天国
小湊拓也
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
カジュアル
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100SC
参加人数
3人~6人
優先抽選
50SC
報酬
200 EXP
5000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
3日
抽選締切
2021/04/18 10:30
プレイング締切
2021/04/21 10:30
リプレイ完成予定
2021/05/06
関連シナリオ
-
  1. オープニング
  2. -
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ

オープニング

 魔族という生物群に関して、確実に判明している事はただ1つ。
 人間と敵対している。それだけである。
 それ以外の事は、知りようもないと言うより、知ったところで我ら市井の民にとっては意味がない。
 魔族は、人間を殺傷せずにはいない。捕食のため、とは限らないのだ。あの者たちは空腹でなくとも人を襲い、殺戮欲を満たそうとする。
 我々にとって有意味なのは、ただ一点。
 そんな魔族から、どう身を守るのか。
 魔族の中で最もありふれているのは小男のようなゴブリンと大柄なオークであり、オークの方が腕っ節が強い。ゴブリンの方が弱い、とは言っても私のような一介の農民が鍬やスコップを振り回して応戦出来るような相手ではない。
 どう身を守るのか、という問題は結局のところ「誰に守ってもらうのか」という事になってしまう。
 軍は多忙を極めている。魔族が暴れているのは、この村の近辺だけではないのだ。
 我々を脅かしているのは、ゴブリンの群れであった。
 1匹のオークに率いられており、さながら野盗か山賊の如く村々を襲い回っていた。人死にも出た。
 皆殺しにされる覚悟で戦うしかないのか、と我々が絶望しかけたその時。
 ゴブリンよりもオークよりも醜悪な、あの男が現れた。
 男はヴォルガンテ伯爵と名乗り、世迷い言としか思えぬ話を我々に持ちかけて来た。
 7歳以上12歳以下の少女を、それぞれの村から数人ずつ、貢ぎ物として自分に差し出すように。そうすれば、あの魔族の群れを撃滅して見せる……と。
 こんな話を我々が承諾してしまったのは、やはり恐怖に追い詰められていたから、であろう。
 ヴォルガンテ伯爵は、怪力で振るう巨大な槌矛の一撃で、頭目のオークを叩き潰した。ゴブリンたちを、片っ端から粉砕した。
 オークやゴブリンがいささか気の毒に思えてくるような、この凶暴でおぞましい怪物を相手に、口約束を違えるような無謀さは我々にはなかった。
 少女たちを、貢ぎ物にするしかなかった。
 私も、一人娘のアリシアを差し出す事になった。
 近くの森に、いつの時代のものとも知れぬ古城が建っている。ヴォルガンテ伯爵は現在そこに住み着いており、今のところは大人しくしてくれている。
 大人しく古城に籠もって、少女たちを一体どのような目に遭わせているのか。あの、ゴブリンやオークよりもおぞましい男が。
 アリシアが今頃、どんな目に遭っているのか。ゴブリンに殺される、よりも酷い事になっているのではないのか。
 それを思うだけで、私は生きながら死んでいるような心持ちであった。
 妻は、寝込んでしまった。
 娘を人身御供に保身をはかるような夫を、責め立てるような事はしないまでも、絶望しているのは間違いない。
 私は、自分自身に絶望していた。
 誰に、守ってもらうのか。
 それを我々は、もっと考えて見極めるべきであったのだ。
 我々は、魔族よりも忌まわしき存在……魔人を、救世主として迎えてしまったのだ。


