絶壁をくり貫いたように、ぽっかり空いた洞穴。そこに常日頃と変わらず記念撮影を行うのはエイリアス(ma0037)。
「暗い洞窟ですか、……先が見えないのは怖いですが頑張ります!」
今回でI罠アイランド二回目の挑戦だ。
「……またこれか。いや、もうあるならやらん選択肢はないが……」
入り口のチェックポイントを触れ終え同じく二度目のチャレンジ、ザウラク=L・M・A(ma0640)が、そびえる崖を見上げながらバイザーを直す。
「……草原と同じく理不尽な罠があるんでしょうね」
数々の初見殺しを思い出すは不破 雫(ma0276)。だが、今回はこの前の様にはいかない。
「まぁ良いです。今日の私は前とは違いますからね」
ピンポーン
(何か聴こえちゃいけない音(フラグ音)が聴こえた気がしますが、気のせい気のせい)
「訓練を考えると良いのかもしれませんが明かりがないと不安ですね」
そう呟くエイリアス。そのために置かれた『とっても怪しくないランタン』なのだが。
はっきり言おう、明らかに怪しい。
「こうすれば罠でも大丈夫ですよ」
雫は手頃な石を持ち、雫はランタンに向かって投げつけた。
これなら、床からトゲが出てきても電撃が飛んでも大丈夫。
スッ
瞬間、雫の遥か後ろにザウラクとエイリアスは一気に後退。
カチン
「……え?」
ランタンに当たった小石から散る火花。突如――――
ドゴォォオン
「ぴゃ~~~~!?」
「ぎゃふんっ!」
大爆発。早速、死亡した雫、そして巻き込まれたリコリコ(ma0309)が傍らのチェックポイントに戻ってくる。
「予告はあったが……洞窟入る前から早速、コレか」
後に残るのは全く無傷のランタン。ザウラクがソッと手に持つが、何も起きることはない。
「うう、ごめんなさいあなたを巻き込んでしまって」
「だ、大丈夫なのだ! リコリコが我が身かわいさに怖気付く奴だと思われたら困るのだ!」
我はあのスサノオクラスタ成り。戦って死ぬは、その誉れとばかりに腰に手を当てリコリコは立ち上がる。
「十全に気をつけろ、気を付けた所で初見殺しはどうにもならんが」
こうして、ザウラクが全員にランタンを渡し、いよいよ洞窟探検に挑むのであった。
●
入り口を潜れば、複雑にいりくんだ天然の通路を一列になりながらランタン片手に進む。雫は一人、黒パジャモで地面に足がつかない程度に飛んでいた。
「飛んでいれば罠に掛かる確率は激減するはずです」
ピンポーン
(だから今の音!)
「今からリコリコが当たって砕けろ精神のお手本を見せてやるのだ……」
小さな胸をどん、と叩いて先頭を歩くリコリコ。
「というワケでリコリコがお先に失礼なのだ…ぴゃ~~ッ!?!?」
バクン、ペロリ。
暗がりに現れた巨大コウモリに頭から一口、デザート馳走さま。
「ランタンとカメラのフラッシュだけで、明かり足りますかねえ」
「こっちは行き止まりか、ならあっちの道を目指すか」
「あ、それならハズレの壁に目印つけておきます」
これ位の罠は慣れたものか、ザウラクとエイリアスと雫はリコリコがチェックポイントから戻るまで待機。
「ふー、こんなことじゃリコリコは負けないのだ」
「あら、あの天井の印は……」
エイリアスがカメラをズームさせ、天井のそれを確認した途端。
グシャ
「ぴぎゃぁぁぁ!!」
「キャフン!」
天井から夥しい▽(い・つ・も・の)が大量に降ってきて、二人を貫く。
「さっきまであんな罠あったか?」
初見殺しの罠もザウラクのツッコミも絶好調のようだ。
●あいるびーばっく
開けた場所に出る。暗がりに幾つかの松明。チェックポイントに続く飛び石。その下にはトゲ、そして、水位が上下する溶岩。
「まさかの二段構えだな。下が溶岩ならもっと明るくても良くないか?」
※光源にならない特別仕様溶岩です。
「おっさきにいくのだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
当たり前の如く、手前の足場でリコリコが勇み足。当たり前の如く、足場は落下する。
溶岩に運悪く沈めば、小さな手がサムズアップしながら四散する。
「それ……はやってんのか」
エイリアスは一つ飛び越えて、次の石に乗る。一つ一つの間隔はそんなに離れていないのだが。
「せーのっ」
ピューン、グサッ
彼女が飛んだタイミングで、ロケットのごとく貫きティウンティウン。
「アレは気を付けんとな、だが。よくみると、落ちる奴は違いがあるようだ」
一つ、また一つ、とザウラクは飛び石を吟味。漸く中間まで来た。
「チェックポイントなしか」
「お先に行きます」
ビューンと黒パジャモに乗った雫が悠々と飛び石を越していく。
「ってリコリコ飛べるんだったのだ!
