なんか思ってた銃撃戦と違う
岩岡志摩
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
エキスパート
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100 SC
参加人数
3人~6人
優先抽選
なし
報酬
500 EXP
10,000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
5日
抽選締切
2024/06/24 10:30
プレイング締切
2024/06/29 10:30
リプレイ完成予定
2024/07/17
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. 相談掲示板
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
●現場はカオス
 警察からの救援要請に応じた咎人達が、次々と現場に到着する。
「あ~もう! 滅茶苦茶じゃないですか!」
 不破 雫(ma0276)も思わず叫ぶほど、現場はカオスだった。
「不味いですね。男性陣が変装のせいかマフィアと見分けが付かない」
 そう言いながらも雫は攻防の様子から敵味方の識別をしていた。
 まず先制の陣を駆使した雫は先制を取りやすい陣形を組むと、続けて発動した暗殺術「闇帳」によって自身を闇に溶け込ませることで、自身の気配を消す。
 そのまま階段を一気に駆け上がった雫は、サブマシンガンで銃撃を続ける運び屋の背後に回り込む。
「ハゲ、禿とうるさい!」
 雫は加減した一撃を加え、運び屋は顔面を蒼白にして昏倒した。
 雫が運び屋の1人を無力化したことで暗殺術「闇帳」の効果が解除され、運び屋達は雫の存在に気づく。
「あいつら捕まえればいいの? おっけー、かしこまり! 任せて!」
 階段下の中央から進出したマルコム・レーナルト(ma0971)も先制の書によって、先攻をとることに成功する。
「それじゃみんな、各方面対応よろしくね。散開!」
 ワイルドハントを発動し、自身や味方のスピードなど各能力を向上させたマルコムは、スカイグライダーを飛ばして上空まで駆け上がり、階段上まで移動する。
「こら! むやみに銃なんか使ったら危ないでしょ!」
 マルコムは運び屋達の頭上より舞い降ると、叱咤と共にその1人へと加減した一撃を加え、無力化した。
「やれやれ、何だってこんなことに……ある程度収まっているのが救いか」
 麻生 遊夜(ma0279)がこれまでこの場で起きたことを知り、そう呟くと傍らにいた鈴鳴 響(ma0317)もコクコクと頷く。
「……ん、あとは暴れてる人だけだものね。……このままだと警察も危ない」
「爆弾魔やベビーカーの問題が残っていたら、さらに面倒だったからなー」
 幸い爆弾魔は捕縛され、ベビーカー同伴の女性達も既にこの場から退避している。
「ふむ、こうなると流れ弾が面倒だな。ちっとアピールしてこっちに注目集めるか」
 現状を確認できた遊夜(ma0279)は構成員達に狙いを定める。
「特に構成員の方……響、すまんが連れてってくれや」
「……ん、分かった」
 頼まれた響は承諾の意を返すと、遊夜はボディーガードを発動して響の護衛につく。
「……ふふっ、アピールするなら……これが良いかな」
 遊夜の護衛を受けた響は悪戯計画を発動することで、主要な行動をとるための力を補助的な行動のために転化する。
「……ん。楽しい楽しい……ボクの悪戯タイムの、始まり始まり」
 悪戯計画によって行動権を増やした響は、『天の光はすべて星』を自身に付与することで、自身の能力を向上していた。
 そのまま全力移動で構成員達を捕捉できる位置まで移動すると、ボディーガードの効果で一緒に移動してきた遊夜に向けてきらきらパーティクルを発動し、遊夜の周囲に花や光のパーティクルを顕現することで、遊夜の魅力を引き立てる。
 さらに響はあえて遊夜に向けて『親愛なる君へ贈る』を発動し、遊夜がバッドトリップⅡを使用できるよう務めていた。
「早い所投降するのお勧めする。抵抗すると……多分死ぬほど痛いぞ」
