EXシナリオ: このシナリオはEXシナリオに設定されています。
参加料金が加算されていますが、リプレイの文字数が下限、上限共に2倍となります。

オープニング

「そうかそうか、天獄界においてもらえることになったか！　そりゃよかったな！」
　クラインやテルミナスは『SALFの同意』を受け停戦し、そして宇宙に旅立った。
　それは『ナイトメア』を全人類が赦し、受け入れたこととイコールではない。
　ましてやザルバともくれば、世界中に顔の知れた超大物である。
　仮に『ニア・ナイトメア』であり張本人ではないとしても、一般市民にそんなことを説明したところで感情を抑えて理解できるかというと難しいだろう。
　SALFはニア・ナイトメアの境遇を理解しているし、クラインやテルミナスの活動を容認し、支援し、作戦行動まで共にしている。
　だが、世間的にクラインやテルミナスの帰還をオープンにしているわけではない。
　ナイトメアは、未だに長居を歓迎される存在ではないのだ。
　ユーゴ・ノイエンドルフはそうした背景をすべて把握した上で、『よかったな』という。
「グロリアスベースにいてもらっても構わんっちゃ構わんし、これからも地球での作戦に協力する時には拠点にしてもらって構わんが、あー……まあ、気まずいだろ？」
「気まずい、という感覚は私にとって難解だ。しかし、快適に過ごせる環境であるかといえば、恐らくNOであろう」
　ザルバが答えると、ユーゴは腕組みして頷く。
「それに『ホーム』に戻るって目的があるんだもんな。……まだしばらく地球（こっち）にも顔を出すんだろ？」
「ええ。ホームの情報解析や、グリーンランド・インソムニアの調査などが残っていますからね。天獄界と行き来するような状態になるでしょうか」
　クラインが補足する。
　イデアゲートほど彼らの転移技術は高度ではない。
　そもそもイデアゲートのすごさは『イデア体』という概念情報体の転送に特化しているからであり、そうでない状態での転移は想定外となる。
　むしろ『生きたまま異世界に行く技術』に関しては、天獄界は後れを取っているくらいなのだが、ともあれ、サルヴァトーレ・ロッソなどで行き来するには、定期連絡船のような運用方法が必要となる見込みだ。
「そうか。ま、地球で何か手伝えることがあれば言ってくれ。……せっかくだし、俺もその新しい組織？　『ユニヴァースナイト』に入るのもいいかもな！」
　冗談なのか本気なのか、ユーゴはそんなふうに笑い飛ばした。

「……で？　なんでお前ら全員、私の天文台に押しかけてるんだ！？」
　コルニ (mz0016)がちゃぶ台をひっくり返しそうな勢いで叫ぶと、各々自由気ままに過ごしていた面々が視線を向ける。
　テルミナスは煎餅を貪り、クラインとザルバは将棋に興じている。
　マコトはずっと筋トレをしていて、クリュティエはまだソファで寝ている。
「もぐもぐもぐ……すみましぇん、身体検査のあとそのまま居ついてしまって……」
「おい、床に煎餅を零すなテルミナス」
「床など掃除すればいいだろう」
「お前は汗を垂らすなマコト。……クルハ！　おーいクルハァアアアア！！！！」
『うわびっくりしたぁ！？　急に通信術式でシャウトしないでよ！？』
　そう。クルハ (mz0014)はこの場にはいない。
　今は神殿で諸々、異世界人の居住についてサガルトの手伝いをしている。
「今すぐこいつらを何とかしてくれ。気が散って仕事にならん」
『えぇ……ちょっとの間くらい我慢してよ～』
「我慢ならん……いいから今すぐ引き取りに来い！」