」
「忘れてたんかい!」
雫の一手。確かに、ここが古代に作られた罠ならば、地上の仕掛けは回避出来ただろう。
ビー
バツッン
だが、残念。この罠は普通に近代文明を取り入れている。そう、例えばビームのセンサーとか。
「……真っ暗になったな。ランタンが消えたか。何も見えんな……お前達どこに……あっ」
明かりがつく。
さっきまでここに足場なかったっけ? 何て考える暇なくザウラクは垂直落下。
「そんなことだろうと思ったが前回も言ったなコレド阿呆!!!」
そして、綺麗な光の粒を残したのであった……綺麗な花火だ。
「気のせいか遠くで誰かの悲鳴がしたような……」
●分岐
飛び石エリアを抜けて、早速で悪いが四人は坂道で猛ダッシュを決めていた。
ゴロン、ゴロン
理由はもち、罠と言えばお馴染みお・お・い・わ☆
「やっぱり、来るとは思ってましたよ!」
「お約束なのはわかるが、こういうのはまずスイッチか何かを踏んで、それから出てくるものじゃないのか?」
※尺の都合です。
「大丈夫なのだ、L・M・A。もう、これは楽しんだもん勝ちなのだ! ほら、もう何も怖くない、のだ!!」
「んな訳あるか、俺は潰されるのは嫌だぞ」
ふと、雫は少し高いところにあった横穴を発見する。しめた。
「パジャモ!」
スポッ、大岩に逃げるようにそこに突撃。だが、
「あわわわ」
そのまま壁が回転し、それがチェックポイント。あわや別の部屋へ彼女は移動してしまった。
雫が部屋を確認すると、そこは密室。道は戻れず閉ざされ、針の突き出た天井はジリジリと落ちてくる。
中央には、パネルが何枚か置かれているようだが。
「こうなったら扉を破壊するしか」
パジャモに乗って体当たり! が、バリアのようなものにぽよーんと飛ばされ、針ががざく。そして、この部屋で復活。
「くっ、召喚が許されてたら吶喊させて罠を破壊したのですが」
仕方ない、と雫は謎解きに挑むのであった。
「えっと……『trap』『is』『defeat』で、『雫』『is』『you』が固定されてますね……ならこう、ズラして」
時は戻って残る三人は、未だ転がる大岩を背にして走る、走る。だが、終わりはやがて来る。
そう、目の前の壁には横向きに揃えられた『いつもの△』。
このまま走れば串刺しだ。
「ここまで走って行き止まりか」
「いえ、待って下さい。手前チェックポイントでは?」
「きっと、そこで停まれってことなのだ!」
死の直前に置かれたチェックポイント。明らかに罠のようにも見えるが……
「どちらにせよ、止まっても死ぬんだ。なら、一か八かだ行くぞ」
大岩より早く、三人は同時にチェックポイントに入る。
パカッ
「んっ?」
足元の床が開く、そして頭上から
ドドドドドドッ
「うきゃあああ」
「ぴきぃーーー!!」
滝のごとき水流が噴き出し、飛んで逃げるのは許さんと穴に三人を押し込んだ。
ぼてっ
水に落とされた三人は死ぬことはなく、びしょびしょになりながらも着地する。
「ここは、広い空間でしょうか?……?、何か奥に……あれは……」
「一瞬油かと思って焦ったが、どうやら正解みたいだな」
ザウラクがバイザーについた水滴を払いながら起き上がれば、そこには果樹園が広がっていた。
たわわに実るは赤い果物。ものすごくデジャブを感じる赤い実。
「……どうでもいいことかもしれんが、どうして洞窟のなかに例の木の実があるんだ?」
「ムムムッ、何となく美味しそっ」
ヒュンッ
「うわわわ」
近付いたリコリコへ、弾丸のように飛んでくる赤い実。彼女は間一髪でそれを飛んで避けた。
