ウィージャボード
三田村 薫
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シナリオ形態
イベント
難易度
Normal
判定方法
エキスパート
参加制限
総合800以上
オプション
参加料金
50 SC
参加人数
1人~5人
優先抽選
50 SC
報酬
300 EXP
5,000 GOLD
5 FAVOR
相談期間
5日
抽選締切
2024/02/27 10:30
プレイング締切
2024/03/03 10:30
リプレイ完成予定
2024/03/19
関連シナリオ
-
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
 何がとは言わないが、今回の悪魔祓いのメンバーは戦闘力的な部分がなんかこうすごかった。
 多分だけどこういう雑魚悪魔の依頼に来るともったいないような連中である。害虫退治くらいの難易度だろう。
 しかし、彼ら彼女らはこの依頼に馳せ参じてしまった。
 故に、悪魔の短い悪夢が幕を開けたのだった。

「量産型スイートハートのような者が……ここでは意外と簡単に悪魔が呼べてしまうのですね」
 フィオナ・アルマイヤー(ma1253)はニヤニヤしている悪魔を見てそんな感想を漏らした。
 霧像界の特異点がアクティブだった時、相対したさほど賢くない悪魔スイートハート(mz0142)を彷彿とさせる悪魔だ。
「見たとこ何の変哲もないスタンダードなタイプだな、山羊頭は多いが搦め手で来たことが殆どない気がする……必要がなかったからか?」
 と、首を傾げているのは麻生 遊夜(ma0279)である。大抵の人間は暴力に怯えるので、ちょっと食器棚とか倒しておけば目的は果たせるのだろう。
「クラレンスさま、ウィージャボードのほうはお願いしますっ」
 川澄 静(ma0164)は悪魔を見据えたままクラレンスに依頼した。天獄界でも他の追随を許さないトップランカーの一人であり、今日もなんか威力がすごい。
「こんなもの!」
 完全に悪魔に背を向けるクラレンス。その彼を主に護衛するのはフィオナの役目だ。今回の遊夜は二枚目の壁であり、攻撃役である。顔がCJだと放っておけないユーグヴェル・ミラ(ma0623) は、守りが十分であるのを察して完全なアタッカーだ。静と遜色ない威力を持つ彼は、白と赤の炎纏う武器を持って、悪魔と相対する。ウィンプルで顔を隠しているのは、いずれ関わることがなくなってしまう自分とクラレンスの間に何かが芽生えるのを防ぐため。
「まあ、クラレンスさんを守りたい人ばかり。お姫様属性でしたのね」
 咎人の幾人かから気に掛けられているクラレンスを見て、ウェンディ・フローレンス(ma0536)がのほほんと言った。かくいう彼女も、いざというときのために黎明に綻ぶ蕾を用意している。本人がお姫様然としているが、その本質は騎士なのかもしれない。自らに再生刻印を付与し、消耗に備えた。
「ぱちゃ! ぱちゃぱちゃ!」
 クラレンスが置き時計でボードを割ろうとしているところに、ユーグヴェルのチョッパーがやってきた、エルフ曰く、CJ類似人物に対してのみ謎の人懐っこさを見せるらしい。餅つきの様に、クラレンスが時計を振り上げたタイミングでボードを突っついている。
 フィオナは気操闘法学で敵からの攻撃に備えた。これによって、彼女自身は積極的な行動を取れないが、死んだら取り返しの付かない異世界人を守ると言う意味では理に適った行動の一つである。更に真音調律学を展開し、音を操る。
「ま、良いか。普通にぶん殴れば良いだけだしな。さて、悪魔くん……一丁俺と一緒にダイスの女神様と踊ってみようぜ?」
 遊夜はニヤリ、と笑う。自らのシールド……纏うイデアを力に換えて、信念と矜恃の両腕に宿らせる。スピリットウェポンと化したそれらは、うっすらとオーラすら纏うようでもあった。
「僕も飛ばしたりぶつけたりは得意なんだよ」
 魔力解放、高速詠唱、そして三連魔。異能種の、魔法に対する適性を存分に生かして、ガトリングレイ十五連射という常識外れの連続攻撃をぶちかました。ガトリングレイは威力が漸減していくが、元の威力が高ければ何も問題はない。
「喪われし蒼穹の花(ルビ:クルハチャンカワイイ)ィ!!」
 ウェンディがエオハズの双呪刀を振るい、蒼光の斬撃を飛ばす。ルビの愛が重い。使い切るとウェンディの中でクルハ成分がなくなってしまうそうなので、帰還してから摂取するのだとか。
「まあ。お顔に傷がついてしまいますわ」
