浪狼~一匹狼と骸骨剣士
瀬川潮
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シナリオ形態
ショート
難易度
Normal
判定方法
カジュアル
参加制限
総合600以上
オプション
参加料金
100 SC
参加人数
3人~6人
優先抽選
50 SC
報酬
300 EXP
5,000 GOLD
10 FAVOR
相談期間
3日
抽選締切
2022/03/01 10:30
プレイング締切
2022/03/04 10:30
リプレイ完成予定
2022/03/23
関連シナリオ
-
  1. オープニング
  2. -
  3. -
  4. 結果
  5. リプレイ

「よし、討伐隊は集まった。案内してくれ、ゼンゼン!」
 牧場の監視担当者の声。周りには咎人が馬やバイクにまたがっている。。
「場所はここから南南西の森。目標はスケルトン約十体。街方面への突破を防ぎつつ殲滅してくれ!」
 ゼンゼン、馬に拍車を掛けつつ飛び出した。なかなか颯爽としている。
「まだ若いですけど、度胸が据わってますし手慣れてますね」
 続く氷雨 累(ma0467)が感心する。騎乗は大狼「マーナガルム」。
「オルメタ界は初めてですが、こんな子どもばかりなのでしょうか?」
 フィリア・フラテルニテ(ma0193)は、慎重にこの世界の知見を深めようという構え。もしそうなら戦いも楽できると……いやいや、実はあまり深い考えはない。駆るは灰色の鹿「仙の角」。
「あのワルガキは特別だよ。好き放題悪さしてるから経験値の塊だ」
 牧場の担当者の評である。
「悪さしてるんだー」
 鳳・翼(ma0424)、それはいけないんじゃないかなー、な様子。牧場から借りたポニーにちょこんと乗っている。
「堅気に人にぶつかって倒したくせに怒鳴り散らすマフィアがいれば、財布をスッて慰謝料だと倒れた人に中身の一部を渡したりね。自分の分もちゃっかりちょろまかして」
「それは、放置していいのですか?」
 大型バイク「「プルガトリウム」を駆る更級 暁斗(ma0383)が気になって聞いた。
「落とした財布を拾ってその礼金だけ抜いて本人に返してるだけだ、って言い張ってるね。……相手にはバレバレだけど、その相手も悪ガキ時代にさんざんやった手口だからって見逃されてるらしい」
「まあ、堅気に迷惑かけたんなら妥当な報いだな」
 同じく「プルガトリウム」に跨る麻生 遊夜(ma0279)が言い切る。このあたりには厳しそうだ。
「……ん、ユーヤがそういうんなら間違い、ない」
 隣の鈴鳴 響(ma0317)、こくりと頷く。巧みにエアボードを乗りこなし追走しながら。
 とにかく街を離れ砂塵を散らし荒野を急ぐ。

 やがて遠くに森が見えてきた。
「……ん、天気良好……視界問題なし、そろそろ予定地……」
 響がやや高度を取って遠くを見た時だった。
「どうした、響?」
「……ん、目標視認。ちょっと右手側を街方面に向かってるね、ユーヤ」
 遊夜の問いに指をさして答える。
「いるねー♪ 荒野を急ぐ骸骨の列なのだ♪」
 翼も確認。すでにポニーの首を巡らせている。
「派手にそっちに向かって引き付けよう。全馬、突撃!」
 ゼンゼンの指揮で全部隊がカクン、と右手側へ折れた。すぐに速度を上げて突撃体勢に入る!
「ここでもスケルトンですね。……もちろん退治に尽力しましょう」
 フィリア、世界は変われどクリーチャーは変わらない、とばかりに神杖「神愛の飾杖」を準備。いつもと変わらぬ姿勢を見せる。
 やや変わった反応を見せたのは、暁斗。
「……剣士?」
 つぶやきの通り、スケルトンは剣と盾で武装していた。
 瞬間、ほんの少しだけ目の色が変わった。
「敵ですが、闇掟界にも剣士がいるんですね……戦い甲斐がいあります」
 淡々とつぶやく。むしろその口調、迫力。
 いや、暁斗だけではない。
「骸骨剣士……うん、剣士ということなら負けるわけにはいきません」
 累だ。
 にこやかな目がいま、ほんの少しだけ細められた。すでに臨戦態勢だ。