りんごは飛ぶもの。
「アレを見てください」
エイリアスがカメラのレンズを向けながら、指で示す。奥にはドアがあり、カウントが示されている
謎の音楽まで流れ始めた。
どうやら、0になるまで避けろと言いたいらしい
。
「いわゆるボスかこれは」
「誰か一人殺られたら、全員アウトではないでしょうか」
「また、あの滝を落ちるのか」
赤い実の数は少ない。だが、壁に反射すると小さくなって分裂。更に咎人たちにいくつかが襲い掛かる。
「こっちに沢山むかってくるのだ!」
「そちらは、自機狙いです。少し身をずらせば回避は簡単ですよ」
「こっちと、こっち……おいさっきと跳ねた方向が違っ」
ブシャア
「大きい林檎が降ってき」
パァァン
「4……3……あ、速度が変っ」
バタンバタンバタン
もう何度お星さまに彼らはなったことだろうか……
「いい加減クリアさせてくれ……」
実、実実実。せめて、赤以外の色があってほしいとすら願うほどの赤。
「別の色の実は、更に厄介なことになりますね……1……0」
カウントが『0』をあらわす。ピタリ、その瞬間に跳ね回っていた木の実達は、しゅわぁ、と炭酸の泡のように消えて扉が開いた。
「暫く……りんごは見たくないのだ」
「さくらんぼかもです」
「デリシャスフルーツかもな」
チェックポイントを通り、その先は線路の道が続き、トロッコが乗せてある。
もう罠とか考えるのも疲れ始めたので、全員はそのトロッコにさっさと乗った。
「乗った途端に逆走しないだろうな」
だが、予想を覆しトロッコはしっかり線路を突き進む。そして、やがてそれは見えてきた。
鍾乳洞の奥深く、線路の行き止まりの先には水晶煌めく洞窟。そして、ゴールのフラッグだ。
ガクン
●
咎人三人は、水晶の洞窟に着地し漸くゴールフラッグに触れた。トロッコが目の前に来た途端に、線路が奈落へと向きを変えて墜ちたが、無事辿り着いた。
「うんなるほどな。……やっぱりイージーモード作らんか……?」
最後のトロッコからの大ジャンプ着地で足を痺れさせながら、大きく息を吐くザウラク。
「時々ビックリすることもありましたが、楽しかったですね。」
寧ろ一面の水晶の清らかさに、心が洗われたような気がしてくるエイリアス。
「ま、まだ諦めないのだ……まだ死に方コンプできてないのだ……あれ?」
目的が若干ずれてきているし、実は既にゴール済みなことに気付いていないリコリコ。
「そう言えば、結局スサノオ様はどこを手伝っていたのだ?」
●???
「『trap』『is』……『break』出来ましたね」
その瞬間、天井のトゲは霧散し上への入口が繋がった。一体何回餌食になっただろうか、わかってしまえば簡単なパズルだったのに、と言う心をしまって雫は次へと進んだ。
チェックポイントの先は通路。おそるおそるその通路を進むと、またもや小部屋の一角に辿り着く。
花が咲き乱れるその場所は、よーく見覚えあるスサノオ神のお姿……の書き割りが鎮座し、上の方に達筆な文字で『耐久えくすとらすてーじ』とある。
(物凄く……嫌な……予感がします。ええ、ほんっとに)
『良くこの隠しコースに気付いたな誉めてやろう……と今、台本があるから待っていろよ』
書き割りの人物、つまりスサノオがスピーカーで話しかけてきた。紙を捲る音、小鳥の囀り。
そして中々の重低音で一言。
『しょーるどびーばーにんぐへる』
書き割りの奥から幾つもの砲台がセット。
「これは……つまり」
ドゥオオン
極太ビームが格子に発射、隙を置かずに十字に発射!!
そして、波打つ骨、ならぬ波打つ長いトゲ!!
