オープニング
テンペストに現れた連続殺人鬼、クイックシルバー(略称QS)。何故か、咎人のアルベリヒ(mz0060)こと六条(リクジョウ)アルベリヒを執拗に殺そうとしていた。咎人達は六条家とQSのことを調査する。
その結果、QSの正体は鏡華と言う、咎人になることを目的とする養護施設の青年。
その養護施設のオーナーこそ、アルベリヒの名字、六条であった。
そして過去……鏡華はアルベリヒに密かな想いを抱いていた。
●エサ
時刻は夕暮れ時、咎人達は一人の男を尾行していた。男は能力者であり、最近巷で噂になっている連続強盗事件の犯人であった。
元暴力団所属、手口は力業で極悪。相手をわざと殺さず、追ってきた相手の足を引きちぎり、その悲鳴を楽しむ。禍根と恨みがご馳走と言う醜悪さだ。
まだ咎人達は強盗犯には気付かれていない。
『どうだ、まだ現れそうもないか』
咎人達の耳に、淡々とした青年の通信の音が聴こえた。それは天獄界エンブリオにいるアルベリヒの声だ。
今回咎人達はその極悪人の退治を受けたのだが、実際の目的は彼ではない。
そう、目的は連続殺人鬼QS。彼の殺しの獲物は、同じく極悪な犯罪者に限る。ならば、独りになった彼を奴は絶体狙うはず、と咎人達は見たのだ。
まだ、QSの戦闘力も方法も、何一つわかっていない。今回は偵察を目的としていた。
そのため、今回アルベリヒは通信のみの参加だ。
無論、QSが現れずとも、目の前の男は咎人達は倒す気ではいる。
要するに、この強盗犯はエサなのだ。
●黄昏時の混沌
日がかげってきた廃れた工場。その倉庫に男が入る。咎人達は、窓の一つから様子を伺った。
周りには、使われなくなった段ボールの積み荷がところ狭しと置いてある。中に入っていたであろう、梱包材がぶちまけられている。
ふと、奥まで進めば強盗犯が足を止める。
『こちらに気付いたか?』
「いい加減……いるのはわかっているんだぜQSよぉ!?」
刹那。
白い発光体が男の目の前に現れる。男が目をそちらに向ける、そしてその屈強な背後に一瞬にして『彼』が現れる。白いワンピースに、黒い長髪女性と変わらぬ華奢な腕つき。首には、ザクロの葉の家族をあらわす、あの銀色のチョーカー。
そして、此方の体を突き刺すほどの殺意。
QSだ。
『そうか、白い方はデコイか』
前回の河川敷での殺人の際もこうやって、背後から相手を感電死させていたのだろう。アルベリヒはそう、仮定する。
後はそう、この様に手のひらに、致死量の超高圧電流を纏わせて……
発砲音。
自らに迫る光弾をQSは間一髪で回避して距離を取る。ぞろぞろ、工場の入り口から男の仲間らしき奴等が入ってきた。
「気配だけで、半信半疑だったがまさか本当にいるとはなぁ」
オイ、男が仲間の一人に話し掛けると、仲間は男にたいして能力を施す。
男の拳は力を纏い、まるで重機のように硬く屈強になる。握り潰すも、圧し潰すも自由自在と言ったところか。
男は笑う。数の上で圧倒的有利、とでも思っているのかも知れない。
「…………」
対するQSはただ無言のまま能力を行使する。
普段と変わらず『自らそっくりの発光する分身を三体』出現させた。
『アレが本来の戦い方なのか』
咎人達が説明するとアルベリヒが呟く。そう、咎人達は今まで暴走状態のQSしか見たことがなかったが、これが普段の彼の戦闘スタイルのようだ。
突然の援軍に怖じ気付いた、男の仲間達だが、男は罵声をあげるように吠える。
「構うな! 数じゃこっちの有利は変わらん!」
「ふぇふぇふぇ……なら、ワタクシめが味方しましょう。我が女神よ」
それはいつの間にか居た。姿は浮浪者、ホームレスなんて言葉が似合うか。髭を蓄えた老年の男性が遠くから男に手を翳す。
「メタスターゼ」
その手を更にQSへ翳す。すると、男の強化と変わらぬ光をクイックシルバーは纏う。
ほぼ、同じ強化を手に入れたと言ってよいかもしれない。
これには、強盗犯の男にも微かな戸惑いが生まれたのか一歩後ずさる。
「ああ、あなたは何て幸せだ。我が女神より直々の裁きをその身に受けるとは。ある者達にこの都市の夜が解放されんとしても、無法者は数知れず。ならば、どうなるどうするか。そう裁けばいい、そして崇めるのだ!そう、この方こそ救世主!! この混沌を癒す者『彼』こそはこのヨを救う唯一の女神なのです!! ああ、女神よ。いつかこのワタクシにも裁きの光を浴びせてください!」
「ふぇふぇふぇ……では影であなた様を見守らせていただきます」
そう言ってから、男は戦いの邪魔になると考えたのか、自ら姿を消した。QSの方は、感謝どころか老人を気にもしていないようだが。
口早に自ら世界を捲し立て語る男に、咎人達は聞き覚えがあった。前回調査にあたって、こんな話を聞いたのだ。
QSを崇める過激な狂信者の存在。恐らく、今の老人がそうなのだろう。
『奴を捕縛しよう。ヤツは何か知っている気がする』
同じく、話を聴いていたアルベリヒからそう通信が入る。どうやら、今の台詞だけで彼は何かを掴んだようだ。