 この時にはすでにスケルトン側も咎人部隊を発見。剣を振り上げ向かってきていた。
「……ん、もう戦いは始まってるね?」
「おう。そうだな」
 響の問い。答える遊夜は強弾薬をぐびり。そして響はキラキラパーティクルを遊夜に。
 で、一気に前に出る!
 敵ももう目の前だ!
「それじゃ相手をして貰おう……俺の屍を越えてみろや、ホネ共が!」
 高らかな喝とともに接敵。
 バイクを降りると同時に激突した!
 がしぃ、と響く鈍い音。
 まずは敵の攻撃を大盾「砕けぬ矜持の右腕」でがっちり受け止めている。
「……ん、ふふ……ユーヤがキラキラ。……ん、ボクも頑張る……新世界、創造」
 響の展開する常夜の世界に遊夜がキラキラ。黒服で歓楽街のアレな人ではないが、敵から見ると目立ちまくりで寄って来る。

 ここからの展開は速い!
「ありがとう」
 大狼から飛び降りた累、大太刀「絶華氷刃丸」を抜刀。
 その刃は波紋を走る青白い光とともにぐぐん、と伸び遊夜の左にいるスケルトンに斬撃を見舞った!
 盾で防がれようが衝撃で敵はバランスを崩す。もちろんシールドを全部消し飛ばす一撃だった。
 が、もちろん盾を持つ剣士は心得ている。
 受けて、攻撃。
 この呼吸を。
 剣士である。
 だから、盾ごとバランスを崩しながらも右手の剣が累に向かっていた!
「骨だけの姿で、なお!」
 もちろん、累も剣士だ。
 すでに二の太刀は返す刃として出た後!
「剣士たる振る舞いは称えます」
 剣使いとして認めたうえで、渾身の力で斬り上げた!
 このブレイクキルはとどめとなり、敵はガラリと崩れ消失した。

 こちら、遊夜の右。
「天獄界剣士、更級 暁斗、推して参る」
 暁斗、淡々と名乗ってバイクを乗り捨てた。バイク、消える。
 名乗った理由は正々堂々と戦うため。
 敵にこちらを向かせたのだ。
 当然、スケルトンが先手を取ることになる。
 振りかぶった剣が暁斗に向かって振り下ろされる!
 ――がきっ!
 斬られた音ではない。
 受けた音でもない。
 抜刀した大太刀「滝昇」が、敵の斬撃の出鼻を打ち落としたのだ。
 臆せず!
 破霊円舞で!
 自ら深く踏み込んでッ!
 ――なんだ?
 体勢を崩した敵の空虚な眼孔がそう問うたように見えたのかもしれない。
「……剣は、更級心刀流」
 空絶、壱ノ太刀「鱗薙」で完全に敵を葬った暁斗。手向け代わりに流派を呟くのだった。

 ここで戦況全体を見てみよう。
 彼我の戦力には数的な差がある。
 咎人側は遊夜、累、暁斗の活躍で最突出地点は制圧していたが、数に勝るスケルトンが包囲や背後を取る構えを見せていた。

「そうはさせないのだ♪」
 そうした敵の動きに翼が対応。マジックアローを放って制していた。
「仕方ない」
 ゼンゼンも上がってきた。
 投擲用のナイフを手にしている。
 これに翼が気付いた!
「新しいクラスの試しに丁度いいのだ♪」
 無邪気に口から八重歯をちょこんとのぞかせる笑みを見せると、神杖「神愛の飾杖」を元気にぐるん。
「いっくよー♪」
 ゼンゼンにガーネットエナジーで攻撃補助。ゼンゼンの投げナイフが驚異的な威力で命中しスケルトンの前進を止めた。
 それだけではない!
「隙ができたんだったらもう魔法援護はいいよねー♪」
 今度は自分援護だ!
 淡い輝きのオーラを纏い大地の精霊の力を肉体に憑依させ……
「ホネなら叩いたほうが効果高いかな? かな?」
 疑問ではない。
 やってみればいいよね、という自己表現だ。一気に砂塵を散らし敵の大外へ大激走!
「思い切り殴るよー♪」
 宣言の通り、殴る・殴る!
 敵の集団戦術を崩していく。

 一方、翼と反対側。
「荒野に咲く花はありませんが……」
 フィリアが大鹿から下り積極的に前に出ている!
「せめて光の蝶で生命の喜びを表しましょう」
 使役される羽で光の蝶を創り出し放つ。
 スケルトンに着弾する閃光。
 また飛ぶ光の蝶。
 その輝きの中、フィリアが敵を求め踊るようにすり抜ける。
「緑の潤いももちろん必要です」
 今度はペリドットシャイン。深緑に輝く光弾でうるさいスケルトンを黙らせる。
 振り向いて、次。
 今度は別の方を向き、かざす。
 振るう神杖「神愛の飾杖」は、緑を基調にした花々の装飾が美しい美愛の神「アイシス」の加護を受けた長杖。
 スケルトンに安らぎをもたらすがごとく、不毛の大地に恵みをもたらすがごとく。