「そう言うことですね゛っ」
パジャモ共々霧散、そして通路で復活。
再び書き割り前に来た、雫の表情は覚悟、否、決意で満たされた。
「もう、わかりましたよ。全部避けて、はっ倒す!!」
ガァァァァ
『その心意気やヨシ!』
再び咆哮は放たれた。
そして、その後ザウラク達三人は、ゴールに現れた精も根も尽き果てた雫を見たとか……。
「暗い洞窟ですか、……先が見えないのは怖いですが頑張ります!」
今回でI罠アイランド二回目の挑戦だ。
「……またこれか。いや、もうあるならやらん選択肢はないが……」
入り口のチェックポイントを触れ終え同じく二度目のチャレンジ、ザウラク=L・M・A(ma0640)が、そびえる崖を見上げながらバイザーを直す。
「……草原と同じく理不尽な罠があるんでしょうね」
数々の初見殺しを思い出すは不破 雫(ma0276)。だが、今回はこの前の様にはいかない。
「まぁ良いです。今日の私は前とは違いますからね」
ピンポーン
(何か聴こえちゃいけない音(フラグ音)が聴こえた気がしますが、気のせい気のせい)
「訓練を考えると良いのかもしれませんが明かりがないと不安ですね」
そう呟くエイリアス。そのために置かれた『とっても怪しくないランタン』なのだが。
はっきり言おう、明らかに怪しい。
「こうすれば罠でも大丈夫ですよ」
雫は手頃な石を持ち、雫はランタンに向かって投げつけた。
これなら、床からトゲが出てきても電撃が飛んでも大丈夫。
スッ
瞬間、雫の遥か後ろにザウラクとエイリアスは一気に後退。
カチン
「……え?」
ランタンに当たった小石から散る火花。突如――――
ドゴォォオン
「ぴゃ~~~~!?」
「ぎゃふんっ!」
大爆発。早速、死亡した雫、そして巻き込まれたリコリコ(ma0309)が傍らのチェックポイントに戻ってくる。
「予告はあったが……洞窟入る前から早速、コレか」
後に残るのは全く無傷のランタン。ザウラクがソッと手に持つが、何も起きることはない。
「うう、ごめんなさいあなたを巻き込んでしまって」
「だ、大丈夫なのだ! リコリコが我が身かわいさに怖気付く奴だと思われたら困るのだ!」
我はあのスサノオクラスタ成り。戦って死ぬは、その誉れとばかりに腰に手を当てリコリコは立ち上がる。
「十全に気をつけろ、気を付けた所で初見殺しはどうにもならんが」
こうして、ザウラクが全員にランタンを渡し、いよいよ洞窟探検に挑むのであった。
●
入り口を潜れば、複雑にいりくんだ天然の通路を一列になりながらランタン片手に進む。雫は一人、黒パジャモで地面に足がつかない程度に飛んでいた。
「飛んでいれば罠に掛かる確率は激減するはずです」
ピンポーン
(だから今の音!)
「今からリコリコが当たって砕けろ精神のお手本を見せてやるのだ……」
小さな胸をどん、と叩いて先頭を歩くリコリコ。
「というワケでリコリコがお先に失礼なのだ…ぴゃ~~ッ!?!?」
バクン、ペロリ。
暗がりに現れた巨大コウモリに頭から一口、デザート馳走さま。
「ランタンとカメラのフラッシュだけで、明かり足りますかねえ」
「こっちは行き止まりか、ならあっちの道を目指すか」
「あ、それならハズレの壁に目印つけておきます」
これ位の罠は慣れたものか、ザウラクとエイリアスと雫はリコリコがチェックポイントから戻るまで待機。
「ふー、こんなことじゃリコリコは負けないのだ」
「あら、あの天井の印は……」
エイリアスがカメラをズームさせ、天井のそれを確認した途端。
グシャ
「ぴぎゃぁぁぁ!!」
「キャフン!」
天井から夥しい▽(い・つ・も・の)が大量に降ってきて、二人を貫く。
「さっきまであんな罠あったか?」
初見殺しの罠もザウラクのツッコミも絶好調のようだ。
●あいるびーばっく
開けた場所に出る。暗がりに幾つかの松明。チェックポイントに続く飛び石。その下にはトゲ、そして、水位が上下する溶岩。
「まさかの二段構えだな。下が溶岩ならもっと明るくても良くないか?」
※光源にならない特別仕様溶岩です。
「おっさきにいくのだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
当たり前の如く、手前の足場でリコリコが勇み足。当たり前の如く、足場は落下する。
溶岩に運悪く沈めば、小さな手がサムズアップしながら四散する。
「それ……はやってんのか」
エイリアスは一つ飛び越えて、次の石に乗る。一つ一つの間隔はそんなに離れていないのだが。
「せーのっ」
ピューン、グサッ
彼女が飛んだタイミングで、ロケットのごとく貫きティウンティウン。
「アレは気を付けんとな、だが。よくみると、落ちる奴は違いがあるようだ」
一つ、また一つ、とザウラクは飛び石を吟味。漸く中間まで来た。
「チェックポイントなしか」
「お先に行きます」
ビューンと黒パジャモに乗った雫が悠々と飛び石を越していく。
「ってリコリコ飛べるんだったのだ!