恐らく、この後QSは彼らを『掃除』するだろう。まだ、此方の存在は気付かれていない。今ならば、奇襲が仕掛けられる筈だ。
今、正に戦闘が始まる。
咎人がそちらに目を移した瞬間だった。それを見つけて、目を思わず見開いた。
10才くらいの子供が荷物の段ボールに隠れて、今の様子を見守っていた。急ぎ、アルベリヒに状況を通信する。
『なん……だと!? 急いで助けないと、巻き込まれる』
女の子だろうか、恐怖と不安で泣き出しそうなのにまるで何かを探すようにキョロキョロと必死に視線を動かしている。
だが、時間は誰も待ってはくれない。
強盗犯達と分身は動きだし、一人立ち止まったままのQS。だが、彼の周囲には雷が渦を巻き、彼の両手に収束を始める。彼は何か、一気に片をつける腹積もりのようだ。
こうして、様々な思惑と混乱の中戦闘が始まった。
成功条件
| 条件1 | 強盗犯達を戦闘不能にする(生死は問わない) |
|---|---|
| 条件2 | - |
| 条件3 | - |
大成功条件
| 条件1 | 子供に被害を出さない。 |
|---|---|
| 条件2 | 狂信者を捕まえる。 |
| 条件3 | - |
解 説
■廃工場倉庫内訳
内部には、沢山の段ボールが積まれていて、外の窓から咎人達は中を確認している。
『強盗犯』『クイックシルバー(QS)』『取り巻き×5』が戦闘をするようだ。
他に『子供×?』と『狂信者』が存在しているがこちらは戦闘に参加はしない。
・位置詳細
QSは強盗犯と取り巻きに挟み撃ちにされている。
狂信者は不可視のため、現在位置不明。
子供は取り巻きの近くにいるが、咎人達以外誰も存在に気付いていない。
■敵・その他情報
QS
白いワンピースと長い黒髪の連続殺人鬼。今回強盗犯を殺しに来たようだ。
攻撃に致死量の電撃を用いる(全ての攻撃に火傷のBS判定が入る)。他、ラウンドを跨ぐ無差別範囲攻撃有り。
新たに、三人の分身を作り出し、攻撃することが判明。
分身はそれぞれ異なる種類の攻撃を行い、QSが操っている為か『知性を用いるBS』は無効のようだ。
※QSは強盗犯達を倒せば、この場を去ります。
強盗犯
攻撃は能力で強化した拳で行う。掴み、殴り、高範囲へ及ぶ衝撃波、等。
取り巻き
遠距離からの光弾で攻撃。他に、回復、強化などの補助も持っている。
狂信者
QSを信仰する狂信者。攻撃はしないが、敵・味方のGSを自分、あるいは味方にコピーするスキル(R)を持っている。身を隠すスキル持ち。
現在、不可視。
※狂信者を咎人が捕まえても、QSは興味がないのか取り返そうなどと一切してきません。
子供
シールドなし。何かを探すように視線を左右に何度も動かしている。
※QSは子供の存在に気付いても、危害を与えたりは絶対しません。
※強盗犯達に子供が見つかると、人質に取られる場合があり難易度が一気に跳ね上がります。
マスターより
こんにちは、月宵です。今回のお話は、一時の閑話のようなものです。如何にして、クイックシルバーが闘うかの姿を偵察……する予定でしたが、色々とこみ合っているようです。果たして、皆様は全てを解決出来るでしょうか。
因みにアルベリヒは今回はエンブリオからの通信のみですので、戦闘への参加は出来ません。
それでは、御参加お待ちしております。
関連NPC
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- アルベリヒ(mz0060)
- 人間種|男
参加キャラクター
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- 桜庭愛(ma1036)
- 人間種|女
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- 麻生 遊夜(ma0279)
- 機械種|男
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- エレノア・ハーベスト(ma1133)
- 剛力種|女
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- 川澄 静(ma0164)
- 精霊種|女
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- 高柳 京四郎(ma0078)
- 人間種|男
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- マリエル(ma0991)
- 機械種|女
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- 姫小路・由梨(ma0849)
- 人間種|女
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- ソテル(ma0693)
- 神魔種|不明
- リプレイ公開中