　そんなわけで、異世界人の皆さんがぞろぞろと広場に集まっていた。
　着の身着のままで追い出された心細そうな異世界人を発見し、あなたとクルハはちょっとギョっとしてしまう。筋トレ途中の奴とかいるし。
「うーん、どこからどう見ても不審な一団だね……」
「あっ、クルハ！　待っていましたよ！」
「なんでテルミナスはカレー食べてるんだろう……ああいやいいです、広場でカレー食べてる人がいるってことはイーサンがどっかにいるんだろうけど、出てこなくてOK」
　大丈夫だろうか……。
　よくよく考えてみると、彼らは皆異種生命体であり、しかもその中でも戦闘にばかり特化していて日常的な生活が漆黒の方々である。
　これからしばらくの間、『ホーム』を攻略するまではこの天獄界で過ごしてもらうことになるのだが……。
「まずみんな、済むところ決めたの？」
　ザルバ含め、全員首を横に振る。
「お買い物とかできる？　移動手段は確保した？」
　ぶんぶんぶんぶん。
「俺たちは何も食べなくても死にはしないからな」
「いやそりゃそうなんだろうけど……こっちもなんか見てるだけで可哀そうになっちゃうからさ……。多少は天獄界に馴染んでほしいわけですよ」
　クルハがため息交じりに呟く。それからあなたに目を向け。
「しょうがない。私達でみんなが天獄界に住めるようにお手伝いしてあげよう！」
　なんだかんだでトラブルを起こすような面子ではないのだが、天獄界は他の世界とは違うことが沢山ある。紹介したいスポットも色々だ。
　あなたはクルハの提案に同意することにした。
「よーし！　それでは天獄界観光ツアーを開始する！　……とりあえずマコト、服着てもらっていい？　なんで半裸なの？」
「筋トレの途中で追い出されてだな……」

成功条件

条件1	異世界人に天獄界を案内する
条件2	-
条件3	-

大成功条件

条件1	異世界人がそれとなく天獄界での過ごし方を見つける
条件2	-
条件3	-

解　説

このシナリオには選択肢は存在しません。
このシナリオはフリーアタック（自由行動）シナリオとなります。

目的は天獄界に駐留することになった異世界人らに対し、天獄界での過ごし方を教えることにあります。
観光案内、一緒に遊ぶシナリオであると解釈して構いません。
「ビヨンド・ザ・ワールド」関連の登場人物であれば、プレイングに記載することでコミュニケーションが可能ですが、主に登場する（案内しなければならない）人物は以下の通りです。
なお、全員対応されていなくともシナリオを成功・大成功させることは可能です。

・クライン
クールで真面目でぶっきらぼうな性格。冗談が通じない。
ほっとくと一日中ベンチに座って日が暮れてしまうくらい無趣味。
最近、猫などのかわいい動物に興味を持っている。

・テルミナス
真面目ではあるが明るくて割と柔軟な性格……になった。
正義漢なので悪事は見過ごせない。平和主義者（物理）
なんでも全力で楽しめるタイプなので、案内するのは楽

・ザルバ
元地球侵略司令官殿。ニア・ザルバさん。
最近初めて酒を呑んで、ちょっと気に入っている模様。
眉間の皺の数くらいでしか感情を察知できないくらい無表情。
元々仲間になる予定はなかったのでカオス組の方。

・マコト
ザルバとどっこいどっこいのレベルで無表情。
趣味は身体を鍛えることで、それ以外には何もない。
昔はアニメやゲームが好きだった、という設定がある。

・クリュティエ
身体ばかり大きいだけで精神年齢的には赤ちゃんみたいな騎士。
元々はけっこう饒舌だったが、一回心折れてからは無口めになっている。
饒舌な方が無理していたので、こっちが素。
お箸もフォークもまともに使えないが、食いしん坊。

・クルハ
異世界人ではないが、一応いるということだけ書かれている女。
PCが対応していない異世界人などを接待している設定となるが、声をかけたり一緒に行動することも可能。

マスターより

ハイブリットヘブンをお楽しみいただきありがとうございます。運営チームです。
当シナリオはエピック「ビヨンド・ザ・ワールド」と関連する内容となります。
これまでの「ビヨンド・ザ・ワールド」のシナリオ展開が一区切りを迎えたことを記念するものとなります。

なお、シナリオ参加者には異世界人案内特典として「クラインの絆石」を1つずつプレゼントいたします。