」
「忘れてたんかい!」
雫の一手。確かに、ここが古代に作られた罠ならば、地上の仕掛けは回避出来ただろう。
ビー
バツッン
だが、残念。この罠は普通に近代文明を取り入れている。そう、例えばビームのセンサーとか。
「……真っ暗になったな。ランタンが消えたか。何も見えんな……お前達どこに……あっ」
明かりがつく。
さっきまでここに足場なかったっけ? 何て考える暇なくザウラクは垂直落下。
「そんなことだろうと思ったが前回も言ったなコレド阿呆!!!」
そして、綺麗な光の粒を残したのであった……綺麗な花火だ。
「気のせいか遠くで誰かの悲鳴がしたような……」
●分岐
飛び石エリアを抜けて、早速で悪いが四人は坂道で猛ダッシュを決めていた。
ゴロン、ゴロン
理由はもち、罠と言えばお馴染みお・お・い・わ☆
「やっぱり、来るとは思ってましたよ!」
「お約束なのはわかるが、こういうのはまずスイッチか何かを踏んで、それから出てくるものじゃないのか?」
※尺の都合です。
「大丈夫なのだ、L・M・A。もう、これは楽しんだもん勝ちなのだ! ほら、もう何も怖くない、のだ!!」
「んな訳あるか、俺は潰されるのは嫌だぞ」
ふと、雫は少し高いところにあった横穴を発見する。しめた。
「パジャモ!」
スポッ、大岩に逃げるようにそこに突撃。だが、
「あわわわ」
そのまま壁が回転し、それがチェックポイント。あわや別の部屋へ彼女は移動してしまった。
雫が部屋を確認すると、そこは密室。道は戻れず閉ざされ、針の突き出た天井はジリジリと落ちてくる。
中央には、パネルが何枚か置かれているようだが。
「こうなったら扉を破壊するしか」
パジャモに乗って体当たり! が、バリアのようなものにぽよーんと飛ばされ、針ががざく。そして、この部屋で復活。
「くっ、召喚が許されてたら吶喊させて罠を破壊したのですが」
仕方ない、と雫は謎解きに挑むのであった。
「えっと……『trap』『is』『defeat』で、『雫』『is』『you』が固定されてますね……ならこう、ズラして」
時は戻って残る三人は、未だ転がる大岩を背にして走る、走る。だが、終わりはやがて来る。
そう、目の前の壁には横向きに揃えられた『いつもの△』。
このまま走れば串刺しだ。
「ここまで走って行き止まりか」
「いえ、待って下さい。手前チェックポイントでは?」
「きっと、そこで停まれってことなのだ!」
死の直前に置かれたチェックポイント。明らかに罠のようにも見えるが……
「どちらにせよ、止まっても死ぬんだ。なら、一か八かだ行くぞ」
大岩より早く、三人は同時にチェックポイントに入る。
パカッ
「んっ?」
足元の床が開く、そして頭上から
ドドドドドドッ
「うきゃあああ」
「ぴきぃーーー!!」
滝のごとき水流が噴き出し、飛んで逃げるのは許さんと穴に三人を押し込んだ。
ぼてっ
水に落とされた三人は死ぬことはなく、びしょびしょになりながらも着地する。
「ここは、広い空間でしょうか?……?、何か奥に……あれは……」
「一瞬油かと思って焦ったが、どうやら正解みたいだな」
ザウラクがバイザーについた水滴を払いながら起き上がれば、そこには果樹園が広がっていた。
たわわに実るは赤い果物。ものすごくデジャブを感じる赤い実。
「……どうでもいいことかもしれんが、どうして洞窟のなかに例の木の実があるんだ?」
「ムムムッ、何となく美味しそっ」
ヒュンッ
「うわわわ」
近付いたリコリコへ、弾丸のように飛んでくる赤い実。彼女は間一髪でそれを飛んで避けた。
りんごは飛ぶもの。
「アレを見てください」
エイリアスがカメラのレンズを向けながら、指で示す。奥にはドアがあり、カウントが示されている
謎の音楽まで流れ始めた。
