「そんなぁ! 折角来てもらったのにぃ!」
「帰っていただけばいいでしょう。馬鹿なことを言っていないで、その分術の研鑽にお励みなさい。わたくしたちが作り出す字具が氏族の強さに繋がるのですから」
ボブカットのショウブに対し、アヤメは腰くらいまで長く伸ばした髪型をしており、非常に大人びて見える。
歳の頃だと18から20歳くらいか。顔立ちはよく似ているが、少なくとも姉妹と言ってなんら不思議のないくらいの年齢差は感じる。
しかし恐ろしいことに、この二人は双子の姉妹であるという。
身長も顔立ちも体つきも子供っぽいショウブと違い、アヤメは当主と言われても不思議のないくらい立派な風体だ。
同じ日に生まれた双子でこうも違うのか……それはお互いが思っていることである。
「強さって言うなら咎人の人たちだって凄いんだよ! ショウブたちが知らないような術や技で『どかーん!』とか『ずばーん!』とか凄かったんだからぁ!」
「何ですか咎人の人たちというのは。頭痛が痛いと同じですよ」
「う、うるさいなぁ。姉様は細かいこと気にしすぎぃ!」
「貴女が浅学なだけです。ふむ……しかし知らないような術や技ですか。それは気になりますね……」
「でしょでしょ? 30体くらいいた鉄騎をあっという間にやっつけちゃったんだから! 姉様、強き者には敬意を払いなさいっていつも言ってたじゃん!」
「……都合のいいことばかり覚えていて、この子はまったく……」
呆れた方に息を吐くアヤメだったが、俄然咎人に興味が湧いてきた。
ヤルダバオトの住人でも苦戦するデミウルゴスと鉄騎。それをあっさり打ち倒すとなればその強さは本物だろう。
力も知識もあるならあるだけ良い。その咎人というのがどこの氏族の者なのかは知らないが、字術をより発展させるだけの知見を得られるかも知れない。
そういう打算もあって、アヤメは咎人と会うことを決めた。
「分かりました。来てもらったということはすでに城内にいるのですね? 謁見の間にお通ししなさい」
「ホント!? やったぁ、みんな喜ぶよ! 今呼んでくるー!」
嬉しそうに笑い、文字通りすっ飛ぶような勢いで廊下を駆けていくショウブ。
広大な字の氏族の居城、連城(つらねじょう)は彼女の庭。迷うはずもない。
「……あの子、あんな風に笑う子だったかしら」
記憶を辿るが、アヤメにはショウブの笑顔が遠い過去のことでしか思い出せない。
最近のショウブは鍛錬に打ち込んでいるか、アヤメに小言を言われてしゅんとしていることばかり。
二人が本当の子供で背丈が同じだった頃には、常に笑顔でいたような気がするのに……。
「……こんなことではいけませんね。わたくしは字の氏族の頭領。個人的な感傷など二の次三の次です」
軽く頭を振って頭の中をリセットすると、アヤメは立ち上がり謁見の間へと移動するのだった―――
成功条件
条件1 | アヤメに謁見する |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
大成功条件
条件1 | アヤメに認められ領内での自由を保証してもらう |
---|---|
条件2 | - |
条件3 | - |
解 説
・妖鉄界ヤルダバオト、字の氏族の居城『連城(つらねじょう)』が舞台です。
・ショウブの紹介で、字の氏族の当主アヤメに謁見することが目的です。
・双子ではありますがショウブと違い、アヤメはかなりしっかりしているように見えます。礼儀などはきちんとしたほうが良いかも知れません。
・咎人の目的、強さ、字の氏族との協力体制など、話したいことはきちんと話しておきましょう。その上で質問などがあれば聞いてくれます。
・当シナリオではエネミーは襲ってきませんが、話の流れでは腕試しとしてアヤメと戦うこともあるかも知れません。
・上手く話がまとまれば、今後字の氏族の領内での自由な行動や字具・字術との関わり、連城への自由な出入りなどが許されるかも知れません。
・話が拗れてもショウブとの関係は断たれませんが、活動がやりにくくなるかも……?
・アヤメは当主としてしっかりやっていますが、とある弱点を抱えています。それは咎人の皆さん全員に関わってくるものとなるでしょう。
マスターより
皆さんこんにちは。寂しい人はふらっと転んでしまうものだと思っている西川一純です。(何)
ショウブは勝負ではなく菖蒲だったのです。なので双子の姉はアヤメ。
二人の見た目年齢がどうしてこうも違うのかは追々明かされていくとして、まずは当主本人と交渉してみましょう。
字の氏族を率いる頭領……しかしショウブの姉ということは―――?
参加キャラクター
-
- シトロン(ma0285)
- 異能種|女
-
- 不破 雫(ma0276)
- 人間種|女
-
- フィリア・フラテルニテ(ma0193)
- 神魔種|女
-
- 氷雨 累(ma0467)
- 人間種|男
-
- 小山内・小鳥(ma0062)
- 獣人種|女
-
- シアン(ma0076)
- 人間種|男
-
- ラクス・カエルム(ma1196)
- 妖精種|女
-
- アルティナ(ma0144)
- 神魔種|女
- リプレイ公開中