 バッドトリップⅡを駆使して『親愛なる君へ贈る』を解除し、自身の能力を向上させた遊夜はシールドバッシュⅡの発動へと移行し、守りの構えから体当たり気味に放たれる一撃が構成員のシールドを打ち破り、シールド半減効果も付与する。
(人的被害は避けたいので、出来る限り構成員や運び屋達は殺さないようにというお達しとは……)
 階段下中央より進出した更級 暁都(ma0383)は、今回受けた依頼内容を思い出し、ヒー・リショナー(mz0073)に確認をとる。
「出来る限り殺さないように、というのなら加減はするが……死なない程度に痛めつけても良いか?」
「その認識で問題ない。だが一般人へのスキル使用は厳禁だ」
 攻撃スキルは手加減ができないため、一般人に当たれば死亡する確率が非常に高い。
 それについては暁都も承知しているため、暁都は方針を少し修正する。
「そういうことならやむを得ん」
 暁都は射程内に構成員がいないことから、活殺自在エクスキューションではなく『蒼鷹翔舞』の発動に切り替え、燃え盛る蒼き焔のようなオーラを自身にまとわせる。
「あーもう面倒くさい! 風林火山で一気に叩きのめすっ!」
 続けて暁都は旋回戦闘二輪「大和」に騎乗した状態で階段を駆け上がり、構成員達を射程に収めると『蒼鷹翔舞』と旋回戦闘二輪「大和」の効果を駆使することで、風林火山へのカウントを短縮して終わらせ、発動した。
 ――動くべき時には風のように迅速に。
 ――動くべきでない平常時には林のように静観し。
 ――いざ行動を起こすときには烈火の如く侵攻し。
 ――守るべき時には山のようにどっしりと構えるべし。
「侵掠すること火の如く……風林火山っ!」
 次の瞬間、暁都より威力を増した一撃が構成員達へ繰り出され、構成員達のシールドを一撃で打ち破ると共に、既に遊夜の攻撃でシールドを失っていた構成員はその身を穿たれ、生命を削り取られる。
「またセンシティブ(髪)な話で揉めている様だな……え? 違う?」
 高柳 京四郎(ma0078)は銃撃戦を繰り広げている構成員と運び屋達(の一部)の発した罵声について、そんな評価をしていた。
 ただ今の京四郎は別のことが気がかりだった。
「くっ、まさか間違えて手に取ってきてしまうとは……!」
 京四郎が握る武器はとうきびブレイド。
 理由は不明だが、今回京四郎はそれを持ってきてしまったらしい。
「なんでよりによって手に取ったのがコレだったのか?」
 疑問を抱きつつも現状を確認した京四郎は、今いる場所から構成員を捕捉できないと判断すると、まず構成員との距離を詰める。
 構成員を捕捉できたところで京四郎は熟練戦士の心得を発動することで、自身の動作より淀みを無くしていく。
「お前達はシールド持ち、か……。なら手加減は不要だな」
 そのまま京四郎は『熟練戦士の心得』の効果で鬼焔斬舞へのカウントを終わらせて発動し、抜刀と同時に炎めいたオーラを全身にまとい、突き出されたとうきびブレイドを回しながら射程内に捉えた構成員達のみを打ち据え、一撃を受けた構成員達はその損傷を深めていった。

●構成員を倒します
 咎人達が介入したことで、構成員や運び屋達は銃口を咎人達に振り向け、応戦せざるを得なくなった。
「え~っと、良くお似合いですよ。本物のマフィアと見間違えました」
 再び先制の陣を発動することで、自身や仲間達が先制しやすいようにした雫は、運び屋達からの銃撃から警官達を守りながら、変装の上手さを褒めていた。
「そんな挑発に乗らないで下さいよ」
 その一方で雫は髪の話に過剰反応を示すチームリーダーをたしなめることも忘れない。
 ここで警官達の防衛に加わったヒーから一時退避を促されたことで、警官達は咎人達の戦闘を邪魔しないよう階段周囲から退いていく。
「流れ弾が危ないな」
 やや離れた場所でも、マスコムが暴徒と化した運び屋達の鎮圧作業を続けている。
「そんな時のお役立ちアイテム。パンダくん!」
 マルコムは『ハロウィンパンダくんの南瓜象』を近くに設置すると、その効果によって周囲にいた運び屋は『ハロウィンパンダくんの南瓜象』を優先して攻撃するようになった。
「ご注文のパンダ象です」
 近くを通り過ぎようとした別の運び屋に対し、マルコムはラインキーパーⅡを駆使して先回りすると、身体ごとぶつかってそれ以上の移動を阻止する。
「いいえ、オーダーミスです。頼んでいません」