 この時には響の準備が完了していた。
 その手にはいつの間に出現したか、名状しがたき銃が!
「……ん、逃がさないよ……ふふっ、うふふ……さぁ、遊ぼう?」
 響、クスクス笑みを湛えている。
 狙うはどれだ?
 犠牲者を求めて巡らされる銃口。
 その銃こそエレメンタリスト最高傑作の銃器、幻夜遺物。
 いま、赤い瞳の狙った先に照星がピタリ。美しく放たれた一撃が……
 いや、一発ではない!
「……ん、その範囲に固まったのが運の尽き」
 デスペラードだ。複数の弾道が行く。
 まずはフィリアが一撃を入れた敵を、粉砕!
 続いて暁斗と戦っていた敵も、殲滅!
 ついでに遊夜の横についていた敵は、シールドブレイク!
「……ん、まだまだ」
 フィリアが次にシールドブレイクさせた敵にチェーンしてブレイクポイントを叩き込んでいく。
 もちろん、遊夜が一撃入れた敵にも追撃していく。
「……ん、お仕事は誠実に……コツコツと。今日も今日とてユーヤと一緒」
 五・五・五、七・七のリズムで詠みながらぶっ放していく。

 その遊夜。
「お。翼さん元気いっぱいだな」
 中央から左に流れ、殴りに出てきている翼の援護に回っていた。
「魔法系タンクだけど防御は心許ないから助かるのだー♪」
 翼、遊夜がチェーンロックした敵を心置きなくぶん殴る。
「おお。楽しそうなのは何よりだ」
 そういう遊夜も別方面から来た敵に火光隠しどーん!
 そこに響の追撃の一撃が飛んでくる。

 なお、こっち側には累もいる。
 ゼンゼンも戦っているがすすっと移動した。対峙していた敵を放置して。
「ゼンゼンくん?」
 累、驚く。
「あと頼む」
「眠って下さい、僕らの様に戦い続けることはないからね」
 入れ替わりに攻撃した累。氷の華のオーラが散り咲き葬る。
 そしてゼンゼンの方を見た。
 で、理解する。
「……逃げようとする敵を追ったみたいですね」
 しかし、心配はしていない。
「でも、フィリアお姉さんがいますから」
 そう。
 フィリアが神魔飛行で浮いていた。

 そのフィリア。
「逃げ出す敵もいるのではないかと思っていました」
 ゆったりと旋回したのは神降ろしの舞のひとくさり。
「そこまで逃げれば誰も巻き込みません」
 くるっと敵の方に向いた時には、スフィアバーストど~ん!
 この時、フィリアの近くでは。
「剣士として思いっきり戦えるのはいいですね……」
 暁斗が最後の敵を屠って剣を鞘に納めていた。


「ゼンゼン!」
 スケルトンを全滅させて牧場に戻ると美しい女性が帰りを待っていた。
「また。……保護者のように」
 ゼンゼンはため息。
 下宿の家主がここまで来ていたのだ。
 咎人たちは「だれ?」との視線を送る。
「……ナーナ・ハミングといいます。皆さんもよろしければウチのアパートでお茶でも飲んでいってください」
「お茶会ですか、ありがとうございます。ぜひぜひ頂いちゃいます」
 ナーナの誘いにフィリアが明るく応じる。
 これで打ち解けた雰囲気に。
 場所をアパートに移した。

「ゼンゼンはここに住んでいるわけじゃないの。空き部屋に勝手に上がり込んでるだけよ。野良猫みたいに」
 全員に紅茶を淹れながらナーナは微笑する。
「好きに使っていい、って言ったくせに」
 ゼンゼンは口をとがらせている。一応、ベッドを使った後は枕の下に金を忍ばせているようだが。
「あ。それじゃ、いただきますね」
 累、口論になるかもと気を利かせてカップを手にした。
「はふぅ、お茶が美味しいー♪ まったりとしちゃうのだー」
 翼も気を利かせて……というか、純粋にたくさん暴れてのどが渇いていたようで。
 この様子にナーナも笑顔になる。
「それで、皆さんはこの街にどんなお仕事でやってこられましたの?」
 給仕を終えて席に着き改めて聞いた。
「えーと。僕、まだこの街に詳しくなくて……ゼンゼンくんはいつもどこで遊んで……」
 累、ゼンゼンに話題を振った。
 ちなみに言葉が止まったのは、子ども扱いしてしまったかもという配慮から。
「遊び? 遊びならマフィア相手が楽しいね。映画関係は意外と遊びにならないかなぁ」
 悪戯そうに答えるゼンゼン。
「こら。そういった楽しさじゃないでしょ?」
 どうやら「遊ぶ」を「ちょっかい出して小銭を稼ぐ」の意味で答えたようだ。すぐさまナーナに怒られた。