 父も母も心配しているだろう、とアリシアは思う。
 とりあえず、無事を伝えたい。
 このヴォルガンテ伯爵という男はしかし、巨大な豚のような外見に反して隙がなく、脱走はもちろん外部との連絡の機会すら掴ませてはくれないのだ。
「あ、アリシアちゃあぁん。キミ、お手紙書こうとしてたでしょおお。だだだダメだよう」
 ヴォルガンテが、息荒く語りかけてくる。アリシアは顔を背けた。が、醜い顔面が回り込んでくる。
「キミたちはねえ、ぼぼぼボクと一緒にいなきゃいけないのさあぁ」
 この男に叩き潰された気の毒なオークよりも、ずっと醜悪な顔。醜悪な身体。大量の脂肪の奥では、しかし猛々しい筋肉が確かに息づいており、巨大な槌矛を軽々と振るう怪力を生み出すのだ。
 森の古城。
 ヴォルガンテ伯爵の手配によって急ごしらえながら改装が行われ、今はそれなりに豪奢な城館ではある。
 アリシア以外の少女たちも、この大広間に集められていた。
 自分も含めて全員、この近辺の村々からヴォルガンテ伯爵に献上された。ヴォルガンテ自身の選別によって、貢ぎ物にされたのだ。
 この巨大豚のような自称伯爵には謎めいた財力があり、アリシアも他の少女たちも衣食住に不自由はしていない。皆、可愛らしく着飾らされている。動物の耳や尻尾を強制装着させられた娘もいる。
 された事と言えば、その程度だ。まあ全員無事とは言えるだろう。今のところは。
「ボクはねえ、キミたちの中から、ら、ら、ライト能力者を、探し出さなきゃいけないんだよう」
 ヴォルガンテが、意味不明な事を言っている。
「ボクを異世界転生させてくれた神様にねえ、命令されちゃったからねえ。あ、ああっ、あああんハーレム! 幼女ハーレム! 来た来た来たキタ異世界転生! ぼぼぼボクの時代が来たよぉおおおおおおおおおおん!」
「あ、あの伯爵様」
 アリシアは、愛想笑いを浮かべた。
「その、ライト能力者? っていうのが、あたしたちの中に本当にいるとして。どうやって見つけるんですか?」
「……考えてなかった……ハーレムだけで頭いっぱい、夢いっぱい」
 ヴォルガンテの醜い顔が、青ざめ、やがて紅潮する。
「きっキミたちのォ、かかかかかカラダをぉ調べてみるしかないのかなぁああああああ!」
「ひっ……」
 おぞましい巨体に迫られ、アリシアは怯え竦んだ。
「ち、ちょっと、やめて下さい! 来ないでっ! 嫌ッ、やめて、やめっ、調子に乗ってんじゃねえぞクソブタがぁああッ!」
 怯え竦んだ小さな身体が、反射的に動いていた。愛らしい平手が、巨大豚のような顔面に叩き込まれる。
 単身でゴブリンの群れを殲滅してのける怪物に、少女の平手打ちなど効くわけがない。
 にもかかわらずヴォルガンテは、大量の鼻血を噴いて倒れ込み、大広間を揺るがしていた。
 そこへ他の少女たちが、
「きめぇーンだよ、このハゲデブ!」
「何このだらしない身体、生きてて恥ずかしくないの? ねえ、ねえ、ねえちょっと」
「脂肉たぷたぷ揺れててマジうけるw」
「食べられもしねえ豚がよォ、何で生きてるワケ? 誰に生かしてもらってるワケ? とっとと死ねよ生ゴミが!」
「馬鹿でかクソザコ! ゴミ! 豚ナメクジ!」
「×××××××野郎!」
 罵声を浴びせ、物を投げつけ、蹴りを入れる。
 鼻血と涙を噴射しながらヴォルガンテは、
「あっ、あッ! あはふぅ、あっ! あっ、ああああありがとォオオオオオオオオオッ! きききキミたちの愛でぇ、ボクは最強になれる最高になれる! 何が来ても負けないっ! キミたちをぉ、誰にも渡しはしなぁーい!」
 巨大な肥満体を立ち上がらせ、脂ぎった悦楽の輝きを放った。
 まずい、とアリシアは思った。
 今、誰かが自分たちを助けに来てくれたとしたら。
 ゴブリンの群れを皆殺しにした時の状態をも超える、最強のヴォルガンテ伯爵と、その誰かは戦わなければならなくなる。

成功条件

条件1簒奪者ヴォルガンテの打倒
条件2-
条件3-

解 説

 簒奪者ヴォルガンテ伯爵(爵位は自称)を倒し、囚われの少女たちを救出して下さい。

 ヴォルガンテの攻撃手段は、怪力を駆使しての白兵戦。武器は大型の槌矛ですが、状況次第では素手で格闘戦を仕掛けてくる事もあります。
 近接攻撃のみですが、パワーとタフネスは侮れません。

 場所は、ヴォルガンテの居城の大広間。オープニングの直後、皆様に突入していただく事になります。
 非戦闘員の少女たちがいますが、一声かければ自力で戦闘範囲外に退避してくれるでしょう。

 この少女たちの中にライト能力者が本当にいるのかどうかは、オープニング時点では不明です。

 ご参加いただける皆様の中に「外見年齢12歳以下の女性」の方がおられた場合、ヴォルガンテの能力値に若干の上方修正が加わります。
 オープニングのように「ダメージを与えると元気になる」ような事はありませんので、普通にボコボコにしていただければと思います。

マスターより

 初めまして。マスター小湊拓也と申します。

 こんなお話ですが、よろしければご参加下さい。

 

 
 

参加キャラクター

  • レジオール・V=ミシュリエルma0715
    剛力種|女
  • 氷鏡 六花ma0360
    精霊種|女
  • ザウラク=L・M・Ama0640
    機械種|男
  • シアンma0076
    人間種|男
  • カナタ・ハテナma0325
    機械種|女
  • ハティ・パラセレネma0220
    異能種|女
リプレイ公開中

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