どうやら、0になるまで避けろと言いたいらしい
。
「いわゆるボスかこれは」
「誰か一人殺られたら、全員アウトではないでしょうか」
「また、あの滝を落ちるのか」
赤い実の数は少ない。だが、壁に反射すると小さくなって分裂。更に咎人たちにいくつかが襲い掛かる。
「こっちに沢山むかってくるのだ!」
「そちらは、自機狙いです。少し身をずらせば回避は簡単ですよ」
「こっちと、こっち……おいさっきと跳ねた方向が違っ」
ブシャア
「大きい林檎が降ってき」
パァァン
「4……3……あ、速度が変っ」
バタンバタンバタン
もう何度お星さまに彼らはなったことだろうか……
「いい加減クリアさせてくれ……」
実、実実実。せめて、赤以外の色があってほしいとすら願うほどの赤。
「別の色の実は、更に厄介なことになりますね……1……0」
カウントが『0』をあらわす。ピタリ、その瞬間に跳ね回っていた木の実達は、しゅわぁ、と炭酸の泡のように消えて扉が開いた。
「暫く……りんごは見たくないのだ」
「さくらんぼかもです」
「デリシャスフルーツかもな」
チェックポイントを通り、その先は線路の道が続き、トロッコが乗せてある。
もう罠とか考えるのも疲れ始めたので、全員はそのトロッコにさっさと乗った。
「乗った途端に逆走しないだろうな」
だが、予想を覆しトロッコはしっかり線路を突き進む。そして、やがてそれは見えてきた。
鍾乳洞の奥深く、線路の行き止まりの先には水晶煌めく洞窟。そして、ゴールのフラッグだ。
ガクン
●
咎人三人は、水晶の洞窟に着地し漸くゴールフラッグに触れた。トロッコが目の前に来た途端に、線路が奈落へと向きを変えて墜ちたが、無事辿り着いた。
「うんなるほどな。……やっぱりイージーモード作らんか……?」
最後のトロッコからの大ジャンプ着地で足を痺れさせながら、大きく息を吐くザウラク。
「時々ビックリすることもありましたが、楽しかったですね。」
寧ろ一面の水晶の清らかさに、心が洗われたような気がしてくるエイリアス。
「ま、まだ諦めないのだ……まだ死に方コンプできてないのだ……あれ?」
目的が若干ずれてきているし、実は既にゴール済みなことに気付いていないリコリコ。
「そう言えば、結局スサノオ様はどこを手伝っていたのだ?」
●???
「『trap』『is』……『break』出来ましたね」
その瞬間、天井のトゲは霧散し上への入口が繋がった。一体何回餌食になっただろうか、わかってしまえば簡単なパズルだったのに、と言う心をしまって雫は次へと進んだ。
チェックポイントの先は通路。おそるおそるその通路を進むと、またもや小部屋の一角に辿り着く。
花が咲き乱れるその場所は、よーく見覚えあるスサノオ神のお姿……の書き割りが鎮座し、上の方に達筆な文字で『耐久えくすとらすてーじ』とある。
(物凄く……嫌な……予感がします。ええ、ほんっとに)
『良くこの隠しコースに気付いたな誉めてやろう……と今、台本があるから待っていろよ』
書き割りの人物、つまりスサノオがスピーカーで話しかけてきた。紙を捲る音、小鳥の囀り。
そして中々の重低音で一言。
『しょーるどびーばーにんぐへる』
書き割りの奥から幾つもの砲台がセット。
「これは……つまり」
ドゥオオン
極太ビームが格子に発射、隙を置かずに十字に発射!!
そして、波打つ骨、ならぬ波打つ長いトゲ!!
「そう言うことですね゛っ」
パジャモ共々霧散、そして通路で復活。
再び書き割り前に来た、雫の表情は覚悟、否、決意で満たされた。
「もう、わかりましたよ。全部避けて、はっ倒す!!」
ガァァァァ
『その心意気やヨシ!』
再び咆哮は放たれた。
そして、その後ザウラク達三人は、ゴールに現れた精も根も尽き果てた雫を見たとか……。