 そう言いながらマルコムは手加減した拳の一撃で運び屋の意識を刈り取り、運び屋は地面に転倒する。
 警官達の退避を見届けた雫は運び屋達への対応を一時マルコムに任せ、自身は暗殺術「闇帳」を発動して再び気配を消し、修羅の舞へのカウントを続けながら構成員達の元へ向かう。
 その構成員達はシールドを回復させ、ガンアクションの一射を遊夜に撃ち込んでいたが、『砕けぬ矜持の右腕』を掲げていた遊夜の分厚い防御に弾かれ、少しシールドを削るのみに留まった。
「我が信念と矜持の楯は堅牢なり!」
 クランクインを発動した遊夜は構成員達に対し、堂々とした態度を貫くことで、自身に構成員達の攻撃を集める。
「この程度じゃ倒れてやれんなぁ!」
 遊夜はシールドバッシュを発動して肩口から構成員の1人と衝突した。
 その衝撃で構成員は再びシールドブレイクに陥り、体勢を崩す。
(ユーヤの挑発を強化したしておこう、ここまでやれば注目を集められるはず)
 響は遊夜が発動したクランクインに合わせる形で『導に星を』を発動し、挑発効果をさらに強化していた。
「……ん、ふふっ。……ボクのユーヤは、強いでしょう?」
 『天の光はすべて星』の効果を使い、『廻らぬ星の逆さ花』へのカウントを縮めた響は、『親愛なる君へ贈る』を発動して構成員の1人が持つ抵抗を低下させると全力移動で構成員達の周囲を全力でぐるぐる回り、最終的には遊夜の腕に抱き着く。
「構成員は元より、運び屋さんらの攻撃も引き寄せられると良いね」
 響は既に付与していたきらきらパーティクルによって、遊夜の魅力が離れた場所にいる運び屋達にも伝わることも期待していた。
「戦闘不能になるまで追い込むか」
 京四郎も熟練戦士の心得が効果を発揮している間に『咲き乱れる蒼月』へのカウントを終わらせて発動し、魔力を使って自身や仲間を強化する。
「これらの技だと一般人にはさすがに殺傷力が高すぎるしな」
 『満開』を発動した京四郎は満開に咲き誇る花たちのように、『熟練戦士の心得』や『咲き乱れる蒼月』の効果でカウントを短縮できた『月下花剣』と『鬼焔斬舞』をそれぞれ『開花』させた。
 『月下花剣』によって京四郎は月夜の下に一瞬だけ咲く花の如く、刹那の一撃を射程内にいた構成員達へと叩き込み、構成員2人のシールドを破砕すると共に、既に遊夜によってシールドを失っていた構成員は一撃を浴びてさらに損傷を深めていく。
 さらに京四郎が炎のようなオーラを纏って繰り出した『鬼焔斬舞』は、構成員3人をまとめて薙ぎ払い、その生命を削り取った。
「これもまぁ、サービスだ。遠慮せず受け取ってくれ」
 京四郎が極光弾を発動し、放たれた光の波動が構成員達のみにその威力を炸裂させ、さらにその身やライフを削っていく。
「得意の銃撃戦ができないようにしてやる!」
 暁都は構成員達が全員シールドブレイクになった隙を見逃さず、『蒼鷹翔舞』の効果がある内に双撃乱舞へのカウントを終わらせて発動し、複数の攻撃種別を使い分けての乱舞攻撃が構成員達に攻撃を重ねていく。
 続けて暁都は狂喜乱舞を駆使してもう一度『双撃乱舞』を発動し、さらに連撃を構成員達に叩き込んだ。
(ここで鎮圧して、被害が大きくならない様にしましょう)
 そして構成員達の至近まで忍び寄っていた雫は、京四郎や暁都の猛攻を浴びて後退した構成員に向けて残影斬りを発動して斬りかかる。
 不意打ちと化した骨刀剣「死狂」の斬撃が構成員のライフを根こそぎ刈り取り、倒れた構成員は階段を転がり落ちていく。
 残る構成員2人に対しても、雫は修羅の舞へのカウントを終わらせて発動し、瞬時に斬り付けた。
 斬撃を浴びた構成員達は、ダメージと共に行動を封印する呪いを付与されたところでライフが尽き、階段上に倒れ伏す。
「おまえら弱すぎ! 歯ごたえない! 強くなって出直してこい!」
 暁都が沈黙した構成員達にダメ出しをする中、組織のボスは両手を挙げ降参した。

●運び屋も無力化します
 ヒーや待機していた警官達の手で投降したボスや倒れた構成員達が運ばれていく中、咎人達は残る運び屋達の鎮圧を本格化させる。
 一方運び屋達も咎人達へサブマシンガンの銃撃を浴びせかけるが、咎人達のシールドに弾かれ続けている。
(武器で叩きのめしたら死ぬしな……)
 運び屋達の無力化に加わった暁都は、運び屋達が一般人であることを考慮しながらその1人に狙いを定めた。
「手加減して攻撃してやる……有難いと思え馬鹿共」
 そう言い残して暁都は運び屋との距離を一気に詰める。
「おまえら汚物は消毒だ!」
 叫んだ暁都は加減した一撃で運び屋の腹を打ち、その一撃で運び屋は気絶して倒れこむ。
「あー、まぁ、こんななりの得物だが、当たるとそれなり痛いからな?」
 京四郎はとうきびブレイドを見せながら、残る運び屋達に投降を促していた。
 しかし運び屋達に降参する様子が見られないことから、運び屋の1人との距離を詰めると、加減した一撃でその意識を刈り取った。
「またつまらぬものを斬ってしまった……」
 実際に斬った場合、威力が高すぎて運び屋が死んでしまう可能性もあったので、京四郎は拳による加減した一撃で運び屋を無力化していた。
「というよりも、妙なもので斬ってしまった……か?」
 見かけは妙なものでも、武器として十分通用するのは確かだった。
 少し前に構成員との戦いに加勢していた雫も、いまは再び運び屋達の鎮圧に復帰している。
「色々と煽っていますけど、貴方だってかなり生え際が後退しているじゃないですか」
 その中で雫は、運び屋の発した警官のチームリーダーの髪に向けての悪口が運び屋自身にも当てはまると指摘していた。
「数年後には五十歩百歩ですよ」
 運び屋からの回答を待つことなく雫は一気に間合いを狭めて肉薄し、雫より加減した一撃を受けた運び屋は昏倒する。
「あとは響や他の人の回復用に抱擁領域を使うとしようか」
 遊夜は自身のシールドで銃弾を弾き返しながら、響や他の仲間達が消費したライフの回復にも意識を向ける。
 可能な限り響や他の仲間をカバーできる位置まで移動した遊夜は抱擁領域を発動し、放たれた癒しの光が響たちのライフを回復すると共に、身を護る加護を与えていく。
「……ん、逃がさない」
 少し前に悪戯計画の効果が解除された響は、廻らぬ星の逆さ花へのカウントを終わらせて発動し、幻影のアクシャ・ヤバタを顕現してその力により周囲に強力な結界を展開する。
「……投降しないの? まだ遊んでくれる?」
 神魔飛行で宙に浮かび、唇の端を吊り上げて凄みのある笑みを形成した響は運び屋達に投降を促す。
「クソみたいな生き方をやめて真人間になれよ」
 そしてマルコムもチェーンロックⅡを発動して自身のシールドを変質させたオーラの鎖を放ち、運び屋の1人を絡めとると近くまで引き寄せた。
「うわー、爆弾魔が落としていった爆弾だぁ!」
 続けてマルコムはどことなく演技めいた叫びと共にファイヤーフラワーを発動し、轟音と光がその場に炸裂する。
 運び屋達はファイヤーフラワーによる音や光に眩惑されたのか、銃から手を放して耳や目をおさえ、その場に蹲る。
 その隙を他の咎人達は見逃さず、運び屋達は次々とその意識を刈り取られていった。

●鎮圧完了
 運び屋達も全員その場に倒され、待機していた警官達は昏倒した運び屋達を拘束して順次連行していく。
「やれやれ、何とかなったか……響もお疲れさん、頑張ったな」
「……ん、ユーヤもお疲れ様……被害は無さそう、かな? 良かったねぇ」
 遊夜が響の労をねぎらうと共にその頭を撫でると、響も被害なしで鎮圧できたことを喜ぶと共に、遊夜を労っていた。
「さて、帰って一杯やるか。あぁ天獄界でなら違法じゃないだろう?」
 京四郎は近くにいた警官に確認をとると、警官は『どうぞご自由に』と応じる。
 帰路につく中、京四郎はとうきびブレイドをしげしげと眺める。
「意外とこれでもいけるな……しかし、なんかチェーンソーなんて単語も脳裏に浮かんだが何故だろう?」
 京四郎の疑問に答えられそうな人は、その場にはいなかった。
 なおマルコムは警官達の許可を得た上で、意識を取り戻した運び屋達に向け、話術スキルも駆使する形でいくつか『指導』を行っている。
 ――健康に気を付ける。
 ――三食きちんと食べて夜は寝る
 ――適度に運動し真っ当に仕事する。
「そんな真人間になりなよ」
 マルコムの『指導』がどこまで運び屋達の心に響いたのかは定かではないが、後のことは現場の警官達がなんとかしてくれるだろう。
 こうして情報量の多すぎる銃撃戦は、咎人達の手で無事鎮圧された。

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