資源回収:あの場所へ、もう一度
三田村 薫
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
カジュアル
参加制限
総合600以上
オプション
  • ハーフ
参加料金
50 SC
参加人数
1人~2人
優先抽選
50 SC
報酬
500 EXP
10,000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
2日
抽選締切
2024/07/09 10:30
プレイング締切
2024/07/11 10:30
リプレイ完成予定
2024/07/30
関連シナリオ
  1. オープニング
  2. -
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ
●浦の菖蒲
 紫明(ma1226)はクローデットを連れて宝石の花畑へ向かった。
「ヨロシクね、資源屋の店長」
 案内を頼みたいらしい。
「はい、紫明おねえさま、よろしくお願いします」
 女児店長はぺこり、と頭を下げる。紫明は、貸し出されたダイヤモンドの鎌を光にかざし、
「金剛石の鎌で刈り取るってのも、贅沢な作業に思えて来るわ」
 何せ宝石尽くしだ。探せば、バイオレットサファイアの花もあるだろう。ただし、紫明がここに来た、本日のお目当てはまた別の物であるようだ。
「際立つ水色の花を土産にしたいのよ。曹灰針石の菖蒲、ラリマーのアイリスね。土産ありきで仕事してるなんて不謹慎かもだけど、くはは」
 曹灰針石の中でも、青く、日の差す水を思わせる物をラリマーと呼ぶ。
「浦のサエの婚礼の祝いに……つって、浦の事ばっかりね私。くはは」
 そう言って笑い飛ばすが、
「サエおねえさまと紫明おねえさまはお友達ですものね。わたくしもいっしょにさがします! アイリスがお好きなのですか?」
「別の依頼で菖蒲園に行った時、仲間が菖蒲の葉は刀に例えるって言ってたのよ」
 他の世界でも、同じアヤメの仲間が「剣」を意味する言葉で呼ばれている。「グラジオラス」と言う花だ。
「曹灰針石は穏やかな海みたいな水色の石ね。こいつも宝石に詳しい仲間に聞いて来たのよ」
 その仲間は、今回は参加できなかったようだが、
「激励されたから気合い入れて行くわ」
 と言うわけで、
「浦の海みたいに穏やかな水色に、刀に譬える菖蒲の花。探すわ」
 あの日、クローデットも一緒に見た浦の海。穏やかに凪いだ、さざ波を湛えるあの海。その中から取り出したような菖蒲は、きっと浦の侍であるサエを彷彿とさせるのだろう。
 籠に、目に付いた花を納めながら、二人して曹灰針石の菖蒲を熱心に探す。ラリマーは透明度が低いので、透き通った宝石の傍にあればよく目立つ。
「あったわ」
 やがて、紫明が低く呟いた。鎌で根元から刈り取り、人を起こすように取り上げる。陽に当てると、穏やかな水面のように、美しい水色を見せていた。紫明は微笑む。友に会ったように。
「サエおねえさまにさしあげるのですか?」
 クローデットが尋ねると、紫明は首を横に振り、
「世界を跨いだ物は消失しちゃうだろうから、侍屋敷に飾るつもり」
 それを懐に収めた。

●腕一杯の奇跡を
「まあ、ダイヤモンドの鎌。これが伝説のセレブ鎌。なるほど、セレブの草刈りはこういうのを使うべきということでしょうか。セレブの道は深く険しいのね」
 ウェンディ・フローレンス(ma0536)は鎌を渡されると、そんなことを言って何やら納得したようだった。
「この鎌を持てば猫も杓子もセレブですわ!」
 それに乗っかるステファニアに見送られて、花畑に出発する。日の光を浴びて、様々な色に輝く花々。
「綺麗なところ。こういうところが増えればいいのに」
 そよ風に髪をなびかせながら、呟く。
「こういうところは、一人よりもみんなで来たいものですわ。観光地になれそうなところがいくつかあったような」
 見せられた再訪リストには、話を聞くに、滞在するだけでも楽しい、みたいなところもある。もし資源回収ではなくて、観光地として行っても良いよ、と言われたら、
「もちろん、来るとしたら……」
 一緒に来ることを想像するだけで笑顔になれる人というのはいるものである。
 こんな平和な仕事は久しぶりだ。本当に、色々なことがあった。激動だった。それを乗り切って見る花畑は、何か感慨をもたらすのだろう。
 いつかと同じように、タンザナイトとかブルートパーズとか。そんな花があったら素敵だと思う。青い薔薇の宝石と考えると、なかなか乙な物だ。
「ブルートパーズ。クルハちゃん……。今度こそ、今度こそッ……!!」
 欲望もといこの気持ちを伝えたい。
「ふ、ふふふ」
 何やら想像してにやにやしているウェンディ。
「お花といえばブーケとか。宝石なら指輪まで……もう、やだやだ♪」
 どう見ても結婚を夢見ているセレブである。
「ふふふ。宝石の青薔薇のブーケとか、お持ち帰りできないかしら?」
 煌めく、奇跡の青薔薇ブーケ。大好きなクルハちゃんと一緒に抱えられたら。そんな光景ににやにやが止まらない。
 各種スキルを使えば、光を超える何かになれるのではないか。そんなことを思いながら、虹の落涙を一つ。雨の様に降る雨上がりの光が、宝石の花たちを更に輝かせる。
 青い花を籠一杯に詰めて、ウェンディは楽しそうに笑っていた。

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