 獣人種の自己再生に再生刻印が反応し、今の攻撃で消費したライフを回復した。完全回復ではないが、種族とロールのスキルを上手に組み合わせた行動だった。住居程度の屋内で射程攻撃が使えるなら、移動に時間を割かなくても良いのだから。
 悪魔は言うまでも無くブレイクしているしもう大ダメージだが、そこに遊夜からシールドバッシュⅡが叩き込まれた。トップレベルの防御力を誇る彼の守りが転用された攻撃は、もはや「悪用」の域に入る威力を持つ。
「人に危害を加える悪魔は、疾く祓って差し上げます」
 静は神がかりの舞で周囲のイデアを取り込む。闇の気配が充満していることもあり、そのイデアは彼女に闇耐性を与えた様だ。闇の人幻舞を踊る彼女の背には、いつしか蝶の羽の様な物が現れている。極楽蝶だ。
 そして、彼女は白鞘巻を抜いて悪魔に接近した。牽制するように打ちかかり、エンゲージ。悪魔は静と向き合いながらも、突風を起こしてそこら中にある物を飛ばした。
「さて、これを使う咎人は何人いるか」
 こちらに向かって来たティーポットに対して、フィオナは自分の張り巡らせた調律学の結界で受けた。目の前で割れるティーポット。
「威力はそこそこですが、守りは鉄壁」
 拳に込めたオーラを繰り出す。暴風と衝撃波が、割れたポットの破片を散らして悪魔の横っ面を張った。確かに、射撃に比べると「そこそこ」ではあるが、剛力種でもあるフィオナの拳は相応に硬い。
「準備は整いました……それでは本気で参りますっ!」
 グレーシアスで鋭い舞の動きを披露した静は、音の書も開いて攻撃に本腰を入れた。魔を払う力を持つと言われている白鞘巻と、舞扇子になった音の書でイデアを操り、光の魔法を降り注がせた。威力が衰えない魔法弾の九連撃。静の威力がそのまま九回というのは純粋な「暴力」である。
 と言うことで悪魔は消えた。その身体は攻撃されている最中に光にやられて灰のようにぼろぼろと崩れていったので、やはりこの世の物ではなかったようだ。
「わたくし、悪魔と戦ったのは……はて。あったような」
 夢の中でね。
「ま、こんなもんか。流石にこの面子だしな」
 遊夜は苦笑しつつ、天獄界に連絡を入れる。
『それはそう』
 ジャイルズの返事はその一言に尽きた。
「クラレンスさま、ウィージャボードのほうはどうですか?」
 静が駆け寄る。一瞬で決着が付いてしまったので、まだ破壊は序の口である。
「壊してしまいましょうっ!」
 静が白鞘巻を叩き付けると、ウィージャボードは割れた。
「依代があるのは便利なのか不便なのか」
 フィオナが粉砕された呪具を見て首を傾げる。
「プランシェットも処分した方が良くない?」
 ユーグヴェルが進言する。割れたボードの破片と一緒に燃やす気満々だ。
「その予定だ。後は協会が始末する。みんなありがとう」
「ちょも!」
「君もね」
「ご覧の通り咎人は荒事大好きだから。困ったら遠慮なく呼ぶと良いよ」
 顔を隠したエルフは笑顔で神獣を構うクラレンスへそう告げた。
「……一人で頑張り過ぎないでね」
「ああ、僕は一人で戦ってるわけじゃないから、大丈夫だよ。そういえば、この前もマフラーをありがとうな。あれ、君だよね?」
 顔を隠しても、声は覚えられてしまうのだろう。
「長生きしてね」
「そのつもりだ」
「ちょも……ちょも……」
 チョッパーはまるでこっちが本当の主だと言わんばかりにクラレンスへ甘えた。
「人懐っこいんだね。でももうご主人のところにお帰り。なあ、君、僕が言うよりご主人が言った方が良いんじゃないか」
「ほら、帰るよチョッパー」
 ユーグヴェルはチョッパーを抱き上げようとしたが、
「ぱちゃーっ!」
 めちゃくちゃ威嚇された。
「どうして」
 絶句するクラレンス。
「それでこそ僕のパジャモだ」
 ユーグヴェルは頷くと、くるりと背を向けて立ち去った。チョッパーに貼り付かれたクラレンスはひとまず神獣を抱き上げ、
「まあ、良いか。この前のマフラーも、彼がいなくなってちょっとしたら突然消えたしな。何か回収の手立てはあるんだろうな……」
 呆然としながらも、そう理解を示したのだった。
「今日は、グスターヴァスさまはいらっしゃらないのですか……?」
 静が尋ねると、クラレンスは我に返り、
「ああ、グスターヴァスは別件で出てるよ。いつも彼がお世話になってるみたいで。今後ともよろしく。彼から声が掛かったらまた手伝ってよ」
 そう言って微笑んだのだった。

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