 これに激しく遊夜が反応した!
「ほう……マフィア。聞けばどこぞのファミリーが堅気にも手を出してるらしいなァ」
 ぱしん、と拳を手の平に打ち付ける。
「へえ。もしかしてもう首突っ込んでる?」
 ゼンゼンが楽しそうに聞いた。もう突っ込んでるな、な視線である。
「さてな? どこか狙われてる場所はあるかね?」
 遊夜は素知らぬ風に。何かしやがったらただじゃおかねぇ、な態度で返す。
「まあ、噂話で聞いた程度ですよね」
 これに累が慌ててワンクッション置こうとしたのだが!
「渡世人は犯罪組織の一員なのですか?」
 暁斗が身を乗り出した。累、汗たら~。
「マフィアのことなら……平気で法律を破る犯罪組織ではあるけど、治安を守る一面もあるかなぁ。ま、毒にも薬にもなる集団だね」
 ゼンゼンが突き放すように答えた。
「じゃあ、法で裁けないこと……例えば弱い者を助け、強い者を挫くことを極めた極道のようなものですか? 極道なら組同士の争いがあってカチコミもあるんですか?」
 暁斗、無表情なのにやたら饒舌に迫る。
「全部、自分たちの気まぐれ。その自分勝手に好き放題するのが二つあるからロクなことにしかなんねぇ。……つまんない街だよ」
 つまり、弱きを助け強気を挫いているわけでもなさそうで。

「……ええと。映画関係、ってさっき言いましたよね? ゼンゼンくんは役者さんになりたいんですか?」
 累、場を取り繕うと話題を変えた。
「いや、それは……」
「映画俳優ですか。私には馴染みがなかったので興味があります」
 口ごもるゼンゼン。それを吹っ飛ばすようにフィリアが身を乗り出した!
「もしかしてスカウトの方もいらっしゃるのでしょうか? どのような思惑であってもスカウトされるというのは凄い事です私もスカウトされたい何かしらのピンチヒッターでエキストラとして出たり面白そうです」
 ……本音が混じっているのは内緒である。
「フィリアさんは役者さんですか?」
 ナーナがクスクス笑いながら聞いた。
「いえ、演技の経験は無いのですが」
 きっぱり言い切るフィリア。
「あらあら、それなのに……。もしかしたら大物女優さんになるかもですね」
 度胸はバッチリだから、、とナーナ。
 ここで、それまで遊夜にべったりくっついていた響がそわそわしだした。
「……ん、歌と踊り……身のこなしは、自信ある」
 控えめに。
 それでいてきっぱりと。
 そんな主張をした響、チラチラ遊夜を見ている。
「お?」
 遊夜はこれを見て頬を緩めた。さっきまであれだけ義憤で怒りを露わにしていたのに!
 それはともかく、ナーナが反応。
「あらまあ。演技のほうは?」
「……ん、ユーヤお疲れ様……どう? ボク頑張ったよ?」
 聞かれて遊夜にしなだれる響。……演技のつもりのようだがまったく演技でないのは内緒だ。
「おお、響もお疲れさんだ」
 遊夜、抱きかかえて演技を合わせる。……まったく演技で以下略。
「あらあら。それじゃオーディション情報とか気にしておきますね」
 ナーナの言葉に響、感・激♪
「そういえば咎人にも、歌って踊れて……戦えちゃう人だっていますね」
 累も楽しそうだ。

 改めて場が明るくなってから翼が聞いてみた。。
「こっちは骸骨とか幽霊とかそんなホラー的な怪異が多いのかな?」
 さきほど退治したようなクリーチャーについて聞いてみた。
「ほかの街は知らないから、何とも」
 真面目な顔つきになったゼンゼンが答える。
 そして神妙に言うのだ。
「でも……また何かあったら力を貸してほしい」
 これには全員、素直に頷く。
「もちろんなのだ♪」
 翼、まだまだ元気は有り余